表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君が居るなら何処でも良い

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

一緒に来てくれただけで、最大級のデレだと思うんですよ(ノ*°▽°)ノ


「ちゃんとご飯食べてる? 帰って布団で寝てる?」

「食べてない? じゃあ私の栄養機能食品を分けてあげましょう」

「また家に帰れてないの? やっぱり誕生日次の誕生日は寝袋にしましょうか」

これが恋人である彼女の口癖だった。なおこの台詞、俺に対してではなく、腐れ縁の友人に対してよく言う台詞である。かつ付け加えるならば、相手は彼女にとっての異性、つまり男性に当たるという事だろう。


久方振りに休みが取れたとの事で会うことになった。休みが取れたのならば日がな一日眠っていれば良いものを、じっとしているのが落ち着かないらしい。物好きの考える事は分からない。

彼は出された料理に手を付けながら、訝しむ顔で此方を見てくる。

「何故、君達が付き合ってるのか分からん」

「好きあっているからだが?」

なんならこの間も共に出掛けた。共に過ごすのならば家でも良いだろうに、彼女は俺の手を取って、ふらりと街に繰り出した。訪れたのは、真っ赤な大地。彼岸花が咲き誇る庭だった。

彼女はその大地を哀愁漂う顔で見詰め続けた。ただ、それだけ。本当にそれだけ。そうして旅の終わりに俺の顔を見て、問い掛ける。

「どうだった?」

「ただ赤い。それ以外には何も」

そう思った事を述べたら、ころころと笑って黙って擦り寄って来たのを思い出す。そうして一頻り笑った後、的を得た言葉を一つ。

「別に写真でも良いだろうに。って思って居そうだなと」

その通り。わざわざこの場所に来て、共に見ることに、何か意味があるのかと考えても何も浮かばない。今までの事象を分析するに、人間の心理なのだと思う。同じ景色を共有したいと思うのは。俺には理解出来ないが。

「貴方の嘘を吐かないところをとても気に入っているわ。それはそれとして、この景色を一緒に見てくれて有難う。それだけで楽しかった」

「......君が居るならば、何処でも良い。あと腐れ縁の友人が居なければ文句はない」

思った事を述べただけ。率直に、かつ簡潔に。ただそれだけの事なのに、彼女はまた、ころころと笑って俺を抱き締める。背中を撫でて頬を擦り寄せる。

「可愛い人。とっても可愛い人」

そんな回想を浮かべて前を見る。ころころと笑う彼女はそこにはなく、ただぶすくれた顔の友人がいた。

「信じられない。好きあっているなんて、何かの冗談じゃないか?」

「冗談は時間の無駄だろう?」

イカれていないでしょう? の二人を想像してます。


無駄嫌いだから、嫌いな人とは話さないし、会うこともしないだろうなと。

そんな人がわざわざ会って、何時間も一緒に居れるのは、最大級のデレだと思うんです。


全然デレてない!! なんてことは無く、それだけで十二分なデレです。


素直クールだなぁと思います。

そうして良き理解者だなぁと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