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青春を謳歌できない人生はBADEND  作者: 山ドラ
俺の人生はBADEND
7/17

七種夏向に完敗した孤独をさすらうBADENDの貴公子

次からは榊の初依頼です!

次話もよろしければまた読んでいただけたら嬉しいです!


ちなみにレギュラーキャラはまだ増えます。

すいません。

 孤独。孤独とは孤高だ。孤高とは、辞書によると

俗世間から離れて、ひとり自分の志を守ること。また、そのさま。

である。平たく言えばぼっちである。つまり俺だ。

 孤独とは孤高。孤高とは至高。至高とは最高。最高とは一人。

一人とはぼっち。ぼっちとは最強。最強とはぼっちの俺だ!

 ぼっちとは守るべきものがいない。一人だから自分だけを

守っていきていける。戦場で誰かを守りながら戦うことは、

現実的に考えて不可能だ。そんな存在がいない俺は最強である。


 が、今日俺の目の前に現れたこの少女は、なんかもう守ってあげたくなる。

さっきまでぼっち最強! 一人最高! とかほざいていた俺だが正直な話、

守ってあげたくなるような女の子が好みだ。つまり俺の目の前に

現れた妖艶な少女に俺は完全に惚れたのだが・・・。

 現実は、神は残虐で非道で極悪で血も涙もないものである。

俺の目の前に舞い降りた天使、こいつは「男」らしい。

 あの綺麗な体の股間に男の汚らわしいバベルの塔がそびえ立っている。

そう考えると胸が苦しい。いまにでも心拍停止で死に至そうだ。

 君たちにも想像して欲しい。君の好きな子、あるいは

付き合っている女性に男だといわれたら。好きな子の

股間に大胆不敵に屹立したバベルの塔があるとしったら・・・。


 嫌だろう? てゆうか死ねるだろ?俺は今それだけのダメージをくらった。

 が、ぼっちを極めし男、榊龍紀は耐えた。これしきで死んでたるか。


「ぐあっ・・・!」

 耐えた。耐えたけど、今にでも倒れそうだ。

 俺はだれがどうみても立っているのがやっと、

足は生まれたての小鹿のようにプルプルしている。

「どうした?なに痙攣してんだ?」

 俺の身を心配してくれたこの男は、山本幸村。俺の所属している

奉仕活動部の依頼人でもあり、優しい恥知らずのバカ。

「いや、なんでもない・・・」

 椅子にすわって平静を取り戻したがやっぱり体力が元どうりになる

わけでもなく、足はまだ生まれたての小鹿だ。

「どうして内股で座ってんだ? 気持ち悪いなお前」

 優しいけど、思ったことキッパリいうんですね。今ので俺の体力、

もう残りわずか。次何か言われたら間違いなく倒れる自信がある。

 俺はまた気持ち悪がられることを恐れ、いつもどうりにした。

あ、いつも内股なわけじゃないよ? そっちのほうが今は座りやすかった。

それだけだから。勘違いしないでよねっ!

 春野がゴミ虫を見るような目でこちらを見ている。が、

これには全然痛くもかゆくもない。なぜならいつもの視線と

あまり変わらないからだ。どうした春野。お前はその程度だったか?


「それで、だめなのか?」

 幸村やその可愛い子(男)からの依頼でもめんどくさいから嫌だね。

しかもソフトテニスだ、ますます嫌だな。

「そうね。あなたを強くする、という依頼だけど、私達はあくまで

あなたが強くなるように手伝いをするだけだから強くなるかは

あなた次第よ」

「まあよーするには強くしてくれるんだな!」

 幸村のバカ思考はすばらしい。俺達は手伝いするだけだ。

いうなれば引退した先輩とかと同じ。ちょっと練習にくわわるだけだ。

「まあいってみればそういうものだけど、私達はソフトテニス部に

所属しているわけでもないからテニス自体の技術向上はあなた達次第よ」

 正直俺は経験者だが、いわないほうが楽だろう。黙っていたら。

「龍紀は経験者だし、俺もいるから大丈夫だろ!」

「あなた経験者なの?それならそうと早くいってくれないかしら?」

「榊くんって、テニスうまいんだ・・・!」

 ほらねめんどうだ。幸村が誇らしげに余計なことを言った。

めんどうごとに巻き込みやがって。そういえばなんでしってんの?

