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第1話 アラフォーの私 高校時代を思い出す

『じゃ、母さん行ってきまーす』


『はーい。気を付けて運転してね。あっ、健一!大学の勉強もしっかり!』


『はいはーい!』


よくある親子の会話だ。


母さんと呼ばれた私の名前は安西みほ。43歳。

まぁ世間一般でいう、いわゆるアラフォーだ。

ごくごく一般的な普通の母親。

体型は年齢的に崩れると聞いていたから気をつけているが、ここ最近ちょっと型が崩れかけていてランニングを始めた。


顔は、目鼻立ちはハッキリしている方らしく、若い時は化粧映えするねと言われていたが、最近はシミとシワが気になるお年頃だ。

仕事に行く時は職場の制服があるし、薄化粧もするが、今日のような休みの日はノーメイクで、ジーパンにTシャツという動きやすいスタイルだ。


健一からは、たまにはオシャレしてよって皮肉を言われる事もあるが、結婚して早いもので19年経つ。もうそこまで来ると、家の中位は動きやすい格好で過ごさせてもらいたいものだ。


健一は私の息子だ。今年で18歳になった。大学1年だ。私の身長が170センチあるのもあり、健一も背が高く、180センチありスラッとしたスタイルだ。大学1年だが童顔なのもあり、高校生1年位に間違われる事もまだまだあるそうだ。

目鼻立ちは私に似てハッキリしている。

ひいき目で見ても可愛らしい顔(親バカでごめんなさい)をしている。

私の自慢の一人息子だ。


私の家族は健一と、私の主人の三人家族の至って普通だ。主人もごく平凡な会社員で、私が高校を卒業して就職した会社の少し先輩である。

私より少し身長が高い176センチで、人の良いのがにじみ出るぐらい、いつも笑顔の人だ。

親子関係も、夫婦関係も特に悪くない。


家もこじんまりとしているが、自然も多く環境も良い。私の実家が田舎だったのもあり、主人と結婚してからは、なるべく自然が多いとこに家をとお願いしたのだ。


息子の健一はそれなりに反抗期はあったものの落ち着き、今は大学に行きながら、大学近くの自動車学校に行っている。

今日も自動車学校に行くので、その前のやり取りで先ほどの会話があった。


『もう、18歳か〜。早いなぁ。私が免許取ったのも18歳だからあれからもう25年経つのか…』


と息子を送り出した安心感でホッと一息つきながら、リビングにあるローテブルに大好きなカフェオレをお気に入りのカップに入れ、こちらも私のお気に入りのデニム生地のような青いソファに深く座り、ゆっくり天井を見上げながら昔を思い返していた。


私が運転免許を取りに行ったのは、高校3年の11月の終わり頃だった。私の高校は、就職が内定した者から順番に自動車学校に行けるというものだったので、早い人は夏休み終わった後や10月になるとほとんどの人が既に通っていた。


私は自分の住んでいる実家から新幹線で2時間位の県外の会社への就職が11月に決まっていた。





私もやっと自動車学校に行けるよ〜ん』


当時高校3年の私は就職の内定も決まり、自動車学校に入校する予定日も決まり学校の廊下で、移動教室に向かう途中スキップしながらウキウキ気分で歩いていた。

どのぐらいウキウキかと言うと、セーラー服の制服の膝丈のスカートが大きく揺れて膝上の肌が見えるのではないか?と心配されてしまいそうと言えば、私のウキウキ度がわかるかもしれない。

私の地域の高校は全部で3校しかなくその3校とも女子はセーラー服だ。

パッと見一緒だが、スカーフリボンの色と、襟と袖口に装飾されているラインの色で高校を分けていた。

ちなみに私の通っている高校は白だ。

他の高校は、紺色とえんじ色だった。


『みほ、嬉しそうだね〜』


同級生の由里子が隣を歩きながら少し呆れた様子で言った。


由里子は大学への進学志望だったのもあり、まだ自動車学校への予定日が決まっていなかった。

既に決まった私が羨ましかったようだ。


『だって、自動車運転出来るんだよ?どこへでも行けるんだよ?最高じゃん!』


目を輝かせながら言う私を尻目に


『でも、自動車学校の先生って厳しいらしいよ?泣く生徒も居るって聞いたし…』


等と怖いことを言ってきた。


ただ、その噂はあながち嘘ではなく、私が行く予定の地元の自動車学校に行っていた母からも


『お母さんの時の先生は厳しかったんよ〜。何度運転免許なんていらない!って泣いた事かわからないわよ』

とか言っていた。ただ、その後

『まぁ、それも今となっては良い思い出』

と笑いながら言っていたからどっちも本当なんだろうなと思う。


『でも、怖い先生ばかりじゃないだろうし、良い先生もいるはずだよ。私は若い先生は苦手だからちょっと歳上の先生だと良いなぁ』


私がウキウキの足取りを普通の足取りに戻して言うと

『みほは、歳上の枯れ専だもんね』


笑いながら由里子が言った。


そう、私は歳上好きで、歳下や同級生が苦手だった。

当時の私の見た目は、もう一度言うのもアレだがそんなに悪くない方らしい。(しつこいか)

顔のパーツの大きさは今と変わらずだが、当たり前だがシミもシワもないピチピチの肌、そして黒髪のセミロングヘアー、その頃からスポーツをしていたのもあり、身体は少し筋肉質だったが、世間一般から見たら標準より少し細身の方だ。(今は少し年齢のせいかふっくらしちゃったけど、今は関係ないから省くとして…)

身長はこの頃既に170センチあった。

中学3年時からほとんど変わらないから、成長は中学でストップしていたのだろう。


好きな芸能人は?と聞かれて同年代の子は、少し歳上のアイドルグループだったり、人気の若手俳優さんの名前を出す中、私は決まって渋い50代前後の俳優さんの名前ばかり言っていた。


(だって同じ位か、少し上って何だか子供っぽいし嫌なんだもん)

私がこんな風に思ってしまったのはちゃんと理由があるのだ。



初めての投稿です。拙い文章ですが読んでコメント等(こうしたが良いよ等)を頂けると嬉しいです。

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