表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

リトル・ブレイブ

「喰らえエェーィィ!俺様を侮辱した罪はッ、地獄送り!!」


勇者が引き抜いたのは剣。

それを見て穂積は理解した。


この勇者の攻撃パターンは三つ!


その鋭利な斬っ先で「突く」!

その陽を受けて光る刃で「斬る」!

その硬い柄頭等で「殴る」!


幸いにも他のモブの動きは、警戒するほどのものではないので後回し!

勇者がこの三つのうちのどれを用いて攻撃してくるのか…それのみに集中する!


しかし!


「シャァァァァァーーーーッ」


勇者は…


「け…剣から…ビーム!?」


この三つのうち、どれひとつとして実行しなかった!

斬っ先を一瞬此方に向けた時「突く」のを警戒したが、全く違った!


一直線に!魔王に向けて!ビームが放たれた!


「ふぅッ!」


間一髪、回避に成功した!


しかし!


「隙ありいィァァ!」


屈強な格闘家の蹴り!


「勇者サマは最強なのぉぉ!」


一見弱そうな魔法使いの雷撃!


「シュワァァァァァァィッ!」


喧しいハンターの暗器攻撃!


ひとつひとつはカスのようだが、どれかひとつは喰らわねばならない!


必然的にそういう状態になっていた!


ならばッ!?


───


この時、穂積の頭の中にたったひとつ!


得策が浮かんだ!


それは!


「───な、何だとッ!?」


次の瞬間、穂積は床に大穴を開けた!


「───や、やった…!一か八かの賭けだったけど…!」


穂積の言う通り、この作戦は一か八かの賭けだった!

三日間、とくに城の構造を覚える努力をしていたわけでもない彼女は床の下がどうなっているのか───一階下がどういう場所なのかを理解していなかったからだ!

しかし、その賭けは彼女にとってプラスの結果をもたらした!


大穴に巻き込まれ、体勢を崩した勇者たちは慌てた!

格闘家も魔法使いもハンターも、落ちゆく瓦礫にしがみつくので精一杯!

勇者は瓦礫にしがみつけず、もがいた!

穂積が突くのは一瞬!不意の出来事に混乱した一瞬が狙い目だ!


「話を聴く限り…貴方は死んでこの世界に来たみたいねェーッ!」


格闘家がしがみついていた瓦礫を蹴る!

蹴った勢いで勇者の顔をブン殴って、剣を奪い取る。


「ぐはッ!剣を返せェ、邪悪な魔王め!」


「私はまだ死んでないの、死人を生き返らせるための踏み台にされるのはゴメンなのォーーーッ!」


その剣を勇者の体に刻み込む!


「ドォォオオオオーーーッ!」


そしてその頭に、柄頭をブチ込む!

頭の骨が陥没する衝撃!


しかしそれでは止まらない!

穂積は、更に勇者の体を蹴り、城の外へ吹き飛ばした!


そこから地上まで、およそ100mは確実!

そして地表からは灼熱のマグマ!

剣からビームを出すだけの勇者に、これが耐えられるかッ!?


床に着地した穂積は更に残りの連中にビームを放つ!

勇者が放ったあのビームを、見よう見まねで放った!

これも一か八かの賭けだったが、見事に成功した!

まるで無敵のギャンブラー!彼女は心の中で、この奇跡的なまでの逆転劇にガッツポーズをとっていた!


当然、先程の穂積のようにやらねば空中でビームを器用に回避することなど出来ない!

したがって御一行は瞬間!塵となった!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