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第11話 日本政府の肝入

 ねぇ、ミラちゃん。

 ゲーム内の転職に現実での条件が必要だったらゲーム辞めちゃう人も多いんじゃない?

 何でこんなふうにしちゃったんだろ?


『あゆみは「リンク」のことを知らないのですか? 今やこのゲームは世界で最も人気のあるゲームなんですよ』


 うーん。そう言われてもここ数年は強制的に情報化社会から取り残されてたからなぁ。


『そう言えばそうでしたね。「リンク」は日本政府が予算を割いて作成したゲームなのです』


 え? 政府?


『そのためゲーム内に課金要素はありません。完全無料でプレイできます』


 へぇ、あれ?

 そうなるとゲームにバイト代を注ぎ込んでいる先輩は何にお金をつかってるの?


『それは人それぞれですが、リアルマネートレードでアイテムを購入しているのかも知れませんし、転職条件を満たすためにお金を使っているのかも知れません。他にも色々考えられます』


 そうか、ゲーム内は無料でも現実でお金を使うこともあるのか。というか私が格闘技を習うのにお金を使うのもその一環になるのか。

 しかし、政府がよくゲームなんか作ったもんだね。むしろもっと貧困対策をしてもらいたいもんだよ。


『「リンク」は最初「日本文化の一つであるゲームの代表作をつくる」というコンセプトの元、予算案が組まれたのですが、これに野党は猛反対しました。血税を使って引き籠もりを増やす手助けをするのかと』


 うん。そうだね。

 難しいことは分からないけど、野党の言い分は私でも分かるよ。


『それで渋々路線を変更し、雇用、少子化、経済の対策案がゲーム盛り込まれることになりました。転職に条件があったり、現実の行動がゲームに影響を及ぼす仕様があるのもそのためです』


 へぇ、少子化対策まであるんだ。

 すごいね。

 でも、ゲームを始める人がいないと政策も何も意味なくない? どうやって人気が出たの?


『はい、宣伝は徹底して行われました。その1つはゲーム内で頻繁に行われる多種多様な大会です』


 大会?


『PVP······つまりプレイヤー対プレイヤーで対戦する大会です。例えば、ある企業がスポンサーになり開催された優勝賞金1億の大会がありました。これはテレビやSNSでも放送されたのですが、この大会で優勝したのは日々の生活に苦しむシングルマザーでした』


 え?

 そういうのってプロゲーマーの独壇場なんじゃないの?


『勿論、プロゲーマーが活躍する大会も沢山あります。しかし、ルールや条件次第で普通のプレイヤーがプロを凌駕することもしばしばあるのが「リンク」なのです。政府が力を入れて宣伝し続けたことによりプレイ人口は爆発的に増えていきました。今や全世界でアクティブなプレイ人口は5億を超えています』

 

 へぇ、何か思ってたより凄いゲームだったんだね。私も大会とか出れるかな?


『もちろん出れますよ。ただ、そこで勝つためには強くならないと』


 はいはい、分かってますよ。

 格闘技ね。

 ちゃんと習いますって。

★★★読者の皆様へ★★★


 数多あるなろうの小説の中から、この小説を見つけて、更には読んでくださって本当にありがとうございます。


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