可愛い女の子と合えたのにそれも神が仕組んだBADEND
新キャラ登場しました。
例によって新キャラの名前は次回にお預けです。
次話もよろしくお願いします。
感想など気軽にどんどんお願いします。
白。
あたり一面真っ白。その中に「彼」は佇んでいた。
「彼」はいきなり動き出し何かを抱きかかえる。
そして、「彼」を、いや「俺」を巻き込むほどにあたりが白に包まれる。
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「うおっっ!!」
またいつもの夢だ。が、今回も少し変化していた。
「彼」と呼んでいた人物が「俺」だった。身長的にたぶん
中1か中2の俺だったような気がする。まあそれはどうでもいい。
おかしい。おかしすぎる。この夢を見続けていてこんなの初めてだ。
『2日連続でこの夢をみた』
夢は一週間に一度だけ見るはずだった。なのになんで・・・?
もしかしたら、俺の中で何かが変わってきているのかもしれない。
・・・あー来ましたよ、頭痛が。頭痛い。痛い痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いっ。
よし、おさまってきた。これくらいなら耐えれるな。
おっと、あいさつが遅れてたぜ。
こんばんは。いつもドロドロあなたの後ろを這い寄るぼっち、榊 龍紀です。
あいさつはこれくらいでいいかな。今日は晴れだな、太陽うっとうしい。
今日も神を呪い、BADENDな日常をおくるんだろう。そう考えると
学校に行きたくなくなってきた。まあいくけど。
妹は・・・、まだ寝てるな。おこさなきゃダメだよなぁ。
「おーい、小春ー? もうそろそろ時間だぞー?」
「うーん、今起きるよー・・・・くぅーっ」
寝たっ!? どっちだよあいつ。ダメだな、こいつには一度、
遅刻を味あわなきゃならないようだな・・・。
俺は遅刻常習犯で、過去に数え切れないほどの遅刻をしている。
それもすべて朝での頭痛のせい。最近はなれたが中学生の時は
頭痛が耐えれなくて、そのせいで夢を見た日は遅刻を絶対にした。
そして夢を見ない日も遅刻した。最近は頭痛になれて、頭痛が
発生した日でも学校に行ける。そしてたまに普通に遅れる。
俺は適当に冷蔵庫からパンを取り出し、一つかじって家をでた。
今日は晴れているので自転車で登校した。 2分くらいして・・・。
雨が降ってきた。うわ最悪だろ・・・。俺はこのままぬれて
学校にいくのは嫌だったので一度家に戻り、適当にレインコートを
取り、家の中で着る。ちなみに小春はまだ学校に行っていなかった。
着たところで外に出ると、外は快晴だった。・・・いじめだ。
これも絶対ねらってやったよね? どう考えてもタイミングが良すぎる。
神ならなんでもありなのかよ! くそっ! 許すまじ神。
俺はまた降ってくることを警戒し、大急ぎで学校に向かった。
案の定。雨はそれ以降ふらず、雨が降っていないのにレインコートを
着ている恥ずかしい奴になってしまった。
遅刻ギリギリで少し走り気味で教室に向かう。
ついた。今日は間に合ったぜ。そして力加減を間違えて、おもいっきり
扉をあけてしまった。勢いが強く、もちろんガラッという音が、
ガララッ!
教室中に響き渡った。しまったぁぁぁぁ!
バッ!
教室にいた奴らのほとんどが俺をみた。そしてもちろんのこと
教室が静寂に包まれる。所々からひそひそ話が聞こえてくる。
内容はこうだ。「あの人誰?」「ほら、あの友達いない・・・」
「あー、あのぼっちか」みたいな。やめてぇぇぇぇぇ!!
心の中では大絶叫しているが表にはださず、いつもの瞳、よく
腐った魚みたいな目と言われる目で自分の席に向かう。
俺の目のどこが腐ってんだよ。光がないだけだ。そうだ。
今日も一日、寝たふりですごそう・・・。
あっという間に放課後だ。放課後はぼっちが隔離空間から解放されるときだ。
本当ならここで颯爽と家にflyawayするところなんだが。
「榊。今日も部活だぞ?」
と、拳を突きだして言う。やめてくれ。あんたの拳すごい強い。
「いけばいいんでしょう、いけば」
俺は少し気ダルそうに見せるように言う。いや大分気ダルそうにいってみた。
シュッ! と先生の放たれた拳から音がした。こわっ!
