第5話 レベルアップ
冒険者登録を終え、街の外にやってきた。
ミラちゃんが言うには街の外にはモンスターがいて倒すとレベルアップしたり、アイテムを落としたりするらしい。
ちなみにチュートリアルで『スライムの粘液を納品』という依頼(クエストと言うらしい)を受けている
うん、確かにモンスターいるね。
ざっと見渡すと······結構いるね。
そして、モンスターを倒している人達も結構いる。
そうこうしてると、目の前にポヨンポヨンした愛くるしいモンスターが現れた。
これは私でも分かる。スライムだよね。
ん?
ちょっと待って。
今気づいたけど私素手なんですけど。
他のプレイヤーさんたちは防具装備して武器で倒してるんですけど。
『スライムは最弱のモンスターなので、あゆみでも素手で倒せます。中心部にある魔石が弱点です』
あ、ミラちゃんが名前で呼んでくれてる。
名前を登録したからかな?
そうか、素手でもいけるのか。
でも、こんな愛くるしいモンスターを倒すなんて乙女の私には無理――
「ぐはあっ」
腹がぁ、私の腹がぁ。
くうううう、痛い。夢なのに痛い。
何故?
こいつ、愛くるしい見た目に反して腹に突っ込んで来やがった。
思ってたより動きが速いし、重い。
最弱と言えどもモンスターということか。
こいつ······許さん!
「天誅ぅぅぅ!」
スボっとスライムに素手を突き入れ魔石とやらを抜き取る。
するとスライムは光の粒となって消えた。
あとには『スライムの粘液』というアイテムが瓶入りで残されていた。
すると、アイテムと手に持ってた魔石が勝手に私の体に吸い込まれていった。
『取得したアイテムは自動的にストレージに収納されます。ストレージというのはアイテムを保存する目に見えない倉庫のようなものです。「ストレージ」と念じれば中のアイテムが表示されます』
おお、「ストレージって何?」って聞こうと思ったけど先回りで回答してくれたよ。さすがミラちゃん。
――テッテレー――
『レベルアップしました』
お、何か効果音が。レベルアップ?
言われてみれば確かにさっきよりも体が軽くなった気がする。
『「ステータス」と念じれば現在のステータスを表示出来ます』
ああ、そういう設定とにらめっこするのは何か面倒だからいいや。
私は楽しめればいいのだよ、ミラー君。
『念の為説明しておきますと、レベルアップに伴い各ステータスが上昇します。またプレイヤー自身が任意のステータスにポイントを振れる「FP」とジョブに振る「JP」スキルに振る「SP」も加算されています。FPは何度でも振り直しが可能です。JPとSPは一度振るとと振り直しは出来ません』
「ああ、私そういうのどうでもいいんだ。それにどうせ夢だし」
先輩みたくガチでゲームやってるなら真剣に悩んでポイントを振ったりするんだろうけど私は違うからね。
『また、スキル【貫手】を覚えました』
【貫手】ってのは、さっきスライムを倒した攻撃のことかな?
スキルっていうか、そのまんまやん。
普通に繰り出せる攻撃なんだけど。
ま、いっか。
しかしスライムの感触は気持ちよかったなぁ。あと、ストレス発散にもなりそう。
その後、スライムを倒した感触に味をしめた私はズボズボ貫手でスライムを倒しまくるのだった。
「待て〜、スライムちゃん!」
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