表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BAKEMONOz  作者: 本神 竜真
BAKEMONOz
2/22

2,JOKERとKing

怪盗JOKER @kaito_joker

今日は、イタリアにやってきました。サン・マルコ大聖堂へいってきま~す。


時計は、午後10時を指していた。月は、三日月といったところだろう。全身真っ黒の男が、大きな建物を見上げていた。「ウー」というサイレンとともに、パトカーが到着した。その瞬間、男は全速力で走りだした。建物とは、逆の方向へ。そして、仲間が用意したであろう車に乗り込んだ。車といっても、ただの車ではない。金色のワゴン車だ。

「前の車、止まりなさい!」

パトカーから、日本語で声がした。

「どうするんですか?」

気の弱そうな男がしゃべる。と、同時に残りの二人が口をそろえて「だまれ」と発する。三人を乗せた輝くワゴン車まるで、レースをしているかのようなスピードでパトカーをつきはなして走って行った。

一時間前

「誰だお前?日本人か?」

全身真っ黒の男から声がする。

「あ、はい。あなたは?」

とても気の弱そうな男が返事をする。

「怪盗JOKERだけど。知ってる?てか、今日のツイート見た?」

「見ましたけど。ほ、ほんものですか?」

気の弱そうな男は、驚きを隠せない様子だった。

「てか、何してんの?」

「えーっと、私ジャーナリストでして。あ、村瀬勝彦といいます。あのーそれでですね、ここにクレイジアンの秘密があると聞きましてそれを、そのー盗むというか、あのー、まーそんな感じです。」

「おまえもか。てかなんでそれ知ってんだ?でも、俺の物だ。ワリィな。」

全身真っ黒の男は、右手に持った本を見せてそう言った。

「あのー、ついて行ってもいいでしょうか?」

「べつにいいけど」


あの本を盗んでから、丸三日経っていたが、Jonyは、本の内容を誰にも話さなかった。

「おまえみたいなやつ、つれてこなきゃよかった。」

村瀬という男が来てから、沈黙がなくなった。というより、場が明るくなった。Jonyは、冗談交じりに嫌味を言いながら、そう思っていた。村瀬が来るまでは、この薄暗い地下室にJonyと静と爺の三人で住んでいた。それまでは、用がないときは、自分の部屋にこもっていた。でも、一人増えた途端みんなが集まるようになった。

「てか、なんでJOKERなんですか?」

村瀬は少しニヤニヤしながら聞いた?

「トランプが好きだから。それだけだけど。」

Jonyから面倒くさいオーラがプンプン出ていた。

「なんで?キングとか、かっこいいじゃないですか?」

村瀬は食いついた。

「なんで、なんでうるさいな。」

もう寝たい、Jonyはそう思っていた。しかし、村瀬の次の質問でJonyの目が一気に覚めた。

「すいません。じゃあ、なんでクレイジアンの秘密が必要なんですか?まさかあなたが、あの伝説の生き物だったりして。いや、クレイジアンのことですよ〜。」

その瞬間、その場が凍りついた。村瀬は、少し驚いた顔をしていたが、その場の空気に気づき、少し反省した様子で俯いた。爺は部屋に戻り、静はその場で横になり、目を閉じた。それから数分後、Jonyと村瀬が同時に口を開いた。しかし、村瀬の声は、声になっていなかった。

「そうだよ。俺、クレイジアンなんだ。」

静の目が開いた。村瀬はまだ、口を開けている。

「なんだよ〜。なんでそんな暗いんだよ。」

明らかな作り笑いでJonyが場を和ませようとするが、三人とも黙ったままそれぞれの部屋へと戻っていった。


「速報です。東京都新宿区内で、遺体が発見されました。死亡推定時刻は、午前3時から5時。被害者は、松本 清志さん、30歳。…」

開いた口がふさがらない、とはこのことか、というぐらいポカーンとしていた。

「どうしたのJ?ずっと口開いてるけど。」

 静に言われ、やっと気づいたようすのJonyは、一口水を飲みこう言った。

「俺、この人に一昨日あったんだよ。多分、犯人はKだと思う。」

一昨日

「ガチャ」扉の開く音とともに、Jonyが入ってきた。

「金、持ってきましたよ。」

Jonyは言った。

「お!サンキュ。で、サン・マルコ大聖堂には、行くのか?」

まだ若いメガネヒゲの男がそう答えた。

「明日、行きますわ。てか、行かなかったらこの金、なんのために渡すんすか?」

Jonyは笑っている。

「まぁ、そうだな。じゃ、頑張れよ。」

メガネヒゲの男は金を数えながら、返事をした。

「ありがとうございます。」

Jonyはこの男の前ではいつも笑顔だった。

「あ、そうだ!おまえにKの情報教えてやるよ。情報って言うか、サイトのURLなんだけどな。おまえハッキングの天才だろ。おれじゃ無理だけど、おまえなら余裕だろ。えーっと、ちょっと待てよ。」

メガネヒゲ男は、PCをいじり始めた。しかし、打つのがかなり遅い。あまり、慣れていないようだった。

「あ、大丈夫っすよ。次、来たときでいいですわ。」

Jonyはやれやれという感じで、店長らしき男の後ろ姿を見ていた。

「本当か?悪いな。じゃあ探しとくわ。」

メガネヒゲの男はJonyに手を振った。

「ありがとうございます。では。」


Jonyにいつも優しく接してくれていた男だった。

「松本さん…」机の上には、水たまりができていた。気づけばこぶしをにぎっていた。

「ブヂッ。」TVの画面がいきなり黒くなった。

「なにこれ!」

しばらくすると、画面にKの文字が。

「おはようございます。JOKERさん。いや、Jony・Trumpさん。Kです。私は、ずっと貴方を見ています。貴方の全てを知っています。そういえば、最近「クレイジアン対策秘密本部」というのができたらしいですよ。私も明日から参加することになりました。そこには、確かAlfred・Trumpという方もいました。偽名を使っているみたいですけど。いや、これは貴方の弟だと言っているのではありません。こんな人もいますよ、と伝えたかっただけです。人という表現は、適していなかったかもしれません。人であればいいんですが。お時間とらせてしまい、すいません。では、また。」

TVの声が消えると、時計の秒針の音がとても大きく聞こえた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