「すいません。ダッシュでいきます」
「うむ」
そして教室をダッシュで出て、教室が見えなくなったところで走るのをやめた。
「どうした? ダッシュでいくんだろう?」
先生がいた。速っ!? 結局部室までダッシュをしてむかった。
この学校は無駄に広く、教室から部室があるとこまで無駄に遠い。
故に、無駄に疲れた。あと先生が怖いので無駄にスピードが出た。
そして無駄に早くついた。無駄が多すぎる俺の人生。
息を整え、部室をあけた。
ガチャ。 ちなみに教室とは扉が違う。超どうでもいい。
春野が一瞬チラリとこちらをみて、目があったがすぐ小説に集中する。
こいつ、あいさつの一つも出来ないのかよ。俺は近くの椅子にすわろうとした。
「あら? あなたはあいさつの一つもできないのね。さすがわ底辺の男」
イラっときた。いくら相手が学園一の美少女であっても、この女が普通の
女子どもとは違っていてもだ。いや、美少女とか超どうでもいい。
「こんばんわ。いつもド・・・」
「あなたは昼と夜との区別もできない可哀想な人なのねさすがに同情するわ」
朝の時つかったニャル○のあいさつ(俺バージョン)を言おうとしたのに。
「・・・こんにちは」
「ええ、こんにちは。榊くん」
うざいやつだが挨拶した時の笑顔は、形容し難いほどの可愛さだった。
「よくきたわね。昨日あれだけ言われて、こないかと思った」
「バカにするなよ。俺は鋼の心をもったぼっちを極めし者だ。
あれ以上のことを中学生時代、やられたりいわれたりしていた」
「ある意味尊敬するは・・・」
「あとなぜか逃げたら何かに負けな気がした」
本当にそんな気がしただけだ。本当は帰ろうとしたが。
あと理由がもう一つ、樋口先生が怖い。
「そう。では、今日の活動を始めましょうか」
といって小説を手に取り、読み始めた。そういえばここ、
依頼がこなきゃただの「読書部」だった。よし、俺もまよチ○の続きを~♪
「はーい、今日の部活終わりー!!」
俺は一目散に学校を飛び出した。さっき部活が終わったところだ。
依頼がまったくこなくて、ずっと読書タイムであった。え? 活動中で
春野と何話したか。だって? あれはたしか・・・。
「おい、この部室ゴミ箱あるか?」
「そこの机の下」
だけです。まったく誠に侵害だがあいつと俺は似ていて、
必要最低限のことしか話さない。いってしまえばおたがいぼっちで、
コミュニケーション能力が低く、会話に少し慣れていないのだ。
俺はハヤテのごとく自転車で俺のだせる猛スピードでかけぬいた。
もちろん車には追いつけない。ハヤテのごとくといったがハヤテの
ようにはもちろんいかない。ハヤテは人間をとっくの昔にやめている。
そして家についた。ああ、やっと家に帰れた。家だけが俺を落ち着かせる。
「お兄ちゃん! なんでおこしてくれなかったの!?」
落ち着けるというわけでもなかった。そう、今怒っているのは
ショートヘヤーがよく似合う俺の妹、小春だ。遅刻したのだろう。
「俺はおこしたぞ。それなのにおきないお前が悪い」
「そこは小春がおきるまでがんばるか可愛い妹をまってあげなよ!」
自分で可愛いとか言うな。まあ、可愛くないわけではないが。
「まあこれから遅刻は気をつけましょう。ってことで」
うまくまとめたな。うん。勝手に自己満足して俺は自室に向かう。
今日もだらだら小説読んで、だらだらテレビを見て、食事をきちんと取り、
ぼけーっと休憩して、適当に宿題をして、キッチリ風呂に入り、
適当に眠りについた。今日はあんまりBADENDじゃなかったな。
目覚める。
今日も夢を見た。一昨日、昨日と続き、3連続でだ。
こんなことなかった、はずなのに・・・。なにがかわったんだ?
いや、深く考えないでおこう、頭痛がまたひどくなる。
え? 今回の夢の内容は。だと? めんどいから省略でお願いね。
あれ?俺誰に説明したんだ? やっぱ疲れてんのかな・・・。
ぼっちを極めし俺は、まるで風のように学校に登校。
今日も孤独をさすらう俺は、空気のように教室に流れ込んだ。
そして自分の席につき、必殺! 寝たふり!
