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第16話 不可思議な現象

「······花咲さん。花咲さん」

「えっ? あ、はい!」


 あ、爽やかお兄さん?

 そうか私ジムにいたんだった。


 スライムを倒してたもんだからてっきり『リンク』でプレイしてるつもりになっちゃってた。


「何かノッてたのにすいません。凄い集中力ですね。何度か呼びかけたんだけど」

「はぁ、はぁ、いや、こちらこそすいませんでした。はぁ、何か入り込んじゃってたようで、はぁ、はぁ」

「いやいや、いいんですよ。それよりも凄くいいパンチでした。それに体力もあるし。何か格闘技をやってましたか?」


「はぁ、はぁ、いえ、何も」

「そうですか······。あ、そろそろ僕は上がる時間なので一応声かけておこうかなと思って」

「あ、いえ、はぁ、はぁ、わざわざありがとうございま······あれ?」


 何か急に体の力が抜けた。

 だめだ。立ってられない。


「すいません。はぁ、はぁ。何か思ってたよりも頑張りすぎちゃったみたいです。はぁ、はぁ」

 

「大丈夫ですか?」

「しばらく休めば大丈夫です。はぁ、はぁ」

「良ければ医務室で少し横になって休んでいきますか?」

「あ、いやそこまでしなくても大丈夫です。はぁ、はぁ」


 そんな迷惑をかけるのは気が引ける。

 そうだ、【治癒ヒール】。

 さっき私ゲームの中と勘違いして【治癒ヒール】使ってたよね。


「【治癒ヒール】」

 お兄さんに聞かれないようにボソッと言う。


 すると、あっという間に呼吸が整っていき、活力が戻ってきた。


 あ〜、楽になった。


「あ、もう大丈夫です」

 そう言ってすくっと立ち上がる。


「嘘だろ、あれだけ乱れてた呼吸が一瞬で整った······?」


「あ、見ての通りもう大丈夫なのでご心配なく。私も今日はこれで失礼しますね」


 そう言って、そそくさとジムを後にした。



 ねぇ、ミラちゃん!

 何で現実で【治癒ヒール】が使えるのよ!? 


『それは分かりません。あゆみが「リンク」で【治癒ヒール】を使えるようになったことと関係があるのは間違いないと思いますが、それが何故なのか判明していません』


 ええ! ミラちゃんも分からないの?

 ま、理由は別に何でもいいか。

 どうせ私には小難しい理屈とかは理解できないだろうし、使えるって事実が重要だから。


 それよりも、おばあちゃんを説得せねばだな。

 なんて言って説得しよう?



「ん。いいわよ」

「へっ?」


 色々悩んだ挙げ句、ボクシングを始めたいと正直に言ってみたところそんな答えが返ってきた。


「だからいいって言ってるでしょ」

「本当にいいの? お金だってかかるし、バイトも減らさないといけないかもしれないし」

「いいんだよ。高校に行かせてあげられなかったんだから、あゆみのやりたいことの一つくらいやらせてあげたいんだよ」


「お金は?」

「お金を出してあげることは出来ないけど、必要な分を自分で稼ぐくらいはできるでしょ?」

「う、うん。出来る!」


「あと怪我だけは気をつけなさい」

 そう言ってくれたおばあちゃんは、いつもより穏やかな顔をしていた。


「ありがとうおばあちゃん。私頑張るよ」

★★★読者の皆様へ★★★


 数多あるなろうの小説の中から、この小説を見つけて、更には読んでくださって本当にありがとうございます。


 また、ブックマークや☆評価、ご意見や感想、レビューなんかを頂いてしまいますと、単純な作者はモチベーションが非常に上がります。


 応援していただけますと幸いです。

 次の話も是非呼んでください。

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