第10話「マイホームの夢」
―数日後―
あの日の戦闘の後、
俺たちは初めてギルドで歓迎を受けた。
まあ、一度だけ似たようなのはあったけどな。
アダム:
「おい、ヤメガミ……今の状況見えてるか?」
マリス:
「その名前で呼ぶなって言ってるだろ!!」
シュビエル:
(ため息)
「……今回は何なんですか。」
グラディウス:
「分かりきっているだろう。
ここで急に話が進み出し、意味不明なネタを放り込んで、
カオス展開になるのだ。」
アダム:
「うるせぇ!今回はマジだ!」
「依頼が入った。しかも報酬付きだ。」
全員:
「はぁ!?」
アダム:
「そう、報酬だ。」
「ここでの計算は俺が一番マシだろ。
解決士時代の経験もある。
経営管理は俺がやる。」
「不満ある奴は手ぇ挙げろ。意見は一応聞いてやる。」
その瞬間、マリスが手を挙げた。
だがアダムは無視した。
マリス:
「おい!!なんで無視するんだ!!」
アダム:
「とりあえず魔道具屋だ。」
「装備を買う。」
「前みたいに強敵が出ない保証はない。」
「まずホミは捨てる……あれじゃ弱すぎる。」
そうして彼らは魔道具屋へ向かった。
???:
「いらっしゃいませ!」
店員が挨拶した。
その瞬間。
アダムのスイッチが入った。
アダム:
「待て……この比率とバランス……そしてミドまで……」
「グラディウス級だ……」
次の瞬間。
アダムの後頭部に強烈な一撃。
グラディウス:
「正気に戻れ……頼む……」
アダム:
「お名前をお聞きしても……?」
???:
「あ、私はセリルです。元・魔王軍第二幹部です。」
全員:
「……は?」
セリル:
「え?何か問題でも?」
その瞬間、マリスが飛びかかった。
マリス:
「捕まえた!!幹部だな!!」
「私はアダムみたいに甘くないぞ!」
「しかもリッチだと!?今すぐ浄化してやる!!」
セリル:
「ちょ、ちょっと待ってください!!」
「もう幹部じゃないんですってば!!」
アダム:
「……どう見ても怪しいけど、美人だから話は聞く。」
アダムはしゃがみ込み、セリルと目線を合わせる。
アダム:
「なぜわざわざ所属を明かした?」
セリル:
「その……バルカンドルさんが討伐されたと聞いて……」
「しかも皆さんが倒したって、町で有名になってて……」
「だから、先に仲良くなろうと思って……」
アダム:
「……敵意はなさそうだ。」
「マリス、殴るのやめて放せ。」
マリス:
「正気か!?女に目がいったのか!?」
「周りに女三人いるのに、まだ増やす気か!?」
アダム:
「違う。聞け。」
「直感だ。」
「仮に何かあっても、今の俺たちじゃセリルには勝てない。」
「魔王軍第二幹部だぞ?」
「敵意を向けないのが正解だ。」
「協力しろ、マリス。」
マリスは不満げに手を離した。
セリル:
「ありがとうございます……あの、その方は……?」
アダム:
「ああ、ヤメガミのことか?」
「自称・闇の女神だ。」
マリス:
「自称じゃない!!本物だ!!」
セリルは青ざめた。
セリル:
「す、すみません!!殺さないでください!!」
「まだ夢があるんです!!」
アダム:
「夢?」
セリル:
「魔王軍幹部陣を壊滅させることです。」
一瞬、空気が変わる。
アダム:
「……重い事情か?」
セリル:
「いえ?普通に扱いが酷かったので恨んでます。」
アダム:
「そんな理由かよ!!」
「まあいい、装備見せてくれ。」
「戦闘用の大鎌が欲しい。」
セリル:
「鎌ならこちらです。」
アダムは良さげな鎌を手に取り、
そのまま逃げようとしたが——
グラディウスに阻止された。
セリル:
「あ、そうだ。」
「実は私、依頼を一つ受けてまして。」
「店が忙しくて行けないんです。代わりにどうですか?」
アダム:
「お前も依頼受けてたのか……冒険者だったんだな。」
「内容は?」
セリル:
「屋敷の異常現象の調査です。」
「報酬は、その屋敷の譲渡……」
アダムは遮った。
アダム:
「行く。」
グラディウス:
「待て。即決か?」
アダム:
「今の俺たちに道徳や倫理を語る余裕はない。」
「生きるのに必死なんだ。」
「死んだら地獄かもな。」
「だが死ななきゃいい。」
「隣にはヤメガミがいる。」
マリス:
「その呼び方やめろ!!」
アダム:
「よし、屋敷へ出発だ。」
その時は知らなかった。
これが災厄の始まりだとは。
アダム、空を見上げる。
「このクソみたいな世界の絶望を!!」




