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追放シーフの成り上がり  作者: 白銀 六花
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79 ソーニャもついに

 三日の休みは訓練に終わり、全く休めていないが魔境へと出発する日がやってきた。


「ねぇ!出発前にステータス測定しない?」


「お、そうだった測れ測れ」


 ソーニャがそう提案するとパウルも気になっていたようで測定するよう煽ってくる。


「そうだな。竜種に挑む前に測定しておくのもいいかもしれない」


 ブレイブのリーダーであるマリオが了承すると、ジェラルドもレナータもこれまでの冒険からどれだけ成長したかを知りたいと測定に乗り気だ。


「よし、じゃあケイト!ブレイブのステータス測定頼む!」


 ザックもブレイブの以前のステータスからどれだけ成長したかが気になるところ。

 早速ケイトに声を掛けた。

 ケイトは「かしこまりました」と測定器を取りに行き、ブレイブで順番を決めてその時を待つ。


 以前と同様に測定を行い、測定結果を書いた紙を一人ずつ渡される。


 名前:ソーニャ=セルゲイ

 攻撃:1231

 防御:443

 俊敏:1604

 器用:685

 魔力:170

 法力:82

 評価値:50(S級シーフ)


「やったー!」と飛び跳ねたソーニャ。

 すぐさま覗き込んだマリオが「すげぇ!ソーニャはやっぱりS級かよ!」と叫べば誰もが結果を見て称賛する。

 死ぬ思いをした三月とディーノから鍛えられてからの一月と少し。

 わずか四月程で評価値を31も上昇させたソーニャの成長率は驚くべきものだろう。


 名前:ジェラルド=ウェイ

 攻撃:1216

 防御:2121

 俊敏:394

 器用:286

 魔力:139

 法力:67

 評価値:44(A級ガーディアン)


「以前よりは伸びたがまだまだだな。もっと努力しないと」


「だから呪いの実験付き合ってよ。きっとステータスも上がると思うよ?」


 レナータの誘いに全力で断るジェラルドだが、呪いの実験に付き合ったところでステータスは伸びないだろう。

 ただ生命力だけが失われて昏倒するだけだ。


「君の場合はプロテクションの性能がいいからステータスに反映されない部分で強みがあるから大丈夫」


 エンベルトの見立てではこのステータスでは雷撃に耐えられないどころかランドのピアースを防ぐ事は不可能だ。

 持って生まれた痛みへの喜びとプロテクションの性能がジェラルドをステータス以上に強くする。


 名前:レナータ=ハインリヒ

 攻撃:1436

 防御:461

 俊敏:431

 器用:777

 魔力:906

 法力:2262

 評価値:49(A級クレリックアーチャー)


「器用がすごい伸びてる!」


「あ、そっちなのか。S級まであと一歩だから頑張るといい」


 やはりアーチャーの部分で評価値を落とす事になっているのだが、クレリックとして見るとS級60に届きそうな程の法力値である。

 アーチャーは器用が1000を超えていなければB級にすら届く事はなく、クレリックアーチャーは評価が上がりにくいという側面を持つ。

 それでもA級49ともなれば相当に優秀なクレリックアーチャーと言えるだろう。


 名前:マリオ=グレッチャー

 攻撃:2020

 防御:613

 俊敏:738

 器用:537

 魔力:239

 法力:116

 評価値:42(A級ファイター)


「俺もまだまだだな。アタッカーとして情けねぇ……」


 評価値を見て肩を落とすマリオだが、ザックはステータスを見ながら首を傾げて自分の考えを述べる。


「お前、おかしな伸び方してんな。見ろよ、俊敏がシーフ並みに伸びてきてるだろ。ストリーム型のスラッシュって事もあって、たぶんマリオも普通の評価で表せねぇような強さになってると思うぜ」


 そうフォローされると少しマリオも気が紛れるものの、評価値として自信を持てるだけのものが欲しかったのだろう。

 やはり表情は浮かない。


「素早いファイターってなんかかっこいいね!」


 しかしソーニャのその一言にマリオは救われた気持ちになり、思わず手が伸びてしまうもののぎりぎりのところで自制が働き、ソーニャの肩に手を置いて笑顔を向ける。


「ありがとな。今はまだ情けねぇ俺だけど、誰にも負けねぇくらい強くなるから。絶対に強くなるから。見ててくれよな」


「う……うん!」と答えたソーニャは笑顔を返してマリオの胸を拳で叩く。

 女の勘が働いたソーニャはマリオの押し殺した気持ちをわずかに感じ取り、頑張ろうではなく頑張れという意思を込めて、俯きながらももう一度胸に拳をぶつけた。


 そしてこのステータス測定からもう一つ。


「ブレイブの皆さん。おめでとうございます。パーティーでの総合値が規定値を大幅に超えていますのでAA級に昇格させて頂きます。今後の活躍も期待しております」


「やったね!あと……いくつ!?計算できない!でもあとちょっとでSS級になれるんじゃない?」


 そう喜んだソーニャに「そうね」と笑顔を返すレナータ。

 これまでBB級クエストでの失敗が重なった事で簡単にはAA級に昇格する事はなかったうえ、評価値が規定を満たすだけでは足りず、最低でも20以上を積み上げなければAA級への昇格はないとされていた。

 それを40以上も超えたとなれば昇格は確定し、晴れてAA級パーティーとして活動する事ができるようになる。

 マリオは少し申し訳なさそうに、そしてジェラルドは悔しそうに、AA級パーティー昇格を受け入れた。




 ステータス測定を終えて魔境へと旅立つ事になった聖銀とブレイブ。

 馬車に揺られながら長い道のりを進んで行く。


 途中様々なモンスターに襲われる事になるも聖銀とブレイブの敵ではない。

 とはいえブレイブの訓練をしながら向かう為、戦うのは主にマリオとレナータだ。

 二人は率先して訓練相手が見つかったとモンスターに向かう為、役割を決める必要もなく討伐していった。

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