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世界が終わったと思ったのに気がつくと神になってた話  作者: Kurais
第1章 : 世界の冒険編
6/19

第6話 : そして戦いの火蓋は切って落とされる

第6話の公開です

俺たち2人が森を歩いていると人影が2人ほどこちらに近づいてくるのが目に入った


「ん…?あれは、さっきオオカミ野郎に襲われてたパーティの2人か?」


さきほど戦ったシードウルフに襲われていた3人組のうち怪我をしていなかった2人だ


「おーい!あんた、さっきのシードウルフはどうしたんだ…?」


2人のうちの剣と盾を持ったいかにもナイトって感じのやつが話しかけてきた


「あぁ、オオカミ野郎なら倒してこの通りだ」


そう言って戦利品である魔物の核2つが入っている袋を見せる


「シードウルフ2体を倒したってのか…⁉︎たった2人のパーティで⁉︎」


ミリアの詮索は避けたい…ここは俺一人に注意が向くように…


「いや、正確には俺1人でだ」


「おいおい…そりゃ悪い冗談だぜ、シードウルフはC級魔物種なんだぞ?1人で倒すなんてそんな馬鹿げた話があってたまるかよ」


ナイト君と一緒に来ていたガタイの良い弓を持ったおっさんが俺の言葉を聞き呆れた顔でそう言う


「まあ、俺は色々と特別なんでな…あれくらいなら余裕だ」


そう言い放った瞬間おっさんの目つきが変わった


「お前さん、スキル持ちだな…なんだS級スキルでも持ってるのか?だがその程度で特別だってのは言い過ぎじゃねぇか?」


「なんなら試してみるか?」


そう言った時『何を言ってるんですか⁉︎』とミリアが小声で俺に言う

ちょっと挑発気味に言い過ぎたか…まあ、流石に対人で戦うなんて事はないだろ


…が、俺の甘い考えは一瞬で打ち砕かれる


「良いじゃねぇか、俺と一騎討ちで勝負するとしようや」


おっさんはそのガタイの良さには似合わず素早く弓を構える


おいおい…嘘だろ…なんでそんなやる気満々なんだよ…


「いや、挑発的に言った事は俺が悪かったが、ここで戦う気は無い、弓を収めてくれないか」


ここは素直に謝って弓を収めて貰い話を進めたい


「おぉ?なんだ、特別だなんだと言っておいてビビって逃げちまうのか?情けねぇなぁ…どうせそこの嬢ちゃんがスキル持ちでお前さんは大したことないんだろ」


そう言いながら大笑いしている


…ブチッ

コイツ、言わせておけば好き勝手言いやがって


「上等だ、受けて立とうじゃないかその決闘!」


俺は形状を剣のままにしていたブリューナルドを取り出して言う


「ちょっと!何をしようとしてるんですかシンジ⁉︎」


ミリアが流石に焦り俺を止めに入る、がもう遅い俺もおっさんも臨戦態勢に入ってしまっている


「先手はおっさんにくれてやるよ、どっからでもかかって来い!」


俺が勢いよくそう言い放つと


「良いぜ!後悔すんなよビビり小僧!」


コイツ…!事もあろうに俺を小僧だと!絶対泣かせてやる…!


そして、戦闘が開始される

おっさんは弓を構え素早い動きで3発連続で放ってくる、しかし矢の速度はあまり早くはない

むしろシードウルフの方が早かったのではなかろうか


「はっ!その程度の弓で俺に当てられるとでも思ってるのか?」


俺はそう言って弓の軌道から逸れておっさんに向かい走る…しかし、走り出す直前に俺は足を止める



ーーーーピキッッ!



これは…!危機回避(クライシスアポフィギ)…⁉︎

そして俺は自然と何かを察して後ろに飛び退く


「へぇ…お前さん、気が付いたのか」


なんだ…俺は矢の軌道から外れておっさんに向かおうとした筈だ…なのに…

なんで目の前から矢が飛んでくるんだ…⁉︎

そう危機回避(クライシスアポフィギ)は、シンジが避けた筈の矢が目の前に飛んで来ている事を察知したのだ


「おいおい…どういう冗談だこれは、避けた筈の矢が明らかに軌道が違う位置に飛んで来ているんだが…?それどころか俺の事を追い続けて来てるじゃねえか」


明らかにおかしい矢の動き、俺は飛んで来た矢をブリューナルドで斬りはらいながらおっさんを睨みつける


「はっはっはっ!スキル持ちがお前さんの専売特許じゃない事を教えてやる!」


そう言って再びおっさんは矢を5本放つ

矢はそれぞれバラバラに飛んで行き四方から俺に襲いかかる


これは…ヤバい…!


『敵の攻撃を感知、肉体への損傷の恐れあり、オートエスケープモードへ移行します』


やっぱり…このままだとまずい…!俺の予想が正しければこのオートエスケープモードとやらは俺の肉体に危機が及ぶと自動で発動し、俺に危害を加えようとした相手を殺してしまう…!


「おい…!おっさん!今すぐにここから…俺から逃げろ!死んじまうぞ!」


俺は必死の叫びでおっさんに忠告する、しかしおっさんは逃げる素振りを見せない


「なんだ?俺に負けるのが怖くて命乞いか?」


そう言いながら笑っている


クソッ…!


『敵性存在の殲滅行動に移行します』


そして、俺の身体は5本全ての矢を回避しながら斬り落とす

その瞬間、おっさんは何かを悟ったように目の色を変える


『エンチャントブレード、ルミナスエレメント、起動…続いて、魔法詠唱モード、起動』


ヤバい…これはシードウルフをやった時の技を使う気だ…!

クソッ!動け!動けよ!

