謎の違和感
長かったらごめんなさい。
一応これでも短くしたので、見ていっていただけると
嬉しいです。
次話もよろしくお願いします。
中2病。
そんな言葉をご存知だろう。
中2病とは真面目に病気というわけではない。
中学2年生頃の思春期真っ只中な連中によくある痛々しい
言動傾向を揶揄した俗語である。
中2病にも一応種類がある。中二病取扱説明書に載ってるぜ。
「俺の目が疼く、俺のこの『邪神眼』が......」
と言いながら眼帯で隠していた目を顕にする。
眼帯をしていた左目は赤く、綺麗な真紅だった。
カラコンか......。よく眼帯で隠されてる左目の為にやるよなぁ。
一瞬決まった、と言わんばかりにドヤ顔を決める。......うぜぇ。
こいつは中2病の中での邪気眼系の男だ。
邪気眼系とはゲームやアニメ、漫画、ラノベに出てくる不思議な能力
に憧れて、あたかも自分が何か特別な能力があるかのようにして振舞う。
こいつで言う左目にある邪神眼という異能力をあたかも存在して
いるように振舞うことだ。もちろん、そんな物はないし、ただのカラコン。
そんな自分を格好良いと思う、それが中2病。
少年少女達、みんなそんな感じなことを、やったことあるよねっ!
ということを、軽く春野と比奈田に説明をした。
何故こいつらが中2病を知らないかが謎だ。
二人共そんなに理解をしていない様子。まあ今の俺の説明で
中2病とはなんたるか、を分かるはずもない。中2病とは奥が深いのだ。
「うーん。よく意味がわからない......」
「要は自分の妄想を演じているだけなのね」
「まあだいたいそんなとこだ」
ちなみに俺は自分で言うのもあれだがサブカル系なのだろう。
サブカル系とは、流行に流されずマイナー路線を好み、他人とは違う
特別な存在であろうとする。ということらしい。
俺はマイナーな物を選択していると思う。
皆の会話についていこうとがんばって流行に乗ろうと必死になっている
リア充共を隣で見ていて、お前ら雑魚と俺は違う。
と思いながら一人、優越感に浸っていたりしていた。
あと別にサブカルが好きなわけではない。
「まあいいわ。それで、あなたは何の頼みがあって来たの?」
「ふっ、言葉にしなければ伝わらんか? いつもの貴様なら、既に
我の思惑などお見通しだろう」
「分かるわけないわ。あとあなたと私、初対面よ」
初対面の女によく変なこと言えるよなこいつ。逆に尊敬。
「で、何の用だよ鍵谷」
ついさっき思い出した。こいつの名前は鍵谷圭佑。
中2病でありぼっちでもありラノベ大好きな変態である。
女子に嫌われそうな属性が4拍子揃っている可哀想な奴である。
あのビッチ共はラノベによくある少量のエロ程度にエロ本と言って、
俺の本を2つの意味で叩きまくりやがった。
ラノベをエロ本とかカスとか言う奴、
ル○ーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる。『貴様達は......死ね!』
ビッチ共にギアスの力が作用する! ......わけがない。
「ついに我の名前を口にしたか榊よ。......忘れたのかと思った」
後半、素に戻っていた。ごめん。さっきまで忘れてた。
......このことを言わない方があいつの為か。
他人に忘れられるのが苦痛なことを、俺は知っている。
なので他人にはあまり関わらないようにしている。すぐに忘れるから。
「仕方がない。ならば我の願いを言おう」
「別に言わなくていいぞ」
俺は言ってやるが、無視して話を続ける。
「我は知っての通り、邪神側につきし者だ。この眼が証拠だ」
そんな派閥はありません。
「そうして我は、忌々しき学校で授業を受けている最中、ふと思った。
我は何故こんなことをしているのだ? と」
自分の為(笑)。
「勉強など、学校など、天使側の通過儀礼ではないか。そんなこと、
我がやって何の意味があるのか? そんなことに気づいてしまった」
つまり現実から逃げた、ということか。
「盲点だった。我はそのことに気づいてしまい、その日から
来たるべき戦いの為、自分の心身共に鍛えていた」
盲点じゃないし、そもそも誰と戦うんだ、誰と。
言われて気づくがよく見ればこいつ、細身の割には
筋肉質な体だった。地味にサッカーが得意らしい。圭佑だけに。
「そして返って来た定期テストの結果。あれは絶対天使側に
よる策略だったのだろう。我のテストをどれだけ点数を低くしても
我の精神はダメージを少しもにならないわ」
冷や汗ダラダラですごい不安そうな顔をしている。
テストの点数が悪かったのだろう。すげぇダメージ受けてんじゃん。
「本当はどうでもいいのだが、このまま奴らの思いどうりには
させたくないのでな、ここは不本意だが次のテストではいい点を
取り、奴らの慌てふためくざまを見たいのだ」
なるほど。点数が悪かったので次の実力テストではいい点を
取りたいのか。あと誰もお前の点数が上がっても慌てないから。
「だが、我は修行中の身だったので、まったく勉強などは
していない。故に我がどう足掻こうが天使側の思う壺。
なので樋口教授に話をしたのだ。するとあの方はこう言った。
『ならばお助け部を訪ねて、勉強を教わればいい』と」
俺達にすべて丸投げかよ。面倒な物押し付けやがって。
「あなたの自業自得だけど、仕方ないわ。勉強を手伝いましょう」
「あ、あははー......。あたしは正直教わる側かなぁー?」
全教科学年トップの噂を持つ秀才一名、バカが一名。
「俺もついでに教えてくれ!」
ついでにもう一人、バカが追加。って幸村?
