モテるけど
ぼくの名前は星野天使。
その名の通り本物の天使です。それ以外の何者でもありません。
天使の仕事は人を助けること。
困った人を助けるため、今日もぼくはそんな人を探しています。
「あー、俺も女の子にモテてぇなぁ」
勉強机に突っ伏して何やら考え事をしているひとりの男の子。
彼の名は、高校生のM君。彼は女の子にモテないと愚痴っていました。
ぼくからしてみればモテモテになるのはあまり嬉しいことではないのですが、彼にとってはそれが願望だそうです。
「そんなに女の子にモテたいですか」
背後から声をかけますと、彼はまるでばね仕掛けの人形のようにぴょんと飛び上がり、振りむいてぼくを目をぱちくりさせながら見ました。
「驚かせてごめんなさい。ぼくは星野天使と言います。その名の通り天使です。もしよかったらあなたの願いを無料で叶えてあげますが、どうですか」
「マジで!?」
「マジです。天使は嘘をつきません」
「よし、それじゃあ俺を学校で一番のモテ男にしてくれ。できるか?」
「できますよ。でも、本当にいいんですか」
「それはどういう意味だ?」
「後悔しないかという意味です」
「後悔なんかしねぇよ」
「分かりました」
ぼくは彼を天使の力で学校一のモテ男にさせてあげました。
彼はとても感謝してくれましたので、天国からお金がたくさん支払われ、ぼくも満足です。これで久しぶりに野草や虫ではなく、まともな食事にありつくことができます。ルンルン気分でマンションに帰り、この日は大好物のカレーパンとカレーライスを食べ、猫ちゃんには普段絶対にありつけないお刺身をご馳走してあげました。その後、高校生の男の子は「モテはやされるだけで愛されない」という現実に気づいたそうですが、自業自得という他ありませんね。




