殺人鬼は廃屋に住む
更新しました。この一週間、忙しかったです。
第三区の東地区には、殺人鬼が潜んでいる。
それはラングルスにおいて、周知の事実であった。誰もがその名を畏怖を以て、そして畏敬を以て呼ぶ。殺人こそ悦楽、快楽として奴だと全員が呼ぶのだ。
皆は彼こそ人の奥底に眠る欲の形の一つだとし、彼によって生まれる犠牲はこの町の意に反しない物と断じている。云わば、その殺人鬼にとって此所は餌の豊富な縄張りも同然。
「刺客の町」と恐れられる第三区で、依頼人を持たず、我欲のみで行動するという稀有な存在。己を悪と称して憚らず、理性ではなく本能で動く。
東地区の廃屋――旧市街地の中では、一際目立つ佇まい。どれも半壊した荒涼たる景色の中でも洗練された白い塀に囲われ、古色蒼然とした屋敷。人の管理下から外れている筈の物件は、今なおこの廃れた町の中でも昔の姿を維持している。
そこに住み着いた者が、拠点を求めていた殺人鬼。
顔を白く、眼窩をなぞるように黒く、そして頬まで裂けた口端から唇までを赤く塗り、鼻には黒の球体を着けた奇怪な人相。清潔感がある光沢の出た紫色の服を着ている姿は、成る程たしかにこの屋敷には相応しい服装だった。手にも黒の革手袋を付けて、無造作に灰色の髪を掻き上げる。
居間に設置された長い机を、黒の仮面をした複数の人影が取り囲んでいる。机には触れず、壁際に整然と列ぶ。やはりその中でも異彩を放つ灰色の髪をした男は、卓上に腰掛けて全員を見回す。滑稽な姿でありながら、その身が起こした数々の悪行を知って、周囲を恐怖で支配している。
「お前達を呼んだのは他でもない。“パーティー”の時間だ。しかも今回の敵は、国家転覆の容疑で終われているお嬢さんと……正義の味方」
男が「正義の味方」と称する相手。黒の仮面たちが動揺に男を見詰めた。今まで誰も阻むことの出来なかった男は、最も危険かつ最も己を楽しませてくれる相手をそう称呼する。その言動から、配下である黒の仮面は、今回の彼の興奮を察知した。
男からすれば、配下を作って統率するのも遊戯である。飽きてしまえば、早々に捨て去る。だが興味を持ったのは、より大きな混乱をもたらすには、多勢が必要であると。より荒々しく凄惨な狂乱の舞台を作るには、それなりの準備と人手が要る。仲間だと呼びつつも、その価値をそこにしか見出だせない。仲間からも恐怖され尊敬もされていない、そして誰にも許されない行為をしているのは重々承知していた。自分に付いて来ているのは、そうでしか生きて行けないどうしようもない連中。
それでも止まりはしない。実質的な味方が居なくとも、自分の欲の形を在りのままに世に表出させる事こそ己の本願である。
「今回の仕事場は第二区のサーカス。そこで開演しよう。お題は『穢れる白雪姫』……どうだろう」
黒の仮面が一斉に首を縦に振った。ここでは男に異論を唱えれば、即座に残酷な末路が待ち構えているという事は暗黙の了解とされ、逆に男が敢えて、反論する勇敢な人物がいるかを楽しんでいるとも知っていた。
少しだけ残念そうに眉を寄せた男が両の掌を打ち合わせる。乾いた音が響くと、全員が居間を離れて動き出す。男は実行する当日の直前になって、その計画の詳細を明かす。従って、これ以上この場に居るのは時間の無駄であると共に、男と出来る限り同室したくないという恐怖心があるからだ。
颯爽と退室する者達の後ろで、愉快に笑う男の声だけが屋敷の中にこだまする。
× × ×
ムスビは現在、ジンが拠点としている家屋に匿ってもらっている。指名手配をされている身として、容易に民衆に顔を晒すのは危険だというジンの計らいである。
彼の厚情に甘えてみたが、この場所をユウタは知らない。刺客に殺されてしまったか――否、それはない。如何に手練れであろうとも、ユウタは無理をする質ではない。敵わないならば逃走も厭わず、自身の命を優先できる。何より、彼が安易に敵に仕留められるような者ではない。
問題なのは、その後である。ユウタは山岳地に住む小人族を訪ねに行った。この町からの距離は、地図を見て計測してみたが、小人族との問答を含めて、恐らく二日は掛かる。仮にこれがアレオによる偽の情報だとするなら、更に時間を要することとなるだろう。
ユウタもまた、何処かで自分が指名手配犯とされている事実を知ったかもしれない。そうなると、今後の町への出入が辛くなる。
