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世界が終わったと思ったのに気がつくと神になってた話  作者: Kurais
第1章 : 世界の冒険編
9/19

第9話 : そして彼女は立ち上がる

第9話です


このまま順調に書き進められればいいな

これからも世界神話をよろしくお願いします!


それでは本編をどうぞ!

あれから10分ほど歩いた所だろうか

俺たちはフォーブルの仲間がいる病院に到着していた


「俺が先に行って説明してくるからシンジはここで少し待っててくれ」


要は初対面のようなものなのだ当然といえば当然だな、そう思い頷きフォーブルとキーリスが病室に入って行った


「なあミリア、もしも、もしもだが、病院の人間でもどうにもならない傷を俺がどうにか出来るとしたら…どうするべきだと思う…?」


俺はふと、そう尋ねる


「それは…私にはわかりません…それを決めるのはシンジであり、あの方々でもあるのですから…」


そうだよな…

俺が思いついた事はクリエイトの能力で身体を作り変える、という方法だ…だが、そんな事をすれば、きっとあの2人とは2度と会う事もできなくなり、ミリアとも仲間でいることはできなくなるだろう…



そのまま、ただ静かに待っている時間が続き、少し経った頃


ガラッ


「シンジ、入って大丈夫だそうだ」


そう言われ、すれ違いざま誰にも聞こえないフォーブルだけに聞こえる音量でありがとうと言って病室に入る

その瞬間、俺は衝撃を受ける


そこに居たのは女の子だった、青い髪に、翠色の瞳、ミリアより少し背丈は大きいか、右足には魔法のかかった布を巻いている


「はじめまして…霧真 神師です、こっちの子はミリア…」


「はじめまして、私はリース=シャリアントと言います、シンジさん、ミリアちゃん、貴方達のおかげで私やフォーブル、キーリスは助かりました、本当にありがとうございました」


リースは影のかかった笑顔を見せてお礼を言う

その笑顔を見た俺は胸を抉られたように苦しくなった


「すみません…俺はリースさんが怪我を負う前に駆けつける事が出来なかった…助けたなんて言われたがリースさんの怪我は冒険者を続ける事が出来ないと言われたんだろ…?そんなの助けられたとは言えないだろ…」


「シンジが悪い訳じゃない!タンク役の俺がシードウルフを止められずにリースに怪我をさせたんだ…だから…!」


俺の発言に対してフォーブルは俺に責任は無いと主張する…


俺は…この子を助けたい…

どうする…力を使うか?クリエイトならきっと直す(・・)事ができる…

そんな事を思っていると


「2人とも、私の負傷は私のミス、貴方たちに非がある事は認めません、だから…もうやめてください」


そう言われて俺とフォーブルは互いに黙り込む

そして俺は病院に来る前に買っておいたフルーツ(?)を渡して部屋を出る



部屋の前の椅子に座りながら俺はミリアの言葉を思い出す

…決めるのは俺…か

そんな時だった、リースの担当医らしい人物が部屋に入ろうとするべくノックをしようとしていた


「あの!」


咄嗟に声を掛けると医師の手はとまりこちらを向く


「君は…?私に何かようかな?」


「あの…リースさんの、足の傷は本当に治らないのでしょうか…?」


そういうと医師は何か察したのか、あぁ…と言って


「あの子が負った傷はこの病院では治せない、あれを治せるのは神官クラスの回復魔法師の協力が必要なんだ、この病院では回復魔法は上級が限界だからね」


そこまで聞いた所で俺は思い出す

あるじゃないか…!回復魔法、それも頭のおかしいやつが!


「なあ先生、あんた、回復属性の極魔法系統って分かるか」


「極魔法系統…?えーっとなんだったか、神器でのみ扱う事を許された世界最古で最強の魔法…じゃなかったか?でもあれはおとぎ話の中の魔法でしょう」


なるほど、そうだったのかでも、これではっきりとした…あの子は、リースは助ける事が出来る…!


