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BAKEMONOz  作者: 本神 竜真
BAKEMONOz -World Of Justice-前
14/22

BeforeStory2,最後の絵札

「السلام عليكمとか、変なアラビア語使わなくていいっすよ。俺、日本語話せるんで。で、FBI長官が何の用ですか?」

そう言ったアフリカ人の男は、片手に電話を持ちながら象にエサをやっていた。

「そうか、失礼。実は、四天王に頼みがあってこの電話を掛けさせてもらった。クレイジアンのことだ。」

電話の向こう側の近藤は、頭をぺこぺこ下げながら話している。

「却下。俺は無理です。Kにでも頼んだらどうです?でも、雪鬼ならやるかもしれないっすよ。」

そのアフリカ人は即答だった。しかしそれよりも、近藤の耳に引っかかる言葉があった。雪鬼。SSS四天王のひとり「加観雪鬼」Kを上回るとも言われるほどの、最強の男。しかしとても気難しく、捜査にはめったに参加しないかなりのひねくれ者。そんなやつが参加を決断するなんて、とても近藤には考えにくいことだった。でも、クレイジアンのことなら…


「信長様。琉氣皇組の若頭、荒瀧潤の首取ってまいりました。」

信長と呼ばれた男は、家門の入ったパーカーを着ている。パーカーといっても黒と金がベースの和柄。フードはかぶっていない。かぶったら崩れそうな髪をしている。鶏のように髪の毛が立っている。

「そうか、よくやったな。名前は?」

信長は右手に持っていたワインを一気に飲み干し、片膝ついている男に訊いた。

「亜雷組の大咲蜂介です。」

蜂介はニヤッと笑った。

「おまえは今日から大咲組、組長だ。」

そう言って信長は、新しいワインを開け、蜂介に掛けた。

「有難き幸せ。」


ホワイトハウスの前に集まる大量の人々。ホワイトハウスから顔をだし、手を振る一人の女性。

「こちらホワイトハウス前です。まだ前日だというのにすごい人の量です。」

日本のアナウンサーも駆けつけていた。日本だけではない、世界から注目されていた。新大統領の妻、俗にいうQUEENの誕生日会が明日、開かれる。世界中からQUEEN信者がアメリカに集まってきている。「対クレイジアンゴーグル」の開発者でありながら、大統領の妻。そして、圧倒的なスピーチ力と大統領よりも大きな権力を持つ、独裁者。今や、QUEEN教という宗教までできている。そのQUEENが明日の誕生日会で重大発表をするという。それをテレビ局が逃すはずがなかった。


「クソつまんねえな。なんだよQUEENって。」

そう言って男は、TVを消した。

「あの、あなた本当にJOKERさんの知り合いですか?」

俊介らは不安そうに問いかける。

「何回も言わせんなよ。兄貴が起きたらわかるから、黙っとけ。」

男はピーナッツを一口食べ、ソファーに寝転んだ。

「あなた、兄貴兄貴うるさいですけど、僕が本当の弟なんで。」

菅野は強い口調でそう言い、リモコンの電源ボタンを押した。また、あのニュースが画面に映る。

「おまえが弟とか知んねえけど、兄貴は俺の兄貴だから。」

男は「いーだ」と一言言うと、TVの主電源を消した。


雪鬼は携帯をいじりながら、パフェを食べていた。ぶかぶかな服を着て、地面に座り込んでいる。爪がかなり長く、携帯をいじるのを邪魔している。

「雪鬼、こんなところでなにしてんだよ。」

アフリカ人の男の問いかけを無視する。

「まだ怒ってんのか?近藤に、おまえならいけるっていったこと。すねんなよ。」

雪鬼はなくなったパフェのカップを見つめながら、スプーンをなめ続けていた。

「ごめ…」

アフリカ人の男の口から言葉が出かけたとき、「カチャン」スプーンが地面に落ちた。そして雪鬼は言った。

「クレイジアン…JOKERにJack、K、最後はQUEENか。トランプだな。絵札全部そろっちゃったよ。面白そうじゃん。やるよ。」

「いやいや、QUEENは関係ないから。」

笑ってる雪鬼に、アフリカ人の男が突っ込みを入れる。

「今はね。でもどうかな…明日の発表でなんて言うか…」







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