幸村の話
新キャラの話の予定でしたが、幸村の話に
なりました。
小説は良い。
俺はライトノベルをよく買っている。
俺の思う小説の良さは漫画とは違って文字だけなとこ。
もちろん挿絵とか表紙に絵はあるけどそれは置いといて。
小説はほとんど文字を読む。文字を読んで登場人物が
どんな感じになっているか、自分で想像する。俺はこれが好きだ。
漫画やアニメではない良さ。文字を読むのがめんどくさいから
俺は漫画の方がいい。と言う奴ももちろんいると思う。もちろん
漫画やアニメではそれぞれの良さがあるからどう思うかは自分次第。
だけど俺はドラマCDや小説など、キャラクター達は多分こう
動いているんだなとか、こんな表情だなとか考えるのが好きなのだ。
だから俺は、小説が好きだ。
本屋の前まで来た。
この本屋は結構でかいので、色々品揃えは豊富だ。俺はこの
本屋が行きつけ。学校からは地味に遠い所にあり、学校帰りにこの
本屋を寄る学生はほとんどいない。その点もすばらしく良い所だ。
誰かいたとしても俺のように目立たないような奴らばかり。うん最高。
まあ学校の近くにもあるんだけど、そこはここより小説が揃ってないし、
どちらかというと雑誌や漫画の方が多いし、学校の帰りに寄れるから
うるさい奴らがよくいるし、よほど早く読みたいと思わない限り
あこの本屋は利用しないように心掛けている。
幸村もここの本屋を知っていたようで着くやいなや真っ先に
ライトノベルの置いてある所に直行した。
俺はゆっくりとあとに続く。
すると前の方から見知った奴がいた。
春野だ......。俺達と逆方向に帰っていたくせにどうしてここに?
まあ多分バスとか使ったんだろう、ここマジで結構遠いし。
おかげさまで俺の足のライフ0。もう勝負はついたのよ。
春野の方も俺に気づき、お互い見つめ合うこと数十秒。
そして春野は俺に近づき......、そのまま本屋を後にした。
無視。
この近距離でお互いを確認しあった所で何事もなかったかのように
そのまま帰っていった。
嘘だろ? せめて一声掛けてくれてもいいじゃん。
無視ってお前、俺が無視に馴れているからいいけど、常人なら
この近距離で無視されたら絶対凹んでるよ? 俺は耐えれるけど......。
「あ、あれー? 春野さん、もしかして僕のこと嫌い? え?」って
なっちゃうから。まあ多分嫌いなんでしょうけど......。
俺もさっきのことは無かったことにして、幸村の所を目指す。
......え? さっき出てきた女はどうした、だって?
その女なら.......。
「おー、ここ本がいっぱい」
いるじゃねぇか俺の隣に。
こいつはさっき、やけに緊迫した空気を漂わせながら現れた女だ。
そして俺のことを何故か知っている。俺はこいつを知らないけど。
いや、もしかしたら忘れているのかもしれない。
俺はこいつに、俺とあったことがあるのか? 何故俺を知っている?
俺はお前と何か関係があるのか? と質問してみたが、
「覚えていないのならいい。いつか、思い出させるから」
だそうです。教えてくれたのは名前だけ。
コイツの名前は、小鳥遊叶華。
小鳥遊......か。うーむ、ぷにゅるちゃんを思い出す。
叶華......駄目だ、思い出せない。
てな訳でこいつのことは全くわからない。俺にしては
何で今一緒にいるの? としか思えない存在だ。
小鳥遊はフラフラした覚束無い足取りで店内をあちこち
歩き回っていった
まあいいか。放っておこう。
俺も幸村と一緒にラノベを眺める。
くっ、金はあんまりないけど続きを買うか!?
ええぇい! 趣味に金は惜しまねぇ! 買う!
この小説を3冊も買ってしまえば帰りもバスは使えず、
歩いて帰ることになるが......もうどうでもいい。早く俺がまた
迷わないうちに3冊買ってしまおう。
俺は意を決して3冊引っこ抜き、買いに行こうとする。
「龍紀、何買うんだよ?」
ひょいっと俺の小説の表紙を覗き込んでくる幸村。
「○J文庫か、題名は......俺と彼女の絶対―――」
「それ以上は言ったら駄目だ」
何故かそんなことを口走ってしまった俺。
自分でも謎だ。別に言ってもいいはずなのにな。
そんな俺の不思議な行為に首を傾げた幸村だったが、
どうでもよかったのかすぐに話題を変えた。
「なあ、お前この小説知ってるか?」
幸村の持っていたのはある小説の6巻だった。
「はまちか......。もちろん知ってるが?」
もしくは俺がいるとも呼ぶ。
「この小説が面白いんだよなー、お前と似た奴がいるしな」
はまちの主人公もぼっちだが、俺とヒッキーは全く似てはいない。
共通点はぼっちなだけで、俺とあいつは全く違う。それは......。
不意に目についてしまったのは、幸村の手元にある大量の小説。
1、2、3......8冊だと!? こいつ、俺は3冊でも死活問題なのに!