「おい、もしも、その極魔法系統の技を俺が使えるとしたら、どうだ」


その台詞を聞いた医師は一瞬目を丸くして驚き、次の瞬間には


「ふっ…ははははははっ!!君が極魔法系統ってどんな冗談だい、いいよ、やってごらんなさい面白そうだ」


そう言って医師はリースの病室の扉をノックして開ける


「リースさん、このバカげた事を言い放つ面白い冒険者の治療を受けてみないかい?」


医師はまだ少し笑いながらリースに問いかける

フォーブルは状況が分からず混乱していた


「リースさん、俺の持っている回復魔法であなたの傷を治せるかもしれないんだ、だが、それをするかどうか決めるのはあなただ」


俺がそう言うと、リースは目に涙を浮かべて言った


「…はい…お願いします…!」


「よしっ、じゃあ盛大に始めて貰おうか!面白い冒険者!」


俺はカバンの中にあるブリューナルドをそのままカバンにかくして魔法鉱に戻してから


『クリエイト、神杖ケリュケイン』


そうして出来た杖をカバンから取り出す

フォーブルは俺が杖を持っている事に驚き、医師はほほぅとか言いながら眺めている、キーリスは相変わらず俺を観察するように見ていた


「じゃあ、リースさん、はじめますね」


そう言ってから魔法の詠唱を始める


『我は神なる杖を繰りし者なり、今こそ其が理をここに、神たる癒しはこの手に集いて光とならん、今彼の者を癒したまえ、ヒーリアル・エグゾキュート!』


魔法が発動した瞬間に杖から放たれた光の粒子がリースを包み込む、そして数秒リースの周りを舞ったと思うとその光は消えた


「ふむ、リースさん、ちょっと布を外させて貰うよ?」


そういって医師は布に対して何か呪文を唱えてから布を外した

そしてそこには…傷は無かった、成功だ…!


「へぇ、凄いねぇ、その魔法本当に極魔法系統の魔法なのかい?まさか実在するとは、いいものを見せてもらったよ!リースさん、君はもう退院だ、その調子だとリハビリも必要ない回復能力だろう」


そう言って医師は部屋を出ていった


「な、え…?極魔法系統…?どういう事なんだシンジ?」


状況が未だに掴めていないフォーブルが俺に詰め寄る


「どういう事と言われてもな、俺はあの医師にリースの傷は本当に治らないのか聞いたら、なんかかなり上位の回復魔法なら治せるみたいな事を言ってて、そういえば俺は回復属性の極魔法系統ってのが使えたなって思ったからそれを…」


「極魔法系統って、あれだろ…?おとぎ話とかによく出てくる神器でのみ扱う事を許された最強の魔法の…それを、シンジは使えるって言うのか…⁉︎ 」


使えるのかと問われたので、おう!と返してやるとフォーブルは真っ白になって倒れた

ミリアはというとため息をつきながら「またとんでもない事を…」と言って頭をかかえていた


「あ、あの…シンジさん、いえ、シンジ様!私の足を治してくれて、本当にありがとうございます!」


とリースが俺の手を掴みながらお礼をいってきた

いや、お礼はいいんだけど、シンジ様ってのは恥ずかしいな…


「あ、あぁ、傷が治ってよかったよ、これでリースも冒険者としてまたやっていけるな!」


そういうと、リースは首を横に振って


「いいえ…私は、ギルド専属冒険者をやめてシンジ様の専属冒険者になりますっ!」


え…?えぇぇぇぇぇっ⁉︎

俺の専属ってなんだよ⁉︎


「いやいや、リースさんにはフォーブルとキーリスが居るでしょう?一緒に冒険者をしてきた仲間なんだろう?」


そう言ってやるやいなや


「フォーブルさん、キーリスさん、いままでお世話になりました!私、これからシンジ様に付いて行きますので本日付でパーティを抜けさせていただきます!」


すごく丁寧なのにすごく酷いパーティの抜け方を見てしまった…

しかもフォーブルに関してはまだ白くなって倒れたままだ、あれ聞こえてないんじゃないか…?


「という事で、シンジ様!今日からよろしくお願いしますね!」


そう言いながら目を輝かせて俺に詰め寄ってくる


「いや、しかしだな、て、おっさんも何とか言ってくれよ!」


「俺か…?俺は…何も言えんな…」


弱っ!弱すぎだろ!あれか…リースには逆らえないってやつか…⁉︎

くっ…フォーブルは生き返らないし…!


