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今書けないあなたへ

作者: 絹ごし春雨

今書けないあなたへ



今日本屋に行った。

私はかつての私と邂逅した。

なんのことはない、

本を、詩集を読んだ。

私の初めて書いたものは「詩」だった。

「詞」でもなく「詩」だった。

かつての私は恐れなかった。

何を? 言葉を赤裸々に綴ることを。


言葉は切り込むものだ。

私は誤解していた。

言葉とは美しいものだと信じたかった。

否、信じていたから書けなかった。

言葉とはきたないものだ。傷つけるものだ。

私は誤解していた。


スランプとはさなぎなのだ。

価値観が変わる瞬間なのかもしれない。

詩集の一文を読んだ瞬間理解した。

私は怖かったのだと。


描きたいものを書くといいつつ、

日和見していたのだと。


ああ、もし書けないあなたがいるなら、

私は伝えたい。かつての私と同じように


「あなたは恐れていませんか?」


言葉はとてもするどいものなのです。

どんなにあなたがやわらかく扱っても

やわらかくなるとは限らないのです。


取り繕っても美しくなるとは限らないのです。


でも

もし

あなたの言葉を「美しい」と誰かが言うなら

それはとても幸せなことでしょう。


だから書くのをやめないで。あなたも、そして私も。


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― 新着の感想 ―
[良い点] とても共感いたしました。 [一言] エッセイの日間ランキングから来ました。 すてきなメッセージをありがとうございます!
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