俺はこの寝たふりを極めてもう寝たふりレベルMAXに達していた。
俺は超極めていて、あたかも本気で寝ているようにするのだ。くかぁー。
今日も一日寝て過ごし、部室へむかった。超めんどくさい。
そして、到着ー。今日も走ってきたから超はやーい。
部室に入ると例によって春野が定位置に座って小説をよんでいる。
俺は昨日みたいなめんどうなことになりたくないので、先に挨拶。
「コンニチハ」
「・・・・・」
無視。やっぱりカタコトで皮肉をこめていったのがまずかったな。
「おっす」
「・・・・・」
また無視。よし、昨日の復讐だ。
「おいおい。お前はあいさつもできないていへ・・・」
「さっきからうるさいわね。あなたは人が読書をしているのに
静かにできないの? あ、そういえばあなたぼっちで底辺の榊くんだったわね。
ごめんなさい、忘れていたわ。つい普通の人間と間違えてしまったわ」
まじで埋めるぞこいつ・・・! 俺は怒りを押し殺し、俺の定位置に座った。
昨日のように静かに読書タイム。と、いこうとしたのだが。
トントン。とノックの音がする。依頼か? 俺の初めての客はだれだ?
「こんちわー。幸村っす! 樋口先生から話は聞いていて、なんでも
この部活は人の手助けをするっていう部活なんですよね! 少し
俺の話を聞いてください! ・・・ってあれ? 龍紀? どうしてここに?」
幸村だった。こいつは山本幸村。俺公認の優しい男である。
と、その後ろにもう一人いた。女であった。
小春並かそれ以上のショートが似合っていて、明るい青色の髪。
体はすごく細くて華奢だ。すぐに折れそうなほっそい足。
微妙に少しだけやけているが白くて綺麗な肌。
やばい、完全に俺の好み。正直な話、俺は春野のようななんでも似合いそうで綺麗で
なにをやらせても完璧な美少女ではなく、すごい可愛くてちょっと弱くて、
守ってあげたくなるようなやつがいい。俺のどストライクだ。
「俺はいちよう雑用部の一員だ。で、なんかあったのか?」
「なに!? 龍紀はこの部活に入ってたのか。こんないい部活に入ってるとは
お前スケールが違うなぁ!」
いえいえ、とんでもこざいません。あなたさまが一番でございます。
ついつい人間嫌いなぼっちが下手に回ってしまった。声にはださんが。
「それで。話とはなにかしら?」
「おぉー! お前は学園一の美少女で噂の春野春奈か? お前もこの部活なのか!
やっぱ偉大な奴はこんないい部活に入ってんだな!」
「でも春野は偉大じゃないぞ」
「でも榊くんは偉大じゃないわ」
二人ではもった。なんだと? お前みたいな性悪女が偉大なわけがない。
きっと幸村もこいつとつきあえばわかるはずだ。
「って、わりぃ。話がずれたな。俺はこの部活の話を聞いて、
ぜひ、協力してほしいことがあるんだ。春奈。龍紀。頼む!」
普通に春野を春奈と呼んでいる。そのへんがリア充くさい。
「まず、話を聞かせてくれないかしら? 山本くん」
「幸村でいいぜ! えっと話ってのはな・・・」
そして後ろの女の子が一歩前に出てきた。
「えっと・・・。僕は幸村くんと一緒に男子ソフトテニス部に
はいってるんだけど・・・。僕は全然まだ弱くて。だから、
僕を強くしてください! お願いします!」
へぇー幸村ソフテニ部なんだ。ってなに? 男子ソフトテニス部?
おかしい単語を聞いてしまい、幸村に小声で聞いてみる。
「なぁ・・・。あの子って女子だよな?」
「は?何言ってんだよ。俺たちのクラスメイトで男じゃん」
え? クラスメイト? クラスにこんな可愛い男子が・・・って!
「はああぁぁぁぁぁ!!? 男子!!!??」
なんだそりゃぁぁぁぁぁ!!! 詐欺だろ! 普通女子だろ!?
俺は神を呪った。普通女の子にしろよ!! 死ね! 神!
今日ほど神への憎悪が増えた日はない。またしても神に裏切られた。
そして今日ほどBADENDだと思った日はなかった。
読んでいただきありがとうございました。
次話も読んでいただけるとうれしいです!
感想などよろしくお願いします。