第19話 血族の村
――血族の村・結界付近――
グラディウス:
さあ、もうすぐだ。
ここで俺が手に傷をつけて、
この結界に血を流せば――
それが解除の鍵になる。
アダム:
ふーん……。
ずいぶん普通だな。もっと面白いのないの?
グラディウス:
ご主人様ごっこでもするか?
なら付き合ってやる――
……って、待て!!!
(ガシャン)
この野郎……!!
退屈だからって理由で
俺を奴隷にする気か!!!
血族の高位貴族として
ここは断固抵抗する……!!
……まあ、ある程度まではな!!
アダム:
やっぱり狂ってるな……。
まともな奴がいない……
未来が見えねぇなぁ……
マリス:
アダム……それ、あなたが言うことじゃないと思う。
この中で一番メンヘラ青年なのは
どう見てもあなたよ。
シュビエル:
私もそう思います。
私が爆裂狂だとしても……
アダムはただの狂人ですよ。
かっこいい時もありますけど……
たまに本当に変です。
アダム:
おいおい。
それ恋愛フラグじゃないの?
もしかして俺のこと好き?
違うならその連携プレイ
やめたらどうだ?
グラディウス:
(ガシャン)
なに!?
連携プレイ……だと!?
お前……
どんな光景を期待してるんだ!!!
……まあ俺は歓迎だが!!
マリスとシュビエルには手を出すな!!
いや……
あの二人の姿を見るのも
悪くないかもしれない……
そうやってグラディウスが
真剣に悩んでいると――
シュビエルが彼女を
粉にした。
シュビエル:
ふぅー!
一件落着ですね!
問題は全部解決したみたいですし
行きましょう!
アダム:
おい待て。
その問題児が鍵だったんだぞ。
鍵を粉にしたら
どうやって血族の村に入るんだよ
このバカ!!!
それよりお前ら
生命倫理とか道徳ってものが
欠片もないのか!?
人の心とかあるのかよ!!
マリス:
アダム。
あなたも粉にしましょうか?
アダム:
申し訳ありません。
すぐ行きましょう。
口答えしません、姉さん。
マリス:
……姉さん?
ねぇアダム。
私、年齢不明なだけで
見た目はあなたと同じくらいよ。
アダム:
はいはい、おばあちゃん。
そんな冷たくなったアダムを残し
三人は血族の村へ入っていった。
マリス:
ここが血族の村……?
すごい……。
確かにブリセルより小さいけど
高級感あるね。
周囲には血族の紋章やロゴ、
そして血族特有の建築様式が並んでいた。
現代人だったアダムの視点から見ると
むしろ中世より
現代に近い建築法だった。
……まあ、
その目がまだ残っていればの話だが。
今のアダムは
粉だけど。
???:
グラディウス?
グラディウスなの?
グラディウス:
……母上……
バルテリア:
久しぶりね……
私の娘……
家を出たあと
男を探しに行くって言ったきりで
どれだけ心配したと思ってるの。
グラディウス:
……それは……
見つけました……
バルテリア:
えっ!?
どこにいるの!? 私の婿は!!
グラディウスは
粉になったアダムを指さした。
バルテリア:
グラディウス……
どうして夫を粉にしたの?
今すぐ蘇らせてあげるわ。
『Anima Reverti』
――魂の帰還
アダム:
義母様ぁ!!!
全部聞いてました!!!
私がその婿です!!!
グラディウス:
黙れ!!
この狂人!!!
シュビエル:
口を押さえておきます……!!
マリス:
あーもう面倒くさい!!
好きにして!!
現場は完全に
カオス状態になった――
アダム:
うるさい!!!
ナレーションは後だ!!!
今は俺の全盛期なんだ!!!
ハーレムの全盛期!!!
시발!!!
ついに!!!
俺が望んだ世界を
作り上げたんだ!!!
この狂人に
呪いを!!!