 春野の目が人を2,3人ほど人を殺してそうな目をしている。こわっ!

可愛い子(男)の眼差しが太陽よりまぶしくて俺がいまにでもとけそうだ。

 あと経験者だからって上手いわけではない。勘違いしないでよねっ!

色々言いたいことがあったがひとまず、

「幸村お前、なんで俺が経験者ってしってんの?」

 俺の名前をしっていたのとなにか関係がありそうだ。

「やっぱり覚えてないよな。俺、中学の県大会でお前に負けてんだぜ?」

 んん? 県大会ってまさか一回戦で・・・、

「あの優勝候補とか言われてたくせに結構弱くてあっけなく

俺にボコボコにされた奴ってお前か?」

「俺はそこそこ県でやっていける力はあると自負している!

お前が強すぎるんだよ! あとなんでテニスを続けなかった!」

 幸村が聞いてきた。ふっ、俺の答えはいたってシンプルだ。


「めんどくさい」

「・・・おおっそうか、悪かった」

 俺のいつもと違う気迫に幸村は逆に頭を下げていた。

 ふっ、リア充に勝った。すごいうれしい。

「ひどい台詞だけど腐った目が輝いて見えるのはなぜかしら・・・?」

 さすがは春野。俺の目はいつもの目じゃなく、力を込めていってやった。

 そう、めんどくさい。本当にめんどくさかったんだ。

俺が中学時代、この部活に入ったのは、俺はまだその時は友達が

ほしくてがんばったけど空回りしていた時期。なぜか俺が通っていた

桜井中ではソフトテニスが結構人気で、ここに入れば友達が! っと思い、

ソフトテニス部に入り、初心者だった俺はただひたすら練習。練習。練習。

 2ヶ月であきて、ただなんとなくテニスをやっていた。そんなことはいい。

おれのこの部活での目標は友達作り。が、もちろん

友達はできない。最初の2ヶ月、練習しすぎて周りから、

熱血すぎ。とかで距離をおかれていた。気づいたときには遅い。


 俺の周りは空気だけになっていた。・・・。

めんどくさい。もう部活なんていう縛られた空間は嫌だ。

まあこの部活は先生が怖いし二人だけだし、まだましだ。

「テニスが嫌いでもこれは依頼よ。あなたは経験者らしいから

技術面指導の時はフルに動いてもらうわ」

「いや幸村もいるじゃん。幸村おしえてやれよ」

「あいにく俺は、勉強と何かを教えることは超、苦手だ!」

 なぜ誇らしげに言う。やっぱりバカはバカだった。

「榊くん・・・。経験者で幸村くんよりうまいなら、

ソフトテニス部にはいってみたら?」

「いや、おれはもうテニスはやらねぇよ」

「でも、得意なことを捨てるなんてもったいないし、僕より絶対

活躍できるし、幸村くんとペアをくんだら強いと思うよ?」

「いやでもおれは・・・」

 負けない。こんな可愛い子だからって、俺は負けない! 耐える!


「・・・やっぱり、だめなのか?」

「大丈夫。俺が教えてやるから、お前は強くなれる」

 負けた。入部を決める、もしくは教えてやるのどちらかを

妥協してしまったら俺の負け、というのが勝手な俺のルールだったが、

 あんな顔されたらだれだってときめく。男だろうとな。

いややっぱりこいつ男じゃないよ。女だよ。・・・ってこれが

神の仕組んだ俺への人生のトラップか・・・、許せん!

