第5話希少種だー!
「何だよ、これ、お、お、俺…の顔だ」
自分の生首を前に俺は固まっていた。
………………………………………(少し、時間を遡る)
「取りあえずこの通知を見るに人類はみんな魔物に転生してるってことでいいのか?だとしたらそこら辺に俺みたいな姿になったやつがいるはずなんだけど………っているわけないか。」
回りを見渡しても魔物の影は視界に映らずそれどころか視界に何か動くものが映ることはなかった。
「それもそうだよなこんな朝早い時間に外を出歩いている人なんていないもんなー」
俺の住んでいる町は人口が少なく特にこれといった建物があるわけではないので平凡な住宅街で町のほとんどが形成されている。
「まーそんな過疎った町だから俺の安月給でも余裕をもって部屋を借りていられたんだけどな…取り敢えずこの町の人はこの日も出ていない時間じゃ起きている人の方がかなりの少数派なはずだからまだみんな寝ててこの事態に気付いていないのか……ん?それともこれはただの夢か?」
俺の頭の中では様々なことがぐるぐると出てきていたが
「よし!考えるのは終了!これ以上考えていても何も思い浮かばないしな。さて、これからどうするか、やっぱりもう一度駅まで戻って確認しておくべきだよな、自分がどうなったのか、を。」
……………………そして時は戻る
「オエッ、」
この魔物の体になったおかげか嘔吐はしなかったが不思議と吐き気はこみ上げてくる。
「くそっ、やっぱりあったか俺の死体。あの時は別の人の生首に気が動転して気づかず逃げてしまったが…」
そうして俺と最初に目のあったあの人の死体の方を振り返る。
「は?」
思わず間抜けな声が俺の口から洩れる。それもそのはず俺の目にはアレが映ったからだ。
アレは誰もが知っているようなベーシックなフォルムをし緑色の体をして生首に乗っていたからだ。
アレは俺の視線に気づくと一瞬のためらいの後、一目散に逃げだしていった。
「あっ、くそ、逃げられた。あーもう!さっきまであんなシリアスな感じだったのに、あいつのせいですごいこの世界にわくわくしてきちゃってるじゃんかよ!くっそーあのスライムめ」
俺がそうしてスライムを取り逃がした直後あの機械的な声が響いた。
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ワールドクエスト発動から三十分が経過しました。
魔物のリスポーンが開始されます。
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その音と共に俺の背後で一瞬何かが光った。俺がハッと振り返るとそこにはわかる人には分かるだろうあのレアモンスターに似たやつがいた。
そいつは銀色で金属がドロドロに溶けたような姿をしたやつだった。
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