1,怪盗JOKER
「かえせ!父さんと母さんをかえせ!」
少年は泣き叫んだ。
「おまえら親子は、クズなんだよ!クズの分際が人間様に反抗したんだぞ、死んで当然だろ。」
警官の姿をした男が笑う。
「父さんと母さんはな、父さんと母さんはクズなんかじゃねーよ!おまえら人間の方がよっぽどクズなんだよ!」
少年はまだ、小さかった。10歳にもなってないだろう。それでも精一杯に声を張った。
「おまえも死にたいのか?死にたくなけりゃ、黙ってここから立ち去れ。」
男の声は、少年の心に突き刺さった。その瞬間、父と母の最期が少年の頭によぎった。そして、少年は近くにいた警備員につまみ出された。
数年後
「翔太様、JOKERらしき者に隠し財産が奪われました!」
翔太様と呼ばれた男の額に、冷や汗が流れた。
「犯人は、犯人は今どこにいる!警察には、絶対に通報するな。必ず捕まえろ!」
翔太という男は、使用人らしき男に怒鳴った。
怪盗JOKER @kaito_joker
ポッキー&プリッツの日/午後11時半/天能寺家/隠し財産/盗み←スラッシュつかいたかった笑笑
今日は、天能寺家の隠し財産を盗みにやってきました〜。10億ちょとありますわ。あとで写真もツイートするわ。警備員に気づかれた。やべ(°_°)
「よし、ツイート完了」
暗闇の中、携帯の画面だけが光っている。
「そんなことしてる場合じゃないでしょ」
男が耳につけているイヤホンから声が漏れる。
「大丈夫、大丈夫。余裕だって。」
男は鼻歌を歌っている。
「警備員、そっち向かってる。急いで!」
「了解」
「いたぞ!JOKERだ!」
警備員のうちの一人が叫んだ。
「ヤベ!」
「だから、言ったじゃない。」
イヤホンから、女の怒鳴る声が聞こえる。
「車、移動よろしく!」
そう言って、ひょっとこの面をつけている男は屋上へ走った。それを追うように、十数名の男達も階段を上っていった。
「追い詰めたぞ、JOKER。」
男達は銃を持ち、構えた。
「おっさん達さ、構えてるだけじゃ、痛くもかゆくもないんだよね~。」
その瞬間、男は「アディオース」と叫びながら、屋上から飛び降りた。一斉に下を向くおっさん達。彼は車の上に張り付いていた。男達は、どんどん見えなくなっていく車を、ただ指をくわえてみていることしかできなかった。
バッグから金を取り出し、運転している女に渡した。
「チンタラしてるから、いつもこうなるんでしょ。」
その女は、金を奪うように受け取り、そう言った。
「いや、今日はかなり急いだ。」
男は女の方を向き、キメ顔で言った。
「でも、もう少し早くできる。」
男の顔を見ずに、女は答えた。
「できない。」
キメ顔を無視された男は少しスネて、そう言った。
「できる。」
女は真顔で言い返す。
「できないって。」
男がムキになる。
「いや、できる。」
女は表情を作らず、前を見て言った。すると男は諦めたのか、背もたれにもたれこう言った。
「あーもーいいよ。はいはい。できる、できる。」
男は不機嫌そうに携帯をいじりはじめた。女の方もだいぶ不機嫌そうだ。それから、しばらく車は走り続けた。
「ここで降ろして。ちょっと用がある。」
「わかった。」そう言うと、女は車を止めた。そして男は、車から降りた。
「次のニュースです。昨夜、天能寺家の財産が盗まれました。現場には、JOKERカードが置いてあり、警察はJOKERによる犯行だとして、捜査を続けています。また、その財産は…」男はTVを消し、ノートに何かを書き始めた。
はじめまして、近藤さん。Kです。今日は、あなたたちにJOKERの情報を教えましょう。JOKERのハッキング能力はかなり高いと思われます。なので、電子メールでは送れませんでした。では、本題に入ります。彼はクレイジアンです。そして、彼は23区内に住んでいます。ここからは、予想です。次に現れる場所は、イタリアのサン・マルコ大聖堂。時刻は、明日の夜10時。まだこれだけしか情報はありませんが、私の参加が決まったからには、必ずJOKERを捕まえてさしあげましょう。文章の順番バラバラですみません。日本語慣れてなくって。では、ごきげんよう。
「使用人さん、これを手渡しで届けてくれませんか?」
「了解いたしました。Liam様」
「おかえりなさいませ、静様。坊ちゃんは?」女が家に帰ると、いつものように爺が出迎えてくれた。
「どっか行ったけど。どうして?」
「イタリアに行くの今日だったはずなんですが。」
坊っちゃんと呼ばれていた男は、一人で夜道を歩いていた。残りの金を持って。
はるか昔から人間と唯一、対等な立場で共存してきた生き物、クレイジアン。人間の10倍の能力を持つ、人間のかたちをした「バケモノ」。しかし今では、人間との混血が増え、あまり目立たなくなってきているハズだった。ところが最近、科学者たちの研究で純血のクレイジアンが存在することが判明した。政府はクレイジアンを恐れ、絶滅させようとした。そこでFBIは、日本に「クレイジアン対策秘密本部」を立ち上げた。クレイジアン絶滅極秘計画を成功させるために。
これは、人間との共存を求めて闘った一匹のバケモノの物語である。