「わ、分かった!じゃあこうしよう!今日のところは解散!で、明日また集まって話合おう、な?」


「…わかりました、では明日パーティに入れてくださいね!」


揺らがないなぁ…

しかし緊急措置だ、明日に先延ばしになっただけだが、これで考える時間はできるだろう


「それじゃあ、今日はこれで、じゃあな!」


そう言って俺はミリアを連れて足早に病院を後にするのだった



それからしばらく街の中を歩きながらミリアと話していた


「なあ、ミリアはなんで俺に付いてきてくれたんだ?」


「えっ…そ、それはシンジが世間知らずで、ほっとけないと…思った…からで…」


何故か少しずつ声が小さくなっていくミリア、若干顔が赤い気もする、俺はミリアの額に手を当てて熱を確認する


「なっ⁉︎ なっ⁉︎ なぁっ⁉︎」


ミリアはスッと後ろに下がった


「お、おい、動くなって熱が確認できないだろう?」


「熱なんてありません!大丈夫ですから!」


うーん、どうも様子がおかしいんだがなぁ

そんな事を考えながらまた街の散策を続ける


行商通り入って少しした頃、ミリアが突然止まった

ん?どうしたんだ?そう思い、ミリアの視線の先を追っていくと、あれは…ヘアピン…?

ヘアピンにしては少し大振りな髪飾りがそこにはあった

凄く見ている、欲しいんだろうな…

そんな事を思いながらミリアを見ていると俺の視線に気がついたミリアが焦ってこっちに来た


「す、すみません、なんでも無いです」


「なあ、ミリアあそこの串焼き美味そうじゃないか?ちょっと買ってきてくれよ」


そう言って銀貨を5枚程渡す


「えっ?えぇ分かりました」


そう言ってミリアは走っていく

残り銀貨15枚か…


俺は先ほどミリアが見ていた髪飾りの売っている店に行き店主に髪飾りの値段を聞く


「なあ、兄さん、この髪飾りはいくらなんだ?」


「そいつは銀貨で22枚ですね」


くっ22枚だと…!もともと持ってたのを合わせても足りないじゃないか!


「なあ…なんとかマケてくれよ、な?」


「いやー、こいつは俺の商品の中でもなかなか手に入らない一品ですからねぇ、マケるのはちょっと無理かなぁ」


くっ!どうする、鉄塊を使えば金くらいなら作れそうだがそれは犯罪臭がするしなあ…やめておこう…


「お兄さん、もし足りないんならアイテムを売ってくれるならマケてあげるよ?」


そうか!その手があったな、ここは異世界なんだきっと適当なものでも売れるはず…なわけはないか…

そんな時思いついたのがシードウルフから取れた魔物の核だった


「なあ、これは売れるか…?」


そう言ってシードウルフの核を2つ出す


「こ、これは!魔物の核じゃないですか!一体これをどこで?」


「いや、普通に俺が倒したやつから取れたんだが」


「なるほど…そいつを1ついただければこの髪飾り1つ無料で差し上げますよ!」


なんだと…⁉︎ 無料、そんな価値がこの核にはあるのか…⁉︎


「念のために聞いておくが、なんでこれ1つで無料にまでしてくれるんだ…?」


「お兄さん…知らないんですか?魔物の核っていうのは要は宝石と一緒でアクセサリーにしたりする高級品なんですよ?」


宝石…なるほどなそれでか、まあ俺は宝石なんぞには興味がない

そう思い1つ渡して髪飾りを貰った


「色々とありがとな、また寄らせてもらうよ」


そう言って店を離れ、ミリアを待つ

それからほどなくしてミリアは串焼きを持って帰って来た


「シンジ、買ってきましたよ、これは余ったお金です」


ミリアは串焼きと銀貨2枚を渡してくる


「それじゃあ、こいつは交換だ」


そう言って髪飾りの入った紙袋を渡してやる

ミリアは、えっ?と言いながら受け取り中を確認する

その瞬間、目を丸くし動揺する


「えっ…これ、なんで…?」


「それ、欲しかったんだろ?ほら、村でお世話になったりいつも飯作って貰ってるからさ、そのお礼だよ」


言い終わってから串焼きの肉を頬張る

うん!美味い!今度ミリアにも肉系の料理を作って貰うかな


「あの…ありがとう…ございます、大切にしますね」


その時のミリアは今までで1番いい笑顔だった

ご愛読ありがとうございます

今回は3人目の怪我を負った仲間が女の子でその子に償いたいと思っていたら治す手段が判明、治したらリースに言い寄られるという状況に…

シンジの判断はどうなるのか、またミリアはこれからどうするのか?

次回もよろしくお願いしますね

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