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第13話 あゆみの本音

「それで、花咲さんの『リンク』的な目標は何ですか? それ次第で最適なコースを提案しようかと思うのですが」

「うーん、そうですねぇ······」


 ミラちゃん、なんて答えればいい?


『「武道家系を極めたい」とお答え下さい』


 まぁ、正直に言いますか。仕方ない。


「······可能なら、ぶ、武道家系を極めたいです」

「えっ? ······あ、失礼しました。てっきり「武道家見習い」か、ステータスアップだと思ってたので。目標を高く持つのはいいと思いますよ。······でもそうなると、ボクササイズコースじゃなくてプロ志望コースになりますけどどうしますか?」 


 まあ、そうなるよね。

 でも、いいや。何か大上さんのおかげで変に拘ってたのがスッキリした気がする。


「すいません。ボクササイズを選んだのは女子力的な変な見栄を張っちゃってました。プロ志望コースでお願いします」

『あゆみ、いいのですか? ボクササイズじゃなくて』


 うん。いいよ。

 私に女子力がないのは今更だし、これ以上目標を偽るのは真剣に考えてくれてる大上さんに何か悪いし。


『あゆみは優しくて、かわいい女の子ですよ』

 うん、ありがと。よく分かってる。


 大上さんは嫌な顔もせず、そしてバカにもせず手続きをしてくれた。


 私が素直にプロを目指すと言えなかった本当の理由。それは自信がなかったからだ。

 私の運動神経は決して良くはない。

 壊滅的に悪いわけではないけど、とてもプロを目指せるような器じゃないのは自分でもよく分かってる。

 それに食べるのにも困ってたから背も低いし、筋肉もろくについてない。不登校の期間はろくに運動もしてなかったから体力もない。


 でも、大上さんは笑いもせず、バカにもしなかった。指導のプロなら私の虚弱っぷりくらい見てすぐ分かってただろうに。

 だから、今がどんなに弱くても、どんだけ恥を晒そうとも少しずつ頑張っていこう。今立っている場所と目標の差がどれだけ開いていても大上さんは笑わないだろうから。


「花咲さん、一応未成年の方は保護者の同意が必要なんですけど、これらの書類にサインを貰ってきてもらえますか?」

「はい、分かりました」

 おばあちゃん、同意してくれるかな?


「あと、もし今日時間があるなら好きなだけ見学していってください。ミットとかサンドバッグを叩いてみたかったら遠慮なく言ってくださいね」

「えっ? いいんですか?」

「はい、見学料金はタダにしておきます」


 やった! ラッキー。

 サンドバッグって一度でいいから思いっきり殴ってみたかったんだよね。


「じゃあ、折角なのでサンドバッグ叩いてみてもいいですか?」

「ええ、大丈夫ですよ」


 サンドバッグの前に立つと、不思議とこう、こいつを殴り飛ばしてやりたくなる。


 おい、何ガン飛ばしてんだコラ。

 やっちまうぞ?


 オラオラ、かかって来いよ。

 どうした? ビビッて動けねえのか?


『あゆみ、頭に栄養足りてますか?』


 ほっといて、これノリだから。

 頭イタイ人みたいな感じでツッコまないで!

 


★★★読者の皆様へ★★★


 数多あるなろうの小説の中から、この小説を見つけて、更には読んでくださって本当にありがとうございます。


 また、ブックマークや☆評価、ご意見や感想、レビューなんかを頂いてしまいますと、単純な作者はモチベーションが非常に上がります。


 応援していただけますと幸いです。

 次の話も是非呼んでください。

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