つぎはぎ
ザクザクと
昼間の雪が夜になると喋りだす。
屋根に積もった
壁にぶつかった
道に舞い降りた
その雪達が
外灯やら、どこかの窓やら・・・看板のイルミネーション
それらを乱反射するのか
夜だけど街は妙な明るさを醸して。
「君の声は宝塚だね」
「そうかな~・・・」
ほら。語尾が・・・。
「アンドレ!」
彼女がその気になって言葉を宙に投げる。
前方、信号は青だ。
計算すると横断歩道まではこのリズムではぎりぎり。
少しわざと歩を緩める。
君も合わす。
「そうかなぁ~」左横で君がまだ喋っている。
そうかなぁ・・・
何回も、僕の好きなだけ。
止まれの赤だ。
後ろから来たおばさんと君が被る。
君の肩にも届かないけど。
スーパーの買い物袋が両脇・・・
君は手ぶらで。そういつでも、いつまでも自由で。
思い出すと現れる僕の・・・。
毎度?!の短編・・・