俺の意思に反して動く身体をなんとか止めようとするが、身体は全く思い通りに動かない


『我乞うは光の裂葬、今我を護りて敵を討ち亡ぼす刃とならん、光刃となりて切り裂け、ルミナスラインカット』


魔法の詠唱が終わり自身の周りに光の刃が飛び交う

このままだと…本当におっさんを殺してしまう…!

そこで俺はミリアと出会った村での出来事を思い出す

俺のスキルが村中に広まって村人に追い回されて俺が危険だと判断したから俺のスキルは村人を回避するようになった…なら、逆に俺が対象は危険では無いと判断し、スキルに認識させる事ができれば………!


「おっさん!死にたくなかったら今すぐに弓を収めてくれっ!」


そう言うとおっさんは素直に弓を収めて両手を上げる


これで…!


俺はおっさんが敵対対象ではない、味方であると念じ続ける……


『敵対存在の消失を確認、オートエスケープモードを解除しますーーーー』


おわっ……た…


その後、俺は倒れて意識を失った。




それから10分後…


「ん…俺は…」


目が覚めた俺はミリアに膝枕されていた


「シンジ!目が覚めたんですか⁉︎ 全く、無茶しすぎです…」


ミリアが怒っている、さてどう回避したものか…


「目が覚めたか、お前さん大丈夫か?」


そこにはおっさんとナイト君が座っていた


「あぁ…大丈夫だ、どうやら俺はあんたを殺さずにすんだんだな…」


俺は起き上がりおっさんを見て安堵の声を吐き出す


「お前さん、あの力はなんなんだ…?急に目つきが変わったと思ったら俺に向かって逃げろだの、弓を収めろだの」


おっさんは訝しげに俺を見て聞いてくる


話すべきなのだろうか…まあ、一度戦闘という形で対峙しているんだ、話しても大丈夫だろう。


そして俺はギルド登録証を取り出して


「俺は、SSランクスキル、危機回避(クライシスアポフィギ)を持ってるんだ」


そう言いながらギルド登録証を見せる


「なっ…SSランク…⁉︎ なんだそりゃあ始めて聞いたぞ」


やはりこの2人もSSランクのスキルに関しては知らないのか…


「まあ、ランクの話は今は良いんだ…俺のスキル能力の1つに自身の身に危険が及びそうになるとオートエスケープモードっていう俺の意思とは別で身体を動かしてしまうものがある…」


「自分の意思とは関係なく…身体を動かす…?なんだそりゃあ」


おっさんが腕を組んで話を聞いている


「このオートエスケープモードに入ったら俺は自身の身体を自由には動かせない、そして、敵対対象と認識した相手を間違いなく…殺す…」


俺は静かに自分で制御できずに相手を殺してしまう事を話す


「だが、俺は死んでないぞ?お前さんが止めたんじゃないのか?」


「いや、止めた訳じゃない、おっさんが弓を収め、俺がおっさんを敵じゃないと思い続けた結果スキルにおっさんは敵対対象ではないと認識させた、そうする事でなんとか止まったって事だ」


正直、次にまたこの能力が発動して相手を殺しそうになった時にもう一度止められるか俺には分からない…このオートエスケープモードは危険すぎるんだ…


「とにかくおっさん、俺の言う事を聞いて弓を収めてくれてありがとう…」


俺は謝罪とお礼を込めて頭を下げる

おっさんは「お、おぅ…」と言いながら頭を掻いている


そこまで話をしたところでナイト君が興味深い事を口走る


「それにしても、SSランクのスキル、危機回避(クライシスアポフィギ)、まるでこの世界に古くから伝わる神話に出てくる能力ですね」


なに…?この世界の神話だと?


「おい、ナイト君その話詳しく聞かせてくれ」


俺は食い気味にナイト君に迫る


「そ、それは良いのですが、まず自己紹介をしても良いですか?ナイト君…というのはちょっと…」


そういえば俺はこの2人の名前すら知らない

横でミリアが「今更なんですか…?」と呆れながら呟いていた


「俺はフォーブル=ランベイルだ、C級ギルド登録冒険者だ」


そう言ってギルド登録証を見せてくる


NAME : フォーブル=ランベイル

Male

Skill : 防御強化(シールドブースター) : Rank.B

Weapon : 片手剣、シールド


なんというか…ナイトだよな…



「俺はキーリス=バルドムだ、俺もC級ギルド登録冒険者だ」


そう言ってキーリスもギルド登録証を出す


NAME : キーリス=バルドム

Male

Skill : 必中弓術(アルテミス) : Rank.S

Weapon : 弓


は…?このおっさんSランクスキルかよ!

必中弓術(アルテミス)って、避けても絶対に当たる矢の正体はこれか…


「あー、一応さっきギルド登録証を見せたけど、俺は霧真 神師だ」


そう言ってもう一度登録証を出す

そしてミリアが自己紹介しようとするのだが


「あ…私はミリ…」


そこまで言った所で俺は静止して


「この子は俺と旅をしてるミリアだ、この通り武器も持っていないただの同行者だ」


と俺が虚偽の説明をする、幸いにもミリアはこの2人の前で一度も魔法書を出していないので分からない筈だ


「「よろしく」」


フォーブルとキーリスが2人そろって挨拶する

そんな中ミリアはただ1人なんで⁉︎とあうあう言いながら慌てていた

ご愛読いただきありがとうございます


今回はオオカミとの戦いで助けた3人の中の2人と出会うのですがひょんな事から決闘に

やはりシンジは強いのだけど未だに未知数な危機回避、そんな中フォーブルの知っている神話の能力いったいどうなるのか…


次の話の投稿日は未定ですがそんなに期間開かずに上げられるかもしれません

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