「やったぁ! ありがとう! ・・・でもやっぱりもったいないよ。

うちのテニス部弱いし、榊くんが入れば僕ももっと頑張れそうだし、

あ、いや変な意味じゃなくて! 僕も強くなりたいから・・・」

「安心しろ。俺が俺の技術すべてを叩き込む。お前は俺が守るから!」

「・・・・え?」

「いやすまん。使う言葉を間違えた」

 こいつが可愛すぎるから本気であんなこと口走ってしまった。

思い出せ。俺は孤独をさすらう一匹狼。常に孤高を生きるもの。

 よし、だいぶ平静を保つことはできた。あとどれだけ可愛くても

 やっぱりソフトテニスはできない。あれ本当に嫌だ。

「ではさすがに部活には参加できないからお昼休みとかなら

自主練習ができるでしょう。明日のお昼休みから始めましょう」

「いやっほーうっ! よろしくな!」

 なぜかハイテンションな幸村。暑苦しい。

「暑苦しい・・・。」

 春野も同じことをいっていた。が、まあそこまで嫌ではなさそうだ。

「じゃあ明日からよろしくね? 榊くん」

「おっ、おおう。よろしく」

 笑顔が超可愛かったので超テンパってしまった。春野はそんな俺を

ゴミを見るような目でみている。もうなれました。

 あ、すっげぇ肝心なことを忘れていた。


「なぁ幸村。こいつ名前なに?」

 正直名前知らない。だから幸村に小声で聞いてみた。

「はあぁ!? 名前知らねぇーの!? クラスメイトじゃん!?」

「バカっ! 声が大きい!」

「やっぱり僕の名前しらなかったんだね。いやいいんだよ、

僕友達少ないし、クラスでも目立たないし・・・」

 なに? 友達が少ないだと? こいつ同士だったのか。

それなら友達になっても大丈夫じゃないかな?

「いや、悪い。俺、クラスメイトに興味ないから。友達いないし、

あと俺の名前はなんでしってたんだ?」

 こいつも俺の名前しってた。なぜだ?

「よく遅れてきたりして榊くん目立つじゃん」

「? こいつのどこが目立つんだ?」

 幸村が聞く。そういうのは逆にな、

「教室でずっと一人だったら逆に目立つだろ・・・」

 一転して重い空気。春野は俺と同じぼっちだし平気そうな顔をしている。

「いや、そのなんだ・・・悪い」

 素直に謝ってきた。なんか逆に傷つく。そこはリア充パワーで

いつもの軽い調子で流してくれた方がよかった。

「話をもどそうぜ! 名前だろ? いまさらすぎるが自己紹介しとけよ!」

 幸村が話を戻してくれた。重い空気も取り払った、さすがはリア充。

「そうだね・・・えっと、七種夏向さいくさかなたです。

これからもよろしく。榊くん」

「よろしく、七種」

 よろしくなんて言葉、もう二度と使う気などなかったが、

まあべつにこんな可愛い子(男)と仲良くなったって罪はないよな。

「もう部活動の時間は過ぎたわ。今日はもう解散しましょう

では幸村くん、七種くんまた明日からよろしくね」

 春野は学校一の美少女なだけあって、さり際までもクールであった。

 不覚にも、綺麗だと思わされてしまう。

「じゃ、俺も! 色々用事あるから先行くわ!」

 幸村は最後まで明るく、ダッシュで帰っていった。あいつ速いな。

「じゃあ僕も。またね」

 七種はやっぱり最後も可愛く、ちょっと手をふって帰っていった。

俺もさっさと帰ろう・・・。


 今日はたぶん過去最多の人数で話しをした。

孤独をさすらうBADENDの貴公子(俺)はこんなこと

 初めての体験だったがまあ、悪くはなかったな。

でもやっぱり集団行動は嫌。リア充は嫌い。ビッチ死ね。

どれだけ優しい知り合い、おっと春野除く知り合いに出会えても

神への復讐心は揺らぐことはない。

当分はぼっちだ、なにしろどうしたら友達になるか

わからないからな! 本当、ちゃんと定義してほしいものだ。

読んでいただきありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

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