「お前、いつからいた?」
「さっき」
さっきっていつだよ。さっきという時間の基準がわからん。
「俺は教える側だな」
俺は勉強は少し得意だ。ついついドヤ顔を決めてしまう。
そんな俺に春野はいつものボロ雑巾を見るような目ではなく
純粋に不思議そうな顔をして、小首を傾げる。なっ、可愛いだと。
「あなた.......、勉強ができるの?」
可愛い顔で酷いことを言ってきた。そのギャップによって
ダメージが何倍にも増幅した。
「可愛い顔でそんなことを聞くな。言っておくが俺はな、
頭がいいんだぞ? さらに理数系は特に得意だ、テストでは
両方3位をキープしている」
3位だぞ? どうだこの実力わ! ちなみに国語、最下位。
国語だけは意味わからん。あれわかる奴、理解不能。
ちなみに社会とかは3位ではないが、割と得意だったりする。
とりあえず国語以外はそこそこの点数と順位はとっていると思う。
まあ二年になったら理数系を選ぶし、まったく問題はない。
「私はほとんどの教科は一位を連取しているわ。頭がいいというのは
これくらいの実力がある者のことよ。あなたのように
中途半端な実力では頭がいいとは到底言えないわよ?」
髪をかきあげてちょっと嬉しそうな、勝ち誇ったような顔で
俺を見てくる。春野さん勝ちとか好きそうですね。
すると一転して苦虫を噛み潰したような顔をする。
「ただ......、数学だけは毎回二位なのよね」
と、呟き深くため息をつく。そんなに一位じゃないとだめか?
「それでもすごいよ~。あたしなんて後ろから二ば......あ!
今のなし! 今のなしね!」
両手ブンブン振って顔を真っ赤にしている。二番って聞こえた。
そんな奴が間近にいるとは......、あとどうやってなしになるんだよ。
「比奈、アホだなぁ~」
とか言いながら手をパンパン叩いて大笑いをしている。
おーい。聞いた話だとお前もそんなに変わらないんじゃないのか?
「む。なら幸村数学何点なの!?」
「俺か? 俺はな......」
すると何故か胸を張り誇らしげな顔をする。まさか、最下位?
「一位だ!」
一位ぃ!? この中で全員が驚いていた。と思ったが、
鍵谷だけがどうでもよさそうに窓から空の景色を見ていた。うん。
ぼっちだもんな。内輪の中に入れないんだな。
「嘘でしょ!? 幸村って数学そんなにいいの!?」
「驚いた......。まさかあなたに負けていたとわね」
言葉は割と柔らかいが目つきは鋭く、傍らから見ても
すごく悔しそうだ。だからどんだけ負けたくないんだよ。
幸村は未だドヤ顔を決め続けている。正直悔しい。
俺は地味に勉強が好きだ。理由は俺の学力は神がどうこうする
余地がないからだ。学力だけは運が悪くても上位が目指せる。
だから俺は少しだけ勉強が好きだ。
なのに勉強でバカに負けるのは心底悔しい。きっと春野もそうなのだろう。
「数学だけは、中学の時から一位の座をキープしているんでね。
てか、数学なんて簡単だろ。勉強しなくても取れるわい」
一位なのに勉強してないだと......? まじでうぜぇ。
「そうだ! 次のテストで勝負してもいいんだぜ? もちろん
数学限定でな。俺の他の教科は全然駄目だからな!」
自信満々に挑戦状を俺たち二人に叩き出してきた。
他が全然駄目なことも自信満々に言い切りやがった......。
「ふっ、いいわ。次のテストは覚悟をしておくことね」
春野に火がついた。目がマジすぎてちょっと怖い。
でもテストまで一週間だぞ? 今更出来ることなんてあるのか?
「なら、私はそろそろ退室するわ。テストを楽しみにしてましょう」
俺に言ってるわけでもないのに傍らで見ていた俺が凍りつきそうな
冷笑を浮かべ、踵を返した。不覚にもかっこいいと思ってしまった。
「あ! ねえねえはるりん! それならあたしと一緒に勉強しよう!