番兵が自分達を町に入れた時に、その場で捕縛しなかったのは何故か。理由を考えたが、ムスビの思考では二つの可能性しか見当が付かなかった。一つは町を檻として追い詰める為、二つは自分達では手に負えないという恐怖からの黙秘による己の身の安全を保証する為。前者ならば、いよいよ敵は三つに分かれる。
第三区の殺し屋、民衆、そしてアレオ。
ジンは小さな組織を率いているというが、それだけでは処し難い。この場を凌ぐには、やはり早々に町を立ち去るのが得策だという事は瞭然としていた。それでも、一度中に入ってしまえば脱出は困難。何か外部へ通ずる抜け道があればと考えなかったわけでもない――だが、そんな都合の良い道が何処にあるだろう。
ムスビの下に二人の男が訪れた。
ジンが紹介したいという人物らしく、彼を信じて面会を許可したが、正直かつての友人が集団を統率するにまで成長した事実に感慨を覚えながら、やはり自分にとってはこれからの敵――即ちアレオ、そして当面の<印>に対抗する為だけの武力として見なす冷然とした達観があった。
ムスビの居る家屋の中でも、広い一室。集会場と思しきそれは、円形の段差が中心の窪地を取り囲む様相となっている。ここは組織の趨勢を決める為によく使用されるらしく、此所を指定してきたジンは、やはり組織に慣れてムスビの考えを改めさせるという底意があった。
ムスビはそれを看破しながらも、敢えて彼の口上に乗って、彼らの動きを見る事にした。味方ではあるが、仲間ではない。この町に於いて信頼できるのは、今は恐らく山へと出ていったユウタを覗いて己のみ。
「お待たせ」
少し緊張に上擦った声で集会場の扉を開きながら入ったジンの背後で、二つの人影が控えている。どちらも顔を隠した長衣を羽織っている。一人はかなりの長身――入室する際もやや体を屈めて入る長六尺の体躯と緑の総髪で、背には短い刺又を携えている。もう一方は腰に輪状に纏めた鎖の両端に錐状体の突起のある鉄球を提げ、背を丸めた小柄な中年の男で、ムスビよりも低く時折口元で唾を泡立てる水音が聞こえる。
「えーと、背の高い奴がウェイン、小柄なのがマギト」
「あんた、説明雑すぎるでしょ。と言うか、クチャクチャうるさいけど、何か噛んでるの?」
「マギトは少し病気の所為で、まぁ……肉を噛んでないと落ち着かないんだ」
「ふーん」
マギトと呼ばれる男の咀嚼音に顔を顰めながら、ムスビは腰にある得物に釘付けだった。今まで見た敵の大抵が刀剣による殺傷を目的とした武器が多かった故にこういった投擲武器は珍しい。魔法よりも鈍重で、操作も困難であろうそれを、敢えて選択しているところを見ると、かなりの腕の立つ人物なのだろう。よく見れば、薄紅の口紅を塗っているため、口許だけが艶やかで、唾液が垂れているのを誤魔化しているようだった。
一方、背の高い――ウェインという男は先が鋭利に尖った刺叉で、ロブディで見た勇者セラの武器に似ている。右の顔に大きな裂傷の痕があり、頭皮の辺りが少し削げていた。
ウェインが跪いて、恭しく頭を下げると、数瞬の間を置いてかはそれを見倣ってマギトもぎこちなく一礼する。恐らく、大半の知性も欠落してしまっているのか、その瞳は獣の如く獲物かそれとも群の仲間かを見定めるように鋭い。
ムスビは自若として二人の前に踏み出ると、胸を張った。
「少しの間だけど、これからよろしく。まあ、<印>を打倒する為の協力関係としては続くと思うけど」
「長から聞いております。これから、我々の命は貴女の所有物。この身は貴女の盾として、矛としてお仕えします、姫様」
姫様か――そう呼ばれるのはいつ頃か。ムスビは嘆息をついて、脳裏に浮上した漆黒の鳥族の面影を想起した。初対面の人間に対し忠誠心を誓う彼等の態度を改めさせたい。部下にまでムスビに恭順するよう教え込んだ事は、逆にムスビを逃すまいと組織の統制力をまざまざと見せられている気がして、素直に感動も出来ないのだ。
ジンが横に並び立つと、感想が欲しいのか、少し期待に目を輝かせて直視してくる。ムスビは掌を見るが如く判りやすいジンの心情に呆れて適当に答えた。
「正直あんたの組織って、どれだけの力を持ってるの?」
「俺達は【獅子】。幾つかの町で何個か支部があるけど、本部は俺の居る此所だ」
「なら、規模は相当ね」
「まだまだだよ。だけど、地方で有名な達人とか傭兵を引き込んで、着々と増大中だ」
「一体どんな手で懐柔してんのよ」
「懐柔って……」
