君が居るなら何処でも良い
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
一緒に来てくれただけで、最大級のデレだと思うんですよ(ノ*°▽°)ノ
「ちゃんとご飯食べてる? 帰って布団で寝てる?」
「食べてない? じゃあ私の栄養機能食品を分けてあげましょう」
「また家に帰れてないの? やっぱり誕生日次の誕生日は寝袋にしましょうか」
これが恋人である彼女の口癖だった。なおこの台詞、俺に対してではなく、腐れ縁の友人に対してよく言う台詞である。かつ付け加えるならば、相手は彼女にとっての異性、つまり男性に当たるという事だろう。
久方振りに休みが取れたとの事で会うことになった。休みが取れたのならば日がな一日眠っていれば良いものを、じっとしているのが落ち着かないらしい。物好きの考える事は分からない。
彼は出された料理に手を付けながら、訝しむ顔で此方を見てくる。
「何故、君達が付き合ってるのか分からん」
「好きあっているからだが?」
なんならこの間も共に出掛けた。共に過ごすのならば家でも良いだろうに、彼女は俺の手を取って、ふらりと街に繰り出した。訪れたのは、真っ赤な大地。彼岸花が咲き誇る庭だった。
彼女はその大地を哀愁漂う顔で見詰め続けた。ただ、それだけ。本当にそれだけ。そうして旅の終わりに俺の顔を見て、問い掛ける。
「どうだった?」
「ただ赤い。それ以外には何も」
そう思った事を述べたら、ころころと笑って黙って擦り寄って来たのを思い出す。そうして一頻り笑った後、的を得た言葉を一つ。
「別に写真でも良いだろうに。って思って居そうだなと」
その通り。わざわざこの場所に来て、共に見ることに、何か意味があるのかと考えても何も浮かばない。今までの事象を分析するに、人間の心理なのだと思う。同じ景色を共有したいと思うのは。俺には理解出来ないが。
「貴方の嘘を吐かないところをとても気に入っているわ。それはそれとして、この景色を一緒に見てくれて有難う。それだけで楽しかった」
「......君が居るならば、何処でも良い。あと腐れ縁の友人が居なければ文句はない」
思った事を述べただけ。率直に、かつ簡潔に。ただそれだけの事なのに、彼女はまた、ころころと笑って俺を抱き締める。背中を撫でて頬を擦り寄せる。
「可愛い人。とっても可愛い人」
そんな回想を浮かべて前を見る。ころころと笑う彼女はそこにはなく、ただぶすくれた顔の友人がいた。
「信じられない。好きあっているなんて、何かの冗談じゃないか?」
「冗談は時間の無駄だろう?」
イカれていないでしょう? の二人を想像してます。
無駄嫌いだから、嫌いな人とは話さないし、会うこともしないだろうなと。
そんな人がわざわざ会って、何時間も一緒に居れるのは、最大級のデレだと思うんです。
全然デレてない!! なんてことは無く、それだけで十二分なデレです。
素直クールだなぁと思います。
そうして良き理解者だなぁと思います。