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クラゲの海

作者: a

浴槽でクラゲを飼い始めた

ワンルームマンションの窓のない風呂場 風呂場とトイレが同じスペースにあるユニットバスと呼ばれる間取りだ そこにクラゲを飼い始めた

クラゲは魚屋で売っていた 酸素が大量に入った水袋の中に入れて売られていた

浴槽に水を張りクラゲを入れた 消毒用塩素を抜くために一日放置した水の中にクラゲを入れた クラゲはふわふわと傘を動かしながら泳いでいた 餌は乾燥させた小エビだ 一日に二、三匹掴みいれる 乾燥して赤く変色しているエビはしばらく水に浮かんでいた 翌日浴槽を見たがエビは減っていなかった エビを回収し二匹水の中に沈めてバイトをしに家を出た 窓のないユニットバスでクラゲはゆっくりと泳いでいた

秋の空の下を男は歩いていた 北の大地から移動してきた巨大な大気に包まれて心地よい風に吹かれていた 部屋に帰った お湯を沸かしてカップラーメンを作った 白い壁紙の部屋で白い光に包まれながらカップラーメンを食べた クラゲの浴槽を見に行くとエビが残っていた クラゲはただふわふわと泳いでいた エビを回収してしばらく様子を見ることにした クラゲ こいつは何なのだろう 白い濁った半透明の生物のことをしばらく思った 

浴槽をクラゲに取られているので風呂に入っていなかった 頭や体からかすかに異臭が漂い始めていた どこかで体を洗わなければならない シャワーのお湯を小さくしてトイレのスペースで体を洗った 

一週間クラゲは餌を食わなかったが死ななかったが心なしか弱ってきたように見える 底の方でゆっくりと傘を動かしているだけだった 翌日クラゲが動かなくなった 水を抜くとゼリーのようなクラゲの体を捨てた 水の中に小さいクラゲがいたような気がしたが気のせいかもしれない 

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