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【脚本】不思議の国の愛離棄  作者: 春霞紫桜
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森の木エンド

【ルート分岐】

・白ウサギは、……ここにはいないよ

・森の木、見つかる


 明かりつく

 アリス、森の木と目が合う

 視線が交わる

 

アリス「私、夢を観るのが怖いの。だって、中を見るまで何が入っているのか、わからないじゃない」

森の木「そうだね」

アリス「だから、眠るのが怖いの」

森の木「そうかい」

アリス「でも、夢は楽しいわ。いろんなところへ、私を連れて行ってくれる」

森の木「そうかい」

アリス「帽子を脱いだ帽子屋は、どうなるのでしょうね」

森の木「ハートの女王にキラキラ蝙蝠を歌いに行くよ。今度は、きっと楽しくなるからね」

アリス「……そうね、フフフ」


 アリス、笑う


アリス「夢の中では、進めないわ」

森の木「気付いたら、戻れないから」

アリス「帽子を脱いだら、お茶会は終わるわ」

森の木「飽きてしまったら、楽しさを見失うから」

アリス「夢で逢えたら、よかった」

森の木「夢で逢えたから、よかった」

アリス「夢でなかったから、よかった」

森の木「夢であったなら、よかった」

アリス「時計は、進むものよ」

森の木「電池が切れたら、止まるものだよ」

アリス「電池が切れたら、また来るわ」

森の木「針が進むまで、終わらないよ」

アリス「針は進むわ」

森の木「針はどこかでまた止まるよ」

アリス「そしたら、また会いにくるわ」

森の木「狂ったお茶会は、アリスを離さないよ」

アリス「みんなを招待しましょう。ハートの女王も、チャシャ猫も、帽子屋も、みんな」

森の木「アリスはきっと、狂ってしまうよ」

アリス「狂ったのなら、帽子を脱ぐわ」

森の木「時計はまた進んでしまうよ」

アリス「止まるまで、針を進めるわ」

森の木「電池を変えたら、また進んでしまうよ」

アリス「どこかで止まるまで、針を進めるわ」

森の木「また、狂ったお茶会が開かれるよ」

アリス「その度に、みんなを誘ってお茶を飲むわ」

森の木「夢は醒めるよ」

アリス「醒めるから、またお茶会に行くわ」

森の木「時計は、進んだよ」

アリス「針は、止まらないわ」

森の木「夢の中では、進めないよ」

アリス「気付けたから、進めるのよ」


 アリス、森の木へ背を向ける

 取り出した刃物を放り投げる


森の木「本当に夢であったのなら、よかったのに」


アリス「さようなら、私の白ウサギ」




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