【漫才】オレオレ詐欺
第4回【GETUP!GETLIVE!漫才・コント大賞】応募作品です。
―応募条件―
・オリジナル作品
・1000文字以上2000文字以下の完結した漫才、コントのネタ作品
・応募期間内に新規投稿された作品
・未公表作品(他の企画に投稿済みの作品は応募できません)
・複数応募可能
二人「はい、どうも~」
ツッコミ「最近っていうか結構前からだけど、オレオレ詐欺って知ってるでしょ?」
ボケ「あ~、あるね」
ツッコミ「俺、ほんと許せないわけよ。ああいう犯罪」
ボケ「その俺っていうのは、どなたのことでしょうか?」
ツッコミ「俺だよ! なにその質問」
ボケ「俺って言われても……あっ、鈴木!? お前鈴木か!?」
ツッコミ「誰だよ! 俺のことだっつーの! なに言ってんの? お前さっきから」
ボケ「あぁ、君のことか。いや、俺っていうからオレオレ詐欺かと思った」
ツッコミ「面と向かって喋ってんのにオレオレ詐欺っておかしいだろ。なんで俺と鈴木ってやつと間違えてんの? お前。コンビ組んで何年も経ってんだぞ。間違えるか? 普通」
ボケ「いやぁ、だって鈴木もそれと同じ服持ってるから」
ツッコミ「服で判断すんな! どこ見て人認識してんだよお前! もういいわ。それでさ、俺許せないわけ、オレオレ詐欺」
ボケ「あれは僕も許せないね。ここは僕達がオレオレ詐欺の撃退法を実演するってのはどう?」
ツッコミ「おっ! いいねぇ! たまにはいいこと言うじゃん! じゃあ俺が電話かけるかけ子の役やるわ。トゥルルルル、トゥルルルル(電話の音)」
ボケ「これで少しでもね、被害者の方が少なくなれば僕達としても嬉しいよねぇ」
ツッコミ「トゥルルルル、トゥルルルル」
ボケ「みなさん今日この漫才を見て是非ね、おじいちゃん、おばあちゃん――」
ツッコミ「もうやってんだって! 早く電話取れっつの!」
ボケ「電話を取らないっていうのもひとつの撃退法ですから」
ツッコミ「なるほどね。いやそんなんいいから電話出たあとの撃退法やってくれよ」
ボケ「はいはい」
ツッコミ「トゥルルルル、トゥルルルル」
ボケ「ガチャ。はい~こちら110番。警察です」
ツッコミ「なんでだよ! 110番するかけ子がどこにいんだ。自首したいのか俺は」
ボケ「これもひとつの撃退法ですから。第一声目に警察ですって言うことも」
ツッコミ「毎回電話出るたびにこちら警察ですって言うの? 無理だろ。そうじゃなくって普通に出てくれよ」
ボケ「はいはい」
ツッコミ「トゥルルルル、トゥルルルル」
ボケ「ガチャ。Hello?」
ツッコミ「……なんで外国人だよ! 日本人やれ!」
ボケ「外国の方だってこれ見てるかもしれないじゃん」
ツッコミ「そうだけど英語できないんだから日本語でやってくれよ」
ボケ「はいはい、もう」
ツッコミ「トゥル――」
ボケ「ガチャ。はい~もしもし?」
ツッコミ「取るのはえーな! まあいいわ。もしもし、母ちゃん? オレオレ」
ボケ「えっ!? 一郎!? あんた一郎なの!?」
ツッコミ「あぁ、そうだよ。一郎だよ」
ボケ「一郎! あんた……よく……よく生きて帰ってこれたわね……!」
ツッコミ「どこ行ってたんだよ俺は! 戦争にでも駆り出されてたんか」
ボケ「母ちゃん、嬉しいよ!」
ツッコミ「そんな重い設定いらねぇから普通の親子やってくれ」
ボケ「はいはい」
ツッコミ「母ちゃん。俺、ちょっと仕事でミスしちゃってさ。会社に1,000万払えって言われちゃって」
ボケ「なんですってぇ!? あんた今なんて言ったの!?」
ツッコミ「いや、会社に1,000万払えって言われちゃったんだよ」
ボケ「違う! その前!」
ツッコミ「えっ? 仕事でミスしちゃって?」
ボケ「あんた仕事してたの!?」
ツッコミ「そこで驚くな! もっと別に驚くところあったろ! なんで仕事してるだけでそんなに驚いてんの?」
ボケ「引きこもりだった一郎がこんなに立派になって……!」
ツッコミ「どこがだよ。仕事でミスして親に泣きついてくる奴が立派か?」
ボケ「母ちゃん、嬉しいよ!」
ツッコミ「そこで喜ぶなっつの! 母ちゃん! 会社に1,000万払えって言われちゃってさ、なんとかならないかな?」
ボケ「わかったよ。ちょうど1,000万貯金があるからこれで……」
ツッコミ「ありがとう母ちゃん!」
ボケ「宝くじ当てるよ!」
ツッコミ「買うなって! なに無駄に金減らそうとしてんの」
ボケ「1,000万も買えば絶対当たるって!」
ツッコミ「当たんないから! 絶対当たらないから母ちゃんやめて」
ボケ「じゃあ競馬! 競馬で当てる!」
ツッコミ「だからギャンブルすんなって! なんで金減らそうとするわけ? そのまま俺に渡してくれりゃいいんだって」
ボケ「渡すっていってもねぇ。あんたも知ってるとおり、ほら、母ちゃんあれだから」
ツッコミ「えっ? あ、あぁ……そうね」
ボケ「太陽の光浴びると灰になるから」
ツッコミ「鬼じゃねぇか! 鬼か吸血鬼か……なんなんだお前は。人間やれ! 人間!」
ボケ「わかったよ。じゃあ代わりに息子の一郎を行かせるから。お~い! 一郎~!」
ツッコミ「一郎、家にいたのかよ! いい加減にしろ!」
二人「どうも、ありがとうございました~」