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第30話 拳豪トーナメント一次予選②

 アリーナ中央には上の方に8つのモニターが八方に向けて設置されており、モニターには数値が表示されていた。


 93···94······95···


 これが今の参加人数ってことかな?


――バシィ――


 痛っ


 突然後ろからイチゴ頭スキンに殴られた。


 何コイツ!


 いつの間にか視界の中央下部に表示されるようになったHPゲージが一瞬赤くなる。ただゲージは1ミリも減っていない。


 が、痛い。

 私は痛い。


 お前らは痛みなんざ感じないだろうけど、私は痛いんだよっ!


 イチゴ頭が続けて繰り出してくるパンチをかいくぐり、ボディ、アッパー、から【ラッシュ】をぶち込む。


 レイカさんはボディ一発で倒れたけど、ここはゲーム内。いくら叩きこんでも簡単にダウンしないようだ。


 むしろ平気で反撃してくる。


 でも遅い。

 お前レベルいくつだよ。


 そんなんでよくちょっかい出してきたな。

 ミラちゃんの修行を乗り越えた私には、お前の拳は遅すぎる。


 繰り出された拳を躱し、カウンターで頭に蹴りを叩き込み、次いで跳び膝蹴りを顔面に入れ、【足払い】で転がすと顔を踵で踏み潰す。


 痛いか?

 あ、痛いか?

 痛くないよな!


 こっちゃ痛いんだよ!


 起き上がってきたイチゴ頭をサッカーボールを蹴り飛ばすように蹴り上げると後ろに吹っ飛んだので【突進】で追撃し更に吹っ飛ばした。


 ふぅ~。

 ちったぁ、スッキリしたな。


 ムキムキな体のくせに、キラキラしたかわいい瞳のイチゴ頭のスキンとかキモイんだよ!


 変態か!

 おまわりさーん、ここに変態がいます!


――···2······1······開始!――


 スッキリしたところで試合開始のカウントダウンが終わったようで瞬時に視界が切り替わった。


 あ、いかん。

 始まった。


 まだ心の準備が……


 後ろから迫る気配を感じて振り返ると2m程もある巨漢イチゴ頭スキンが【突進】で突っ込んで来ていた。


「うおっと……」

 またイチゴ頭かっ!


 横っ飛びで【突進】の軌道から外れ、そこから切り返す。


「うぅりゃあ!」

 跳び蹴りの【穿脚せんきゃく】で巨漢イチゴ頭を横に弾く。


『122』

 視界の上部に数字が表れる。

 何だこれ?


 吹っ飛んだ巨漢が近くで戦っていた二人のプレイヤーにぶつかる。

『12』『8』『9』『5』

 ぶつかると同時に数字が飛び出てきた。


 視界の上部に見える数字は『156』となっていた。

 あ、あれか。与えたダメージだな。


 吹っ飛ばした場合は、吹っ飛ばした人がダメージを与えたことになるのか。

 なるほどなるほど。


 起き上がってきた巨漢イチゴをそのまま【突進】で撥ね飛ばす。

 ただ今回は思ったよりも吹っ飛ばすことが出来なかった。

 気にせずそのまま【貫手】と【ラッシュ】を叩き込む。

『20』『12』『5』『3』『4』『4』『3』……


 巨漢イチゴ頭は反撃しようとしてきたが、そこに【カウンター】を叩き込む。

 なおも反撃をしてくるので今度はカウンターで【貫手】を叩き込んだ。

『8』『24』


 すると、光の粒子となって巨漢イチゴ頭は消えていった。

 おお、倒したか。


 視界に映る数字は『241』となっていた。


 状況を確認するためにざっと周りを見渡す。

 すると他のプレイヤーの頭の上に数字が表示されていた。


 ああ、これあれだな。

 与えたダメージの量が頭の上に表示されるシステムなんだな。


 最初に絡んできたあのイチゴ頭が見つかればと思ったが無理だった。

 イチゴ頭のプレイヤーが多すぎたからだ。


 何なのイチゴ頭って何か意味あるの?