「お前、流石に買いすぎじゃないか?」
「え? ああ、まあ俺もそう思ったけどさー」
ならそんな買うなよ! そして俺に一冊おごってよ!
「今日弟の誕生日でさ、あいつの分と俺の分でむしろ少ない程だよ」
ああ、そういえばちょっと前に弟の誕生日がどうとか言ってた
ような気がするな......。あれって伏線だったんだ。
「お前、弟のプレゼント買うんだな」
俺に妹がいるのだが、プレゼントなど買った覚えがない。
あ、いや一度買ってやったわ。でもいらないって言われたから
その時から買ってないんだ。あれ、4000円したのにな......。
「俺、親いねぇから、俺が代わりに買ってやってんだよ」
そんなことを言った。
「マジで?」
「ああ、父さんが結構な借金残して出て言ってさ、
母さんが何とか借金返済頑張てったけど無理があったんだろ......。
首吊って自殺した。借金の方は母さんの実家の方の人と父さんの弟さん
が代わりに払ってくれた」
おおぅ、幸村以外に壮絶な人生だな......。
「金は親の実家の人が仕送りでくれるから大丈夫だけど、
流石にプレゼントまで貰う訳にはいかねぇから俺が買ってやってる」
「なるほどな......」
俺は人の個人的な情報を干渉しないようにしているので、
それ以上のことは聞かないようにする。
俺は幸村の友達じゃねぇし。
とりあえず俺は、非常に無責任な言葉だけかけておく。
「まあ、頑張れよ」
何をだよ! 自分でツッコミを入れておいて会計を済ませに行く。
ストップ。幸村の手元にある小説に疑問を覚えた。
「お前、何で同じ小説の1巻と5巻と6巻買うんだよ」
飛びすぎだろ1巻から5巻って。
「ああ、いやこの小説弟の為に買うんだけどさ、俺1巻借りてた
んだけど風邪ひいた時に無くしちまったっぽいんだよ」
ふーん......あっ!? 今思い出した。
その小説、俺が黙って借りていった小説の1巻だ......。
「お、おい。俺もお前の弟にプレゼント買いたいからさ、
その1巻貸せよ、俺が買うから!」
幸村に有無を言わせず、幸村の手にある1巻を取って
急いで会計を済ませに行く。
会計中、店員が訝しげな顔で小説を見ていた。
俺は早くしろよと目で訴えると、店員は慌てて「すいません」と
一言謝り、会計を終えた。
「はいこれ! じゃ、俺帰るわ!」
お人好しのあいつのことだから金払うとか言ってくるに違いない。
そんなことされてしまったら俺は罪悪感で押しつぶされ
そうになるので、面倒になる前にさっさと立ち去った。
「足が痛い......」
走って立ち去った俺だが、あいつの身体能力のことだから
追いつかれると思い、結構な距離まで走って来た。
おかげで足が痛くなるし、汗もかいた。
俺は適当な所に腰掛けた。
どうでもいいが、さっきの言いかけた話の続きをしよう。
俺とあいつの違い。2次元の主人公はその他のキャラクターの
シリアスな話や、暗い過去など独自のやり方で解決してやっている。
そう、ぼっちのヒッキーもなんやかんやであいつのやり方で
解決しちゃっている。
だが俺は違う。ついさっきの幸村の暗い話にも深く関わらず、
小説でありがちなシリアスパート突入を予感させるふいんきだったが、
俺は関わらない。自分のことは自分で解決しなくちゃいけないし、
今更俺があいつに何か言ってやっても助けにもならない。
慰めにもならない。
ならいっそ関わらない方が俺とあいつの為になるだろう。
まあ、自分で解決しろなんて言ったらお助け部の意味がないがな......。
俺はぼっちを貫き通す。どれだけ周りが賑やかになってきても
俺は俺の生き方で、これからも生きていく。
それがどんなに間違っていても、俺はすべて肯定的に取る。
案外、俺も青春しているのかもしれないな......。
俺はさっき買ってきた小説を鞄から取り出した。
......、んん? あれぇ?
なんで4巻が2冊もあるの!?
俺が持っていたのは4巻が2冊と6巻だった。
もっとキチンと確認するべきだったぁぁぁ!!
つーか店員が訝しげにしていたのはこれのことかぁぁぁ!!
店員おかしいと思ったんならなんか言ってくれよぉぉぉ!
「すみませんお客様。同じ小説が2冊もありますが
よろしいのでしょうか(笑)」とか言えよぉぉぉ!
せめて......せめて4巻が2冊と5巻であってほしかったぁぁ!
何で5巻飛んで6巻なんだよぉぉぉ!!
久々に言うかもしれない......。BADENDだぁぁ!!
「龍紀、頭悪いー、おもろーおもろー」
無表情でそんなことを言うのは小鳥遊叶華。
なんでお前が隣にいるんだよぉぉぉ!!
久々に叫びました☆ 脳内で。
読んでいただきありがとうございます。




