【漫才】最近暖かいね
ゲラゲラコンテスト4を知り、応募したくなってサラっと書いてみました。
1時間ほどで書き終わったら、3500文字ありましたので、削りに削ってギリギリの2000文字以内に致しました。
宜しくお願いします。
二人「どうもはじめまして、宜しくお願いしまーす」
ボ「いや~、暖かくなってきたねぇ」
ツ「そうですねぇ」
ボ「いや~、暖かくなるとね~」
ツ「なるとどうしました?」
ボ「変な人が増えるから困っちゃうよね~」
ツ「……」
ボ「どうしたの、急に黙って?」
ツ「いや…… 変なのは、あなたですよね」
ボ「ん? 俺の何処が変なの?」
ツ「気づいて無い?」
ボ「気づくも何も、俺、全然変じゃないからね」
ツ「やっぱり気づいて無いのね」
ボ「そこまで言うなら、何処が変なのか言うてくれよ」
ツ「あ~、いいでしょう。言いますよ」
ボ「はいはい、どうぞ」
ツ「京都に旅行しましたよね俺等二人で」
ボ「あー、覚えてるよ」
ツ「その時に何処かのお寺で托鉢してるお坊さんおったよな?」
ボ「たくはつ? 何それ?」
ツ「お坊さんが修行の為にな、手に鉢を持ってな、お椀みたいなやつや」
ボ「あ~、はいはい。見たことあるわ」
ツ「それにお金やら、食べ物を入れるやつね」
ボ「はいはい、知ってる知ってる。それがどないしてん?」
ツ「あなた、その托鉢してるお坊さんにお金を入れてあげたよね。わざわざ順番待ちして」
ボ「お~、流石俺やな。順番待ちまでして入れてあげたんや」
ツ「でね、あなた3番目だったのよ、前におばちゃんが二人並んでたの」
ボ「うん」
ツ「前の二人のやり方を見てからの3番目! わかる?」
ボ「分かってるよ、俺3番目ね」
ツ「そう! でね、前のおばちゃんは、お椀みたいなのに、お金を入れたの」
ボ「うん」
ツ「そしたらね、お坊さんが、感謝の印にお経を唱えてくれて、最後に鈴をチリ~ンて」
ボ「鳴らすんや?」
ツ「そう、それが終わりの合図やねん。あなたは3番目だったから前の二人のやり方を見てたはずやねん!」
ボ「そうやな~」
ツ「でもね、あなたはお金を入れて直ぐお坊さんに背中向けて俺の方に歩いてきたんよ!」
ボ「うん」
ツ「お坊さん、お前が急に何処か行くもんだから、めっちゃ早くゴニョゴニョって一瞬でお経唱えて、鈴もチリ~ンじゃなくてチン! って凄いスピードで鳴らしてたんや!」
ボ「おぉ! 坊さんやるやんけ~」
ツ「そのお坊さんがやるとかやらんとかは関係ないの! 前に二人も並んでて、その人達のやり方見てたのに、何故直ぐ俺の方に歩いてきたん!? お坊さんめっちゃ焦ってチリ~ンじゃなくてチンやで! バンドのドラマーみたいやったわ!」
ボ「早くお前に会いたかったんやろうな」
ツ「その理由も変やん! 一緒に旅行してるんやし、相方やん俺等! いつもだいたい一緒やん、お坊さんの邪魔してまで早く会う必要ないやん!」
ボ「う~ん……」
ツ「分かった分かった、俺に早く会いたかったんやな。それはそれでええわ」
ボ「まぁいうても、その一つやろ?」
ツ「……まだまだあるからね」
ボ「いや、もうないよ~」
ツ「あるんやって!」
ボ「ないと思うけど、一応言うてみて」
ツ「この前、あなたの家でネタ合わせしてたよね?」
ボ「うん」
ツ「その時、ネットスーパーから電話あったの覚えてる?」
ボ「あ~、覚えてる覚えてる! けど、あれは俺が変なのちゃうやん! 電話してきたおばちゃんが変やったんや」
ツ「あの電話、あなたが注文していたリンゴが無いって電話やったやん」
ボ「はいはい、そうですよ! あのおばちゃん、4つ頼んでいたジョナゴールドってリンゴが3ジョナゴールドしかないって言うてきたんですよ!」
ツ「そう! フリーフォンで話してたから俺にも聞こえてましたよ」
ボ「3ジョナゴールドって、1ジョナゴールド、2ジョナゴールド数えるんやで、めんどくさいおばちゃんやったわ! まぁ俺もそれに合わせて、3ジョナゴールドでええよって言うて電話切りましたけどね」
ツ「うん、言うてたな」
ボ「それの何処が変なのよ? 変なのは3つとか3個じゃなくて、3ジョナゴールド言うたおばちゃんやろ?」
ツ「それで、俺がおる時にネットスーパーの宅配きたよな」
ボ「来た来た! そしたら、覚えてる?」
ツ「うん」
ボ「3ジョナゴールドって言うてたくせにちゃんと4つ入っててん! 俺の家に配達来るまでに八百屋でも寄って1ジョナゴールド買ってきたんやで!」
ツ「その憶測も変やん!」
ボ「何が変なん?」
ツ「ええか、良く聞けよ!」
ボ「うん」
ツ「3ジョナゴールドって、数じゃないのよ! あれはサンジョナゴールドってリンゴの種類なの!」
ボ「……」
ツ「どこの世界にリンゴを1ジョナゴールド、2ジョナゴールドって種類を単位にして数える奴がおんねん! ジョナゴールドが無かったからサンジョナゴールドって種類でもええかって電話やったんよ!」
ボ「……俺を引っかけるとは、やりよるな、あのおばちゃん。さては坊さんの関係者かもしれんな」
ツ「いや関係ない! たぶん、いや絶対坊さんとは関係無いおばちゃんや。それにやるとかやらないとかの問題じゃないのよ、わかる!? あなたが変なのって話なのよ」
ボ「そういえばあのおばちゃん、電話切る時にチリ~ンって鈴ならしてたわ」
ツ「鳴らすかぁ! もぅええわ!」
二人「どうもー、ありがとうございましたー」