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第32話 強み

 ミラちゃん、一次予選突破できたよ。

『おめでとうございます。あゆみなら間違いなく予選を突破できると予想していました』


 そうだったんだ。

 私ってそんなに強いの?


『レベルとしては予選参加者の中でも低い方です。ただ圧倒的にプレイヤースキルが高いのです』


 プレイヤースキル?

 そんなことある? 超初心者なんですけど?


『あゆみの一番の強みは何だと思いますか?』


 強み?

 何だろ……あんまり考えたことなかったな。


 ……思ったように自由にキャラ……というか自分自身を動かせることかな。

 他のプレイヤーがスキルを使わないと出来ない動きを自由に出せちゃうところとか?


『そうですね。それもあゆみの大きな強みの一つです。それと並んであゆみだけが持つ特別な才能・能力があります』


 え、そんなのあったっけ?

 聞いてないんですけど。


『それはレベルアップです』


 ?

 レベルアップ?

 『リンク』内のプレイヤーは皆レベルアップするよね?

 私だけじゃなくない?


『はい、もちろんレベルアップします。ですが現実にプレイしている人間がレベルアップするわけではありません』


 まぁそれは確かにそうだけど。

 それって何か違いがあるの?


『大ありです。「リンク」における戦闘の優劣はステータスとスキル、そしてプレイヤースキルに依存します。そしてプレイヤースキルに大きく関わる動体視力、反応速度、といった点においてあゆみはレベルアップの恩恵を受けているのです』


 ……なるほど。

 つまり……どういうこと?


『つまり……分からないということですね』


 うっさい。小難しい話をするミラちゃんが悪い。

 四文字熟語は多用しちゃいけないんだって。

 あとね、理論よりも具体例で教えてくれないと意味は分かってもピンと来ないから!


『あゆみは試合中、他のプレイヤーの動きが遅く感じたことはありませんか?』


 うん。それはある。

 あの上位種のスライムに比べたら全然遅かったもん。


 『実はレベルアップで敏捷値が上がっても、キャラクターの動くスピードは変わらないように設定されています。レベル1でもレベル50でも歩く速度や走る速度は変わらないのです。そして戦闘におけるスピードも変わりません』


 そういうもんなの?

 ゲームとか今までやらなかったからよく分からんけども。


『そういうものです。ただ、それは初期設定の話で、簡易的に5段階で速度を変更することが出来ますし、敏捷値依存の速度設定にすることも出来ます。しかし設定を変えてスピードを上げるまともにエイムが出来なくなります』


 エイム……? って何?


『元々はFPS……3次元シューティングゲームの用語ですが、銃で目標物に狙いを付つけることをエイムと言います。「リンク」内でも狙いをつける意味で使われています。つまりスピードが上がってしまうとそれだけ狙いを付けるのが難しくなってしまうのです。瞬間的に狙いをつける技術がある場合ばスピードが速い方が戦闘は有利になるのでプロゲーマーなどは設定を変更することもあります』


 ふーん。……エイムってそんなに難しいの?

『現実よりもゲームの方が難しいでしょう。例えば「パンチを当てる」という行為一つでも現実であれば単に目標に向かってパンチを放つだけですが、「リンク」内では目標の方に向く、近づく、狙いを定める。パンチを放つ。といった動作をキーボードやコントローラー等で入力し操作しなければなりません。正確にパンチを当てるにも慣れが必要です。最近あゆみが学んだ言葉を使うと「脳の最適化」がされていないと難しいのです』


 なるほどね。私は直感的に出来るからそこは有利だよね。

 まぁ、でも『脳の最適化』がされているプロゲーマーなら速い動きをする人もいるってことでしょ?


『はい、そうです。難しい言葉を使って賢くなった気になっているわけですね』


 ち、ちち、違うわ!


『また敏捷値だけではありません。感覚値もあゆみと他のプレイヤーでは差があります』


 そう言えば、感覚値って何?

 ずっと疑問だったんだけど。


『ゲーム内に限って言えば「器用さ」と言ってもいいかも知れません。命中に補正が付いたり、物事やスキル等の習熟度に影響があります。あゆみの場合はそれに加えて、五感が研ぎ澄まされたり、反射神経、反応速度が良くなったり、運動神経が良くなったりしています。時間がゆっくり流れているような感覚になるのも感覚値の影響です』


 え?

 何……感覚ちゃんありがとう。

 あなたのお陰で私凄い人になってる気がする。


『まさにこの点においてあゆみは圧倒的に他のプレイヤーと差があると言えるでしょう』


 感覚ちゃんのお陰で私は他のプレイヤーの動きが遅く見えたってことね。


『そういうことです。他にも一般のプレイヤーと比べてフレームや通信速度の面でもあゆみの方が有利です』


 あ……、うん。いいや。そういう小難しい話は。


『そう言うと予想していました』


 ちっ、ちょっと、それはそれで何か腹立つな。


 それよりもさ、気になってたんだけどあのイチゴ頭スキンてなんなの?


『あれはイベントでもらえるスキンです。現実でイチゴを購入すると貰えるスキンで期間限定で全ステータスが5%アップします』


 何それ! ズルくない?


『いえ、ズルくはありません。今やっているイチゴ狩りイベントの一つです。こういった現実での消費を促すことも『リンク』の目的の一つですので』


 じゃあ、どうして教えてくれなかったの?

『あゆみがイチゴスキンやイチゴ装備に若干嫌悪しているようでしたので敢えて説明しませんでした』


 まぁ確かに……正直引いたもんな。

 5%なら……私はいいかな。


 他のプレイヤーと違うところかもしれないけど、どうにも自分が実際に身に着けるっていう感覚になっちゃうんだよね。

 そしてデザイン的に自分が身に着けたいとは絶対に思えない。


 ゲームの攻略に行き詰ったりしたら考えようかな。


 あああああ。

 自分で言っといてなんだけど、あの最初に殴ってきたムキムキイチゴ頭スキン野郎を思い出してしまった。


 あぁムカつく。気持ち悪い。変態よ変態!


『ちなみにあのプレイヤーはLv30でしたが、あゆみは見事に圧倒しましたね』

 え? そんなにレベル上だったのあいつ。


『はい。あのプレイヤーだけでなく、殆どのプレイヤーがあゆみよりもレベルは上でした』


 それは知らんかった。


『大体一次予選ですと平均レベルは20~30といったところですね』


 あ、下手したら倍くらいあるじゃん。

 ていうかあいつ参加者の中でも結構強い奴だったんだ。


『Lv15で一時予選を突破したのは快挙と言ってもいいでしょう』


 ふっふっふ。まぁ、称賛ならいつでも受け付けてますよ。


『そこで一つ提案なのですが、一次予選の動画を配信してみませんか?』


 ん? 配信?

★★★読者の皆様へ★★★


 数多あるなろうの小説の中から、この小説を見つけて、更には読んでくださって本当にありがとうございます。


 また、ブックマークや☆評価、ご意見や感想、レビューなんかを頂いてしまいますと、単純な作者はモチベーションが非常に上がります。


 応援していただけますと幸いです。

 次の話も是非呼んでください。

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