 ま、いいや。そんなことを気にしてる場合じゃない。


 とりあえず、近くで戦っていた二人のプレイヤーのうち一人に背後から跳び蹴りの【穿脚せんきゃく】を放つ。そのプレイヤーは前にいたプレイヤーにぶつかる。

『75』『9』


 その二人のプレイヤーにそれぞれ【穿脚せんきゃく】を蹴り入れる。

『45』『38』


 一人は光となって消滅したので、もう一人のプレイヤーに再度【穿脚せんきゃく】を放ち、【足払い】で転がし、三度【穿脚せんきゃく】という足技のコンボを放った。

『38』『14』『42』


 残った一人も光となって消える。

 

 やはり【穿脚せんきゃく】は攻撃力が高い。

 でも巨漢イチゴ頭を吹っ飛ばした時ほどじゃなかった。

 ダメージ計算は自分と相手の速度とか、攻撃した場所とかも影響するのかな?


 何となくそんな気がする。

 となると、方針は決まりだね。


 小田先輩のアドバイス通りやってみよう。

 足を止めずに次々と手あたり次第に攻撃だ。


 でも、その戦法を実行している人があまりいない。何でだ?


 とそこへ、横から【突進】してくるまた別のイチゴ頭を【察知】した。


 が、更に別のイチゴ頭がソイツを【足払い】で転がす。転がされたイチゴ頭は案の定ボコられた。


 因みに私はボコってるイチゴ頭に背後から飛び蹴りの【穿脚せんきゃく】をお見舞いし、ついでに転がってるイチゴ頭に踵落としをお見舞いする。

『68』『20』

 そして即移動。この場で二人を相手にチマチマダメージを稼ぐよりは人が多い今のうちに加速して突っ込んで大ダメージを狙った方が効率がいい。


 しかし、イチゴ頭だらけで訳分からん。

 とにかく、イチゴ頭はみんな敵だ。


 え? 元から周りは全員敵だって?

 知ってるよ!


 ミラちゃんからのツッコミがないから自分でツッコミを入れておく。


 でも、【突進】はあんな風に転がされるリスクも高いのか。

 そこは気を付けないとね。


「チェストオオォォォ!」

 

「うりゃああ」


「せいっ」


 イチゴ頭三人の奇襲に成功。

 しかし四人目のイチゴ頭には気付かれて【足払い】をされる。


 甘いわっ!

 己は蜂蜜か!


 そんな想定内の攻撃を躱せぬあゆみちゃんではない!

 

(ば、バカな!)

 って言う声は聞こえてこないけど、きっとそう思っているだろう。


 【足払い】を躱してそのまま飛び蹴りを入れる。

 そしてまたダッシュ。


『807』

 ぬほほ。いい感じで稼げてるじゃないの。


 うわ!

 

 順調かと思ったら、ただならぬ気配を感じた。

 後ろを振り返ると何人ものプレイヤーが追いかけてくる。


 えっ、えっ、ちょっと待って!

 何で私だけ狙われてるの?


 私が当て逃げしたプレイヤーが追いかけてくるのはまだ分かる。でも、他のプレイヤーも追いかけて来るのは何でなん?


 どうしよどうしよ。

 取り敢えず足は止めちゃダメだ。


 逃げながら一瞬中央のモニターが目に入る。

『1位 あゆみ:807Point

 2位 田付拓朗:185Point

 3位 梶原雄太:179Point

 ······』

 

 うわっ、私ぶっちぎりの1位じゃん!

 っていうかコレか!


 このままだと皆予選通過出来ないから私を狙うのか。

 何つうシステムよこれ。

 強い奴ほどハードルが上がるってこと?


 それで頭の上に数字が表示されてるのか。


 追ってくるプレイヤーも馬鹿ではない。

 左右から周り込もうとするプレイヤーもいる。


 取り囲まれるのは時間の問題だ。


 これは腹をくくるしかないな。


 上等じゃん。

 やってやろうじゃないの!

 

 でも、このときの私は知らなかった。

 予選を突破するポイントの平均は大体500Pointだってことを。

★★★読者の皆様へ★★★


 数多あるなろうの小説の中から、この小説を見つけて、更には読んでくださって本当にありがとうございます。


 また、ブックマークや☆評価、ご意見や感想、レビューなんかを頂いてしまいますと、単純な作者はモチベーションが非常に上がります。


 応援していただけますと幸いです。

 次の話も是非呼んでください。

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