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オルゴールと銀の弾丸  作者: 緑野くま
第二章  始まりの歯車
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Ghostの心層

やれやれ、とんだ茶番となってしまいました。まさか私があの少女に降伏するとは…。

だが、私自身この事については戦略的撤退とも考えている。あのまま戦っていても私の負けは確定していた。首を攻撃されたのでは、呪文を唱えるのにも血を吐く始末です。実際、歯車の呪文の時もギリギリで吐きそうになりましたからな…。

ともあれ、この行動はやっておいて正解という事にしておきましょう。考えている分、頭が痛くなるだけですから。

それにしても…咲子と言いましたか、あの少女。よくもまああの『Elf』が変形した弓を扱えたものだ。まあそれを認める『Elf』も『Elf』ですが。こうなってくると、私の変形体である双剣も容易いものでしょう。誰か師匠の様な人さえいれば、もっともですが。

そういえば、咲子の隣にいるこの月斗という少年…何処かで見たことあるような…。

まあいいでしょう。そんな事よりも私がこの姿になり、咲子と契約を交わしたので手下であるゾンビは全て消滅したはずです。あの人間達にとっては幸運ですが…『あの方』は相当頭にきている事でしょう。罰を受けるのは免れませんね。

おや…?思い出しました、あの少年の事。確か、ゾンビを60体位突撃させた時に、ゾンビの中に紛れて攻撃していた人ではありませんか。あの時は何か様子がおかしいとは思いましたが…、まさか彼だったとは。それにしても随分当たって砕けるようなものだったような気が…私の使役していたゾンビならともかく、咲子達の攻撃を食らうとは思っていたのでしょうか?全く、勇気とは時折偉大なる力を生み出すのですな。

勇気…か。もうとっくに忘れてしまっていた言葉でした。かれこれ500年位はこの世にいましたが、いつの日に忘れてしまったのか、自分でも覚えていませんね。そんな事を思い始めたのも、咲子のおかげでしょうか。改めて、彼女に礼をしなければ。当の本人は全く実感が無いでしょうが。

さて、私は結局この少女の所へと身を寄せる事になったのですが、面白いことになりそうな予感がするのは確か。果たして、次にはどんな事が起きるのでしょう…。

それはまた、彼女に…咲子に委ねましょうか。

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