第8話「生の最後のレクイエム」
―ブリセル正門―
アダムとパーティーメンバーは、その前に立つ者を見た。
グラディウスが言う。
グラディウス:
「あれは……デュラハンだ……」
ただの通りすがりの雑魚ではない。
魔王軍第七幹部だ……
アダム:
「は?……だから?」
グラディウス:
「だからだと!?このバカ者が!」
「あいつと戦えば住民の被害は甚大になる!」
アダム:
「……分かった。真面目にやる。」
「おい〜!」
バルカンドル:
「私を呼んだか……我が名は——」
アダム:
「お前の名前なんて興味ねぇ〜!!
男の名前なんか聞く必要ねぇんだよ!!」
「目的だけ言え〜!!
観光客に切り刻まれたくなきゃな!!」
シュビエル:
「アダム!!正気ですか!?」
マリス:
「ふーふふ……心配するな!アダムがああするのには理由があるのだ。」
シュビエル:
「どんな理由ですか!?」
マリス:
「考えてみろ。私は女神だ。それも闇の女神だぞ!
そんな下級モンスターの——」
「デュラハンごとき、私の相手ではない!」
アダム:
「バカかお前。
闇魔法ってことは、むしろあいつ闇属性だろ。効くわけねぇだろ。」
「このヤメガミが。」
マリス:
「なに!?今の意味を私が分からないと思って言ったのか!?」
「ミチンヨシンってなんだ!!取り消せ!!取り消せと言っている!!」
その瞬間、
不快なほど濃密な魔力がアダム達を包んだ。
バルカンドル:
「……騒がしい小僧どもだな。
特にそこの王冠を被った娘。」
「お前が放った爆裂魔法のせいで、
我が寝床も枕も、愛用品も全て吹き飛んだ。」
シュビエル:
「え!?私はただ廃城で撃っただけですよ……」
アダム:
「シュビエル、下がってろ。大丈夫だ。
こういうクレーマーには強硬対応が正解だ。」
シュビエル:
「……はい。」
バルカンドル:
「全力で行く。今は騎士ではないが、
元騎士として誓おう。」
そう言ってバルカンドルは突進を開始した。
グラディウス:
「アダム!武器を作ってやる!血で出来た武器だが使えるはずだ!」
アダム:
「お、サンキュー。」
アダム(小声):
「やばい……見た目からしてクソ強そうだ……」
「でも、解決士時代に戦った奴らと
大差ない気もするけどな……」
「まぁ、やるか。」
その瞬間、アダムが前へ飛び出した。
グラディウス:
「アダム!一人で無理するな!」
アダム:
「くらえ〜!スティイイイル〜!」
その瞬間、バルカンドルがよろめいた。
そうだ。
この狂人は、
デュラハンのパンツすら盗んだのだ。
バルカンドル:
「……ありえぬ……」
「騎士として……」
「こんな辱めは……」
「……初めてだ。」
「……興奮してきたぞ!!!」
「そうだ!!これが戦いだ!!戦いだ!!!」
グラディウス:
「待て……あのデュラハン……」
「まさか私を拘束して魔王城へ連れ去り、
言葉にできぬことをするつもりであんな顔を……!!」
アダム:
「違うわ!!お前ら何でそんなに息合ってんだよ!!」
「マリス!——いや、お前は休んでろ。」
マリス:
「は!?なぜ私を無視する!私だってやれる!」
「セイクリッド・ハイ・エクスプロージョン!」
その瞬間、闇の力がバルカンドルに炸裂した。
——だが。
むしろバルカンドルの力が増幅した。
アダム:
「何やってんだ!!このヤメガミ!!」
「敵を強化してどうすんだ!!」
マリス:
「なに!?私は……私は全力だった!!」
「助けたくてやったんじゃない!!」
アダム:
「はぁ……シュビエル、大丈夫か?」
シュビエル:
「はい……」
アダム:
「よし。
お前が楽なタイミングで言え。そしたら支援頼む。」
「今は待機だ。」
シュビエル:
「分かりました。」