その言葉に苦笑して、ジンは少し落胆した。彼女からの称賛が一切無く、悉く冷たく返される。久しく出会った幼馴染の態度、成長は予想以上だった。幼い頃から将来の美貌を期待させる娘であったが、この五年間の内に苦しい生活に身を置きながらも、逞しく成長している。凛々しい振舞いと本人の性根の優しさが相まって、不思議な魅力を生み出しているのだ。
「そういえば、儀式って……」
「出来るよ。ヤミビト、そいつに会わせてくれ」
「うーん……」
ヤミビトもといユウタに対しては、厳しく精査するつもりのようで、ジンの剣幕に気圧されてムスビも譲歩してしまった。だが、当の本人は情報の真偽を問わず確かめに山へ向かっている。途中で追手と交戦しているだろう。
ヤミビトと――主従契約。
ムスビの知識として、魔術師とは氣術師と対を為す存在である。そしてまた、その中でもヤミビトとは獣人族と氣術師の禍根の発端で、神のみに従う神威の遣い。
しかし、違った。ムスビの予想とは大いに異なっていた
魔術師――即ち魔術を使う者。
ジン曰く、魔術は世界の変革、改変などに必要な力であること。人、自然を問わず対象に変化を与えてしまう。故に強大な力である。その対抗手段が氣術。
神の子息である三人は、神の分身と同意義。神が世界に対し干渉する力こそ『魔術』なのだ。云わば、一人の神としても不遜ではない。
主神ケルトテウスは、三人の神族を産み出して以来、衰弱しているという。それから、神を代行する者が魔術師である。ヤミビトは代々、魔術師の殺害以来は内密に魔術師に仕えていた。魔術師が不在である代は、ケルトテウスへ忠義を尽くすのが流儀。
「つまり、あたしが神……で良いのね?」
「女神だね」
「きも」
ジンに対して短く嫌悪を示した。ユウタのような皮肉や誹謗などが、この少年には全く無い。ムスビとしては、ユウタの方が好ましく思えた。
儀式に必要な手順が明らかとなった今、魔術を手にすれば如何なる障害も、ムスビの前には無力。だが……
「ねぇ、儀式に必要な内の一つ……神樹の樹液なんて、入手不可能じゃない?」
儀式を成立させる為の材料の一つ、神樹の樹液は、今では入手可能な代物ではない。常人では拝謁する事も出来ず、元より安易に手に入らないのだ。実際に神樹も<印>によって燃えてしまった。当事者であるユウタが言うのならば、不動の事実。
さらに、ヤミビトとの契約を交わすとなれば、それはユウタの主となる事。彼の意思に反してしまう。
ジンは微笑して、ムスビの肩に手を載せた。
「こちらで既に用意している。心配は要らないよ。後は君がヤミビトを従えれば、<印>を潰せるだろう」
「は、神樹の樹液って採取できるの?」
「あの根本には神の子が葬られてる。その程度の損害で、神樹は消滅しないだろう。でも、<印>はそう思ってないようだけど」
この話を聞けば、ユウタはすぐに道を引き返すだろう。故郷へ向けて、旅を中断してでも。ムスビにも理解できていたが、彼は<印>に対する敵意よりも、ハナエの治療を優先的に見ている。ユウタを動かす感情は、以前ならば自身の手で傷付けてしまった罪悪感による強迫観念。実質、現在の彼もそれに近い。ハナエの治療中、ユウタもまたムスビの監視を抜けて、何度も脱走を図ってまで会いに行こうとした。
だが、ムスビには疑念がある。そんな状態ならば、ハナエをあのままに旅を続けるなど不可能だ。ハナエへの心配ではなく、これ以上進めば身近な人間を無差別に殺してしまうという恐怖。或いは自殺行為にまで及ぶ。
今回、再びロブディを二人で旅立った際のユウタの顔には、もっと別の感情がある。危惧と恐怖、それからムスビには読み取れない感情が混在していた。
それが、ムスビが恐れていた事態を招く感情ならば、このまま口を閉じてしまいたい。だが、仲間である以上は、協力を惜しまず行動せねばならないのだ。
「神樹の樹液って、どれくらいある?」
「?儀式に適当な量……ではあるけど」
「ヤミビトが欲している」
「何故、神樹のものを?」
「幼馴染の治療薬に必要なんだって言ってたわ」
「ああ……八咫烏から聞いたよ。確かに可能かもしれないけど……常人が摂取したらどうなるか」
「神樹の村の長の娘でも?」
ジンの顔が曇った。
「ヤミビトには悪いが、それよりも<印>殲滅こそ最優先事項だろう」
直接的に明かさないが、恐らくジンにとってハナエの存在は詮無いもの。ユウタが聞けば激昂していたかもしれないが、ムスビはまだ膝を付いて頭を下げる二人組を斜視する。
「「樹液」は、再入手が可能?」
「ああ」
