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昨年の雪辱
俺は目黒怨。
種族は悪魔で職業は殺し屋。
怨みのある奴俺が代わりに晴らして殺ろう。
金は一銭もいらんが、代わりに怨みをいただくぜ。
「お願い、私の願いを聞いて!」
今回俺に依頼をしにきたのは、小学生と思しき少女であった。
前回の苦い経験があるため、彼女に忠告をする。
「言っておくが、ゲームのラスボスを倒せはなしだぞ」
「うん」
「それで、頼みはなんだ?」
「あのね……」
「位置について、よーいドンッ!」
俺と彼女は一般参加の地域で行われる運動会の二人三脚で初めてとは思えぬタッグプレーを見せ、優勝した。
それにしても、どうして最近の依頼はゲームのラスボスやら昨年の運動会で最下位になった怨みを晴らしたいだのというものばかりなんだろうか。