BeforeStory1,NEXT STAGE
クレイジアン。人間の形をしたバケモノ。この世に存在する数、約12000。人間との混血は一億を超すが、それらは者全員、あきらかに人間の血が多いハーフ。人間とクレイジアン、1対1の割合のハーフの人数はたった1。クレイジアンはかなりの差別を受けるようになっていた。FBIはクレイジアンを徹底的に処分していき、世界中の研究者が、クレイジアンと人間をパッと見で見分けれる、そんな方法を研究していた。Kが、月を見て目が赤くなれば黒という見分け方を発見してから1年、ようやくそれが発表された。「対クレイジアンゴーグル」そのメガネをかけてクレイジアンの目を見ると、メガネが反応するというもの。世界各地に置かれた、「クレイジアン対策本部」はそのメガネを使いクレイジアンを次々と抹殺。いつしか世界全体が、クレイジアンを抹殺しようという動きになっていた。そして、クレイジアンの数が減りに減り今の数になった。しかし、普段はおとなしく攻撃的ではないクレイジアンも反撃を開始した。毎月19日には世界各地の重要都市が破壊された。人間はそれを「Jack day」と呼んだ。犯人はAlex・Jackson、クレイジアンだ。そのクレイジアンは、人間を好きなように動かすことができる。その能力を使い、都市を破壊していった。ほかのクレイジアンも、各地でテロを起こし、戦争が起こるのも時間の問題と言われていた。
「私が死んでから一年と一か月、そろそろ計画。」
画面にはKの姿があった。
「はい、Liam様。計画は着々と進んでいます。」
白い面をつけた男は答えた。
画面に文字が浮かぶ。
「GAME START」
「JOKERのアジトはまだ見つからないのか!」
年始にも関わらず、FBI本部は騒がしかった。FBIは伝説の書を見つけるため、全労力を注ぎ込んでいた。しかし一年以上たった今もまだ、見つけることは出来なかった。
「なんとしても見つけ出せ!」
そう怒鳴ったのは、新たにFBI長官になった近藤だった。前長官William・Whiteは渋谷事件の責任を取り、辞職。William・Whiteの最後の願いとして、お気に入りだった近藤が新長官になった。
「やはりKを殺さなかった方が…」
細い声の主は杉山だった。そのときだった。扉が開き、男が入ってきたのは。
「こんにちは、Kです。」
「コツンコツンコツン」近藤らの方に足音が近づいていく。
「死んでませんよ、まだ。JOKERだって生きてるらしいじゃないですか。」
静かな中、足音だけが大きく響く。そして近藤との距離が、だんだん縮まっていく。その距離、30センチ。
「なぜ生きてる?マスクをはずせ、偽物だろ。」
出来るだけ短い言葉で、伝えたいことだけを伝える。それが近藤という男だった。
「怖いですね。いいでしょう、はずします。長官の頼みですから。」
笑い声。そして面に手を当てる。顔を下げ、面をはずす。「バサッ」プラスチックが地面に落ちる音。同時に顔を上げた。
「本物…のようだな。クレイジアンでもない…」
近藤はつけていたゴーグルでKを確認した。反応はなし。
「疑ってたんですか。ひどいですね。まあ、いいです。疑いが晴れたのなら。」
Kは続けた。
「もう一度私と、手を組みませんか?」
「谢谢、谢谢な。マジ谢谢なんで。再见、再见。」
そう言った男は急いでヘリコプターに乗った。そう言われた老人は何も言わず、ニコニコ笑っている。「ブルルルルル」ヘリコプターは音を立て動き出した。強風で老人の残り少ない髪がなびく。しかし老人は、その風にびくともしない。ニコニコしながら仁王立ちをしている。
「やっぱ師匠最強だな。ジジイのくせに。」
ヘリコプターに乗った男は笑っている。まだ若い。十代前半くらいだろう。そんな少年が1人で中国に、それもマイヘリコプターで。そして、ヘリコプターは地面を離れた。
「兄貴、待ってろよ。今すぐ戻るからな。」
あの爆破から一年。未だJOKERは目覚めない。しかし、JOKERによる事件は発生していた。「ぴ、ぴ、ぴ、ぴ」心臓はまだ動いていた。
「JOKERさん…」
俊介とその彼女の陽菜子、そして菅野。3人はそっとJOKERを見守っていた。シンとした空気の中、陽菜子が抱いている赤ん坊が泣きだす。たった1のハーフ。それがこの「美来」だった。陽菜子は美来を抱えて外に出た。「ブルルルルル」そのとき、大きな影が大きな音を立てこちらに向かってきた。




