漫才『ダイエット』
※【ゲラゲラコンテスト2】参加作品
二人「はいどーも」
ツッコミ「突然なんだけど、最近太っちゃってさ。ちょっとダイエットしようかなと思ってるんだけど」
ボケ「確かに。遠くから見たらほぼ球体だもんね」
ツッコミ「え、そんなに?」
ボケ「星のカービィかと思ったもん」
ツッコミ「マジで?」
ボケ「そういえばラーメンとかもめっちゃすすって食べるし。今思えば伏線だったわけだ。まさか君がカービィだったとは…」
ツッコミ「どんどん話進んでいくな」
ボケ「生で見るとそんなにピンクじゃないんですね」
ツッコミ「いやカービィじゃないのよ。ラーメンすすって食べるのは伏線でも全然ないし、あいつラーメンは器ごといくから」
ボケ「あー、言われてみれば」
ツッコミ「分かってくれた?」
ボケ「分かった。カービィじゃなくて、バボチャンだ」
ツッコミ「まーた類似キャラクター出してきたね」
ボケ「そういえば前から大林素子を見るお前の目線は何か熱があるなと思ってたんだよ。今思えば伏線だったわけだ。まさか君がバボチャンだったとは…」
ツッコミ「こんなに早いデジャブってあるんだね」
ボケ「思いっきり顔面アタックしていいですか?」
ツッコミ「もちろん駄目だよ。あと大林素子のこと熱い目で見たことないから。ビッグな女の人だなぐらいの認識しかないよ」
ボケ「え、ということはバボチャンじゃないの?」
ツッコミ「バボチャンじゃないよ。バレーボールのマスコットはこんなに喋らないでしょ。思い出してみ。あいつ口ないぜ?」
ボケ「そんな…。でも思いっきり顔面アタックはさせてくれるよね?」
ツッコミ「あのね。僕はバボチャンじゃないの。故にそれはただの暴行事件になるのよ」
ボケ「示談金は払うから」
ツッコミ「え、そこまでしててでも僕のことしばきたい? 今後の付き合い方考えさせてもらうわ」
ボケ「いいダイエットの方法知ってるんだけどなー」
ツッコミ「……本当に? 知ってるなら教えてほしいけど…」
ボケ「仕方ねえ野郎だな」
ツッコミ「あ、めちゃくちゃ殴りたい」
ボケ「そんなんだから太るんだよ」
ツッコミ「日本が銃社会じゃなかったことに感謝したほうがいいよ。多分今なら引き金をひくのに躊躇しないから」
ボケ「この糞デブが」
ツッコミ「あきらかに言い過ぎだよ! ちょっとお腹出てきたなぐらいでなんでそこまで言われなくちゃいけないの! 舞台降りたら覚えておけよ」
ボケ「マネージャー、タクシー呼んでおいて」
ツッコミ「逃げる気満々じゃねえか」
ボケ「もう今日ははける勢いそのままに帰るから」
ツッコミ「絶対に逃がさねえからな」
ボケ「そう。これこそが僕のおすすめするダイエット方法だよ」
ツッコミ「へ?」
ボケ「僕が何の意味もなく暴言を吐くような男に見えますか?」
ツッコミ「割とそう見えてるよ」
ボケ「そんなわけないでしょ。半分は優しさでできてるような男だから」
ツッコミ「悪意の間違いじゃない?」
ボケ「いやいや。僕が逃げ続ける。君は追いかけ続ける。カロリーが消費され続ける。そしたらいつのまにか痩せてるって寸法よ。さあ感謝してくれ」
ツッコミ「なるほど。だから君はわざとけしかけてたんだね。いつもありがとう。期待に応えられるように絶対に痩せるよ! …とはならんよ」
ボケ「え、ならない?」
ツッコミ「うん。今僕の中には純粋な殺意しか残ってない」
ボケ「まあまあまあ。許してよ。君のダイエットが終わったら全裸で土下座して靴舐めるからさ」
ツッコミ「おごるからさみたいな感じで凄いこと言ってる! …いやもうそこまでやんなくていいよ。君の気持ちは分かったから」
ボケ「え、全然やるよ? やらせてよ」
ツッコミ「やりたいの!? いやもう普通に規則正しい生活をして、適度に運動します」
ボケ「それが一番だね」
ツッコミ「マジで今までのやり取りなんだったんだろう」
ボケ「まあ元気出せよ! とりまパーっと食べ放題行こうぜ」
ツッコミ「いや話聞いてた!? もういいよ」
二人「どうもありがとうございましたー」