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オルゴールと銀の弾丸  作者: 緑野くま
第二章  始まりの歯車
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咲子の夢  《2》

私の目の前に映ったのは、見たこともない場所。周りが茨で覆われ、少しではあったが紫色の霧が立ち込めていた。ちょっとした広場のようなものが出来ていたのだ。

だが、その周りを囲んでいた物に、違和感を覚えた。それは…樹木でできた檻だった。鳥かごのようなものに入っていたのは…人。それも、生きた人間だった。

「助けてっ!助けてよおおおおお!!」

「ここから出せえええええ!!」

「うわああん!!」

広場に響く人々の阿鼻叫喚。見ているのもつらいものだった。

(…あれ?私が夢を見ている…ということは、私はまだ生きている…!?…間違いないな。きっとそうだろうな…。)

そう思っていた時、茨の奥から、1人の女性が現れた。背がやたら高く、少し短いローブをはおっている。だがこの女の耳をよく見ると、横に向かって尖っていたのが分かった。恐らく人間ではないな。

「ホントにうっさいわね…。大人しくできないのかしら?この子達。」

この子達…とは言っていたが、囚われている人々の中には大人もいる。単に見下しているのか?コイツ。

「おい!!お前だな!今すぐここから出せ!!」

1人の男がそう叫ぶ。だが、あの耳の尖った女は、話を聴いていなかった。その辺をウロウロしている。

「全く…。間に合うといいんだけど。あの時間までに出来なきゃ困るのよねぇ。」

「おい…お前っ!!何を言って…」

男が何かを言いかけたその時、あの女が空中に手をかざす。すると、光が溢れ出した。そこから出てきたのは…1つの弓だった。

「御免なさいね。これも、『あの方』の命令なの。」

あの方…?誰の事だ?この女の上に、まだ誰かいると言うのか?そう思った時、女が口を開く。

「ああ、別にあなた達を殺すわけじゃないから。まあ、これはあなた達を大人しくさせる為に…ね。」

その時だった、突然地面に魔法陣のようなものが浮かび上がったのだ。そこから出てきたのは、無数の手だった。

「あなた達には、『あの方』の部下になってもらうわ。ああもちろん、『魔人改造』サービス付いてるから安心しなさいな。」

「ま、魔人!?」

無数の手が、檻の所へと向かう。そして、それを破壊し始めたのだ。バリバリと音を立てて、檻は壊れていく。そして人々は何の抵抗も出来ないまま、手に掴まれる。

「嫌だっ 嫌だああああああ!!」


囚われていた者達は皆、魔法陣へと引きずり込まれた。

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