ムスビは再び集会場の段差に腰掛けると、足元の床を睨んだ。「樹液」の用途は後で合流した際、ジンを交えてユウタと相談すれば良い。相談すれば良い。ならば、当面の敵はアレオだ。
「じゃあ、ジン。あたしを狙う奴の撃退に協力してくれる?」
「構わないよ。ムスビを狙うなら、どんな輩だろうと粛清対象だ」
× × ×
林間から、ユウタの目前を歩んで来る者。その影が異様に小さい事に一驚した。しかし、ユウタの聴覚が地面を踏み締める相手の足音から重量を量り、更なる混乱を胸の内に催す。
外貌を裏切る――否、外見以上の軽量。足音で体重、体格、体捌きを読み取るユウタにも判らない。
著しく前へと突き出た鼻梁に、その矮躯に似合わぬ彫刻のような筋肉からは、凄まじい膂力を予想させるほどの迫力を感じた。事実、その体で肩にユウタの背丈ほどの得物を肩に担いで踏み出す足には、全く持ち運びに難儀している様子はない。
「ミシル、行ける?」
「勿論です、師匠。ちなみに師匠……これは試験ですか?」
「は?」
「ここで小人族を屠れば、本格的な修行を授けてくれると」
「いや、目的思い出して?」
たが、小人族から発せられる気迫が、森林の中に吹く風の運んだ空気を緊張させている。会話の余地すら無いと思わせられた。
戦鎚を持つ小人族が、身を低く屈めて前に出た。
低い!ユウタの腰ほどの高さになった頭が、突進を敢行する。
ユウタの戦闘経験は、自分よりも小さな相手との勝負が一度も無かった。敵の懐に潜り込む為に、先の先を取る為に、いつも己から前へと、それも地を這う蛇の如し前傾姿勢で、剣を相手の急所へと迷い無く振るっていたのだ。
小人族に対して、ユウタの戦術は通じない。
刺客の業としての技量が封じられたいま、ユウタにとって眼前の小さな標的は――狩の獲物だった。森の中では弓で、時に槍の投擲、或いは罠、そして短刀で仕留めてきた獣と同視できる。
背後でミシルが槍を弾く音がした。彼女は問題なく二人目の敵に対しても反応できている。背後に頓着せずに前方だけに集中し、ユウタは前に駆け出す。
「森から、出て行きやがれ!」
担いでいた鎚を振り上げると、小人族の男は上半身を脇へと煽りながら、勢いをつけて振りかぶった。その動作のみで空気が唸りを上げる。ユウタは仕込みの届く間合いに入った瞬間、杖の柄に手を伸ばす。
「待ちな」
老人の声が響く。
ユウタは咄嗟に背後へと飛び退った。自分の危機察知能力が叫び、体の支配権を敵意から剥奪する。
武器を振り上げた小人族は、逆に得物の重量に翻弄されるように、手放す事も止める事も不可能な動作に入っていた。一瞬とはいえ、引き下がったユウタをまだ攻撃圏に捉えている。相手の行動に何ら疑問を懐かずに攻撃を実行した。
「!?あっ?」
途端、小人族の足元から編み状の荒縄が地面を突き破って出現する。その両端が左右の木々の樹上から伸びている事に気付いた。土と共に網によって掬い上げられた小人族は、そのまま中空へと勢い止まずに放り出された。戦鎚は網に搦め取られ後方へと独り飛ぶと、地面の上に背をつけて倒れる。全身を強打して呻いた小人族は、その屈強な肉体に守られたことで幸い怪我無く、直ぐ様立ち上がろうとしたが、喉元にいつの間にか短刀の刃先が突きつけられていた。
「待ちな、オイはそう言ったぞ」
小人族の背後から、老人が呼び掛ける。
ユウタは一度背後に振り返ると、ミシルの相手が木に縄で足首から吊るされている状態を見咎めた。
「あ、あの……カーゼさん、これいつ仕掛けたんですか?」
「アンタが来る前だ。大方、あの抜け穴から此所を辿ってくると思うてな」
取り押さえた小人族から目を離さず老人――カーゼが素っ気なく言った。その声音には半ば落胆の色が含まれていることを悟って、ユウタは苦笑する。恐らく、ユウタを同時に嵌めるつもりでいたのだろう。
カーゼが小人族の耳元に顔を寄せた。
「さあ、お前達の親玉の所まで案内しろ。身の安全は保証する、少し訊きたい事があるだけだ」
罠に掛けられた事による忸怩たる思いと憤怒に身を震わせていた小人族が、カーゼの声に体を竦ませた。いや、その場にいるユウタやミシルまでもが硬直する。
吊るされた仲間を一度盗み見て、小人族はその険相を更に歪ませて重々しく頷いた。
今回読んで頂き、本当に有り難うございます。最近はユウタが些かチートである気がしますが、カーゼには及びません。次回から本格的な小人族の話です。
次回もよろしくお願い致します。




