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BAKEMONOz  作者: 本神 竜真
BAKEMONOz -World Of Justice-前
22/22

7,手ぬぐい

「ここは?」

Jonyは目を開けると辺りを見回した。

「俺んちです。」

そう口にしたのは俊介だった。ここは怪盗JOKERのアジトから10キロ以上離れた場所にあるアパートの一室だった。

「それより、陽菜子と美来、アモンは?」

俊介はまだ横になっているJonyの肩をゆすって訊いた。

「は?誰だよ。それより伝説の書もなかったんだよ。」

そう言い放ったJonyの頭には一人の男の顔がよぎっていた。男の名はAce、世界最強の殺し屋。金を積めばどんな汚れ仕事も引き受ける仕事人。

「陽菜子はあんときの俺の彼女で、美来は俺と陽菜子の娘で…」

俊介がそこまで言ったところでJonyは飛び起きた。

「おいおいおいおい、何さらっと言っちゃてんの?童顔のくせして。もう子作りか?え?」

Jonyは俊介に顔を近づけて言った。

「まだ産まれたばっかっすよ。それよりいないんすよ、その三人が。陽菜子と美来はあそこにいたんすよ!どうするんすか!」

そのときだった。「ヴヴヴ」という音がJonyの携帯から鳴った。Jonyは携帯を手に取り、その電話に出た。

「誰だ…チッ、またあんたか…わかりましたよ…その二人に絶対手出さないでくださいよ…はい、はい、わかりました。」

Jonyは電話を切ると、いつもの真っ黒の服に着替え、ひょっとこの手ぬぐいを頭に括り付けた。

「何してんすか?」

そう言った俊介も準備は出来ているようだった。

「何って、助けに行くんだろ。」

そう言うとJonyは玄関のドアを開けた。

「じゃなくて、顔ですよ。何で手ぬぐい?」

「あー、これか?」

Jonyが顔に巻きつけている手ぬぐいを指差したので、俊介は「うんうん」という風にうなずいた。

「静から貰ったんだよ。手ぬぐいお面って言うんだってさ。穴も開いてるし、こっちの方が動きやすいからなぁ。」

Jonyはそれだけ言うと出て行ってしまった。俊介も急いでそれを追いかけた。


「遅かったなあ。もう少しで殺してるとこだったよ。」

その声の主はAceだった。

「人に毒ガス吸わせといて言う台詞すか?」

JOKERの声は手ぬぐいの下からなのか少し濁っていた。

「誰が人だって?バケモンが。」

そう言ってAceは、陽菜子に向けていた銃口をJOKERの方へ向けた。

「バキュン、バキュン」

二発の銃弾はJOKERめがけて飛んで行った。が、JOKERは二発ともいとも簡単に避けて見せた。

「てか、あんただってバケモノっすよね。」

JOKERは、地面を転がる二つの銃弾を拾いながらそう言った。

「勘違いすんな。人間じゃない生物がバケモンなんじゃねえ。それだったら地球上バケモンだらけだ。クレイジアンという種族がバケモンなんだよ。」

Aceはそう言うと、もう一度陽菜子に銃口を向けた。

「あんたこそ勘違いしてるんじゃないっすか?俺は種族がどーだとかの話をしてるんじゃないっすよ。そう簡単に命を奪えるあんたの腐った心のことを言ってんすよ。」

そう言って手に持っていた銃弾を投げた。しかしその銃弾はAceを外した。

「どこ狙ってんだよ、ノーコンが。」

Aceがそう言ったときだった。

「ガシャン」

大きな音とともに後ろの鉄パイプが倒れてきた。ほんの一瞬、Aceが後ろを振り返った。その瞬間、JOKERと俊介は一気に走り出した。そしてJOKERは美来を、俊介は陽菜子をAceの元から引き離した。

「クッ、下らん。」

Aceは鉄パイプを避けていた。

「所詮、おまえらはただのクズ。こうなったら力ずくで奪うだけだ。」

そう言うとAceはじわじわとJOKERらの方へ近寄っていく。

「おまえの狙いは何だ!」

俊介はビビりながらも声を上げた。

「伝説の書だよ。」

Aceは笑いながらそう言った。





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