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早起き
俺は目黒怨。
種族は悪魔で職業は殺し屋。
怨みのある奴俺が代わりに晴らして殺ろう。
金は一銭もいらんが、代わりに怨みをいただくぜ。
「出たな、悪の怪人!」
俺はこの日、敵である星野がはまっている特撮ヒーロー番組とやらを見た。
悪魔は夜型が基本なので、早起きは苦手としている。
だが、敵である星野の好みを知り、奴を打倒する策を見つけるためには手段を選ばない。本来なら9時以降に起床するのだが、この日は7時に起きることにした。
星野を倒すためなら、背に腹は代えられない。
それから15分後。
「眠い、眠すぎるっ」
睡眠をとっていなかったために猛烈な睡魔が俺を襲う。
「ここで寝たら星野の好みがわからなくなる……」
結局、俺は視聴できずに睡魔に負けてしまった。だが、得る物はあった。
「これからは、念のために録画をしておくとするか」
この日俺は録画という新しい知識を得た。