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第14話 幻聴幻覚

「最初に簡単にパンチの打ち方を教えますね。あ、レイカ。ちょっと今いい?」

「はい、もちろん。あらその子新しく入るのかしら?」

「ああ、今日のところはまだ見学だけど、入会を希望してくれてる。花咲あゆみさん」


 レイカさんは、背が高くてとてもスタイルが良く、そして凄い美人さんだった。

 身体の形がくっきりと分かるピチっとした格好をしていて周りの男性の視線を集めていた。


「女の子が入ってくれたら嬉しいわ。遠藤麗香よ。ヨロシクね」

「はい。花咲あゆみです。宜しくお願いします」


「レイカ、ちょっとパンチのお手本を見せてもらってもいい?」

「ええ、私で良ければ」

「ありがとね。では、花咲さん。まずは拳を軽く握って、体の前で構えて。そう。そこから手打ちで素早く打つのがジャブ。踏み込み、腰の回転、肩の回転、と体全体の運動エネルギーを伝えていって、体重を乗せて打つのがストレート」


 レイカさんがお兄さんの説明に合わせてヒュン、ヒュンとパンチを放つ。


「パンチを当てるときは手首を曲げないようにしてください。曲っていると怪我をしてしまうので注意してくださいね」

「はい、分かりました」

「じゃあ、実際にやってみましょう。今日は上手くやろうとしなくていいから。怪我だけしないように注意してくださいね」

「はい」


「レイカは隣にいてあげて、分からないこととかあったら教えてあげて、僕は今日はリュウジの練習を見ないといけないんだ」

「分かったわ」


 そう言ってお兄さんは別の人のところに行ってしまった。


「すいません、レイカさん。お手数おかけしてしまって」

「いいのよ。私もお陰で総様とお話できたからね」

「そう様?」

「知らない? あの人の名前。大上総一郎。一昔前はかなり有名なボクサーだったのよ」

「始めて知りました」


 それにしても総様って呼ぶってことは······


「レイカさんは、大上さんのファンだったんですか?」

「だったというか、今もそうよ。というかこのジムの女性の大半は総様のファンクラブの会員ね」


 うげ、そうなんだ。

 

「YES 総様。NO タッチ。あゆみちゃん、総様に手を出しちゃダメだからね」

「は、はい」

 元から恋愛対象としては見てないんだけど、それを言ったら怒られそうだからやめておこう。


 それよりパンチだ、パンチ!

 張り切ってストレス発散しよう!


 ノリノリの音楽がほしいところだなぁ。


『曲、かけましょうか?』


 え?

 プレイ中じゃなくてもそんなこと出来るの?


『はい、出来ますよ。何なら映像でスライムとかを出すことも出来ますよ。勿論、ゲーム外なので倒しても経験値は入りませんしアイテムも手に入りませんが』

 ミラちゃん凄いじゃん! 出して出して! その方が断然楽しそう!


『医学的に言うと幻聴と幻覚ですね』

 言わないで、何か悲しくなるからそんな感じで言わないで。


 頭の中にはノリノリな音楽が響き、目の前にはサンドバッグに重なってスライムが空中に浮いていた。



★★★読者の皆様へ★★★


 数多あるなろうの小説の中から、この小説を見つけて、更には読んでくださって本当にありがとうございます。


 また、ブックマークや☆評価、ご意見や感想、レビューなんかを頂いてしまいますと、単純な作者はモチベーションが非常に上がります。


 応援していただけますと幸いです。

 次の話も是非呼んでください。

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