あたし全然勉強できなくて困ってたの~!」
「私は別に構わないわ。やることは同じだもの」
こいつら気づかないうちに仲良くなってんな。
ぼっちの俺は思う。勉強は一人で黙々としたほうが
効率がいいと。勉強に他者がいたら非常に邪魔だし、面倒だと思う。
思うと言った理由は、あくまで推定であるからだ。
......だれかと一緒に勉強など、したことないからな。
だが、教室で集団の奴らを見た限りかなり効率は悪いと思う。
あいつらほとんど喋ってるだけだし。ほとんど雑談と変わらない。
勉強はぼっちでやるべきだ。(断言)つまり常にぼっちでいる
俺は勉強しまくりで超頭がいいはず。春野は別と考えろ。
「なあ、龍紀。久々に一緒に帰らねぇ? 本屋行ってラノベ買ってく
から、いいのあったら教えてくれよ」
なんだと? ラノベとあれば行くしかないな。俺は無言で頷いた。
一緒に帰ろうとか始めて言われてテンション上がっている
訳ではない。本当だじょ!?
「じゃあ、今日はこれくらいにして部活終わるか」
「ええ、お疲れ様」
各々が帰宅の準備を済ませ、部室の扉を開けようとすると。
「まてぇぇぇぇぇいー!!!」
後ろに謎の男。......鍵谷圭佑が何故か息を切らしながら叫ぶ。
うるせぇ男だ。
「否っ! 否っ否っ否っ否っ!!」
使い方おかしいぞお前。
「我の依頼はどうした! 貴様ら、忘れたとは言わせぬぞ!?
ま、まさかあいつらがお前達を操っていたのか!? ならば安心しろ。
今の我の言霊により、奴らは完全に消え失せおったわ、クックック。
恐るに足らんな、さあ我の依頼を遂行してくれ!」
あいつらって誰だ。あ、そうだった、こいつ依頼に来てたな。
会話と場の空気に操られて忘れてた。
普段場の空気など知ったことがないぼっちのはずだがな。
恐るべし会話の威力。
「そうだったわね。すっかり忘れていたわ」
こいつはこいつで幸村への挑発に我を忘れていたのだろう。
「えー? 明日じゃ駄目なのー?」
比奈田が不満気な顔で文句を言う。もうお助け部じゃないな。
「一応彼の依頼であっても部活は部活よ。不愉快でも依頼を達成する
義務があるわ」
喜べばいいか悲しめばいいかわからないといった顔をしている鍵谷。
「あ! ならさ! 私達皆で勉強会しない?」
「おっ、いいね。なら俺達でどっかのファミレス行こうぜ」
「そうと決まれば、出発ー!」
やけにテンションが高く、何が楽しいかしらんがニコニコしてる比奈田。
その比奈田に腕を掴まれて、無理やり連れて行かれる春野。
「おい幸村、ラノベは?」
「それは帰りに行こうぜ。てか俺達も早く行くぞ!」
俺は幸村に腕を掴まれ、無理やり連れて行かれる。
「我は群れるのが好きではないのだがな......。ふっ、今日だけは
付き合ってやるか」
とか言いつつも、何やら嬉しそうな鍵谷。中2病めんどくさっ。
ファミレスへ行く道では、春野と比奈田が楽しそうに談笑している。
時折春野が見せる、俺には見せない笑顔があり、それはもう俺に
受けられているものではないと分かっていても見とれる程綺麗だった。
対して幸村と鍵谷は何かのラノベについて話をしている。
初めリア充グループの幸村に話しかけられて、戸惑っていた鍵谷だが、
今は何やらある小説について鍵谷が熱く語っているっぽい。
こいつらの会話を尻目に俺は、少し離れて一人で歩く。
俺の私生活も、随分と賑やかになったものだ。
だが、別に友達が出来る訳でもないし、このように集団にいても
ぼっちなのは、変わりはしない。
結局、時間だけが過ぎていき、俺は何も変わっちゃいない。
樋口先生は俺のぼっち脱出のためにこの部活に入れたはずだが。
まあ俺は変わらずぼっちでいることが一番だけどな......。
ぼっちでいることに、後にも先にも後悔はない。
ふと、俺の横を通り過ぎた女性がいた。
同じ高校の生徒。同級生か......?正直どうでもいいはずなのに
何故かあの女性に対して、謎の違和感を覚える。
なんだ? あいつは一体......?
違和感は残ったが、今の所何も思い出せないのでとりあえず
忘れることにした。忘れることは俺の得意技である。
ちなみに忘れられるのも俺の得意技だ。技と言えるものじゃないな。
(すれ違った女性視点)
今すれ違った男。同じ高校の人だ。しかもあいつは、
「榊、龍紀......。同じ高校だったんだ......」
一応、最後に出たキャラは今後主要キャラに
なると思います。
見ていっていただかれた全ての人に感謝です!




