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森出身で世間知らずな少年の世界革命  作者: スタミナ0
五章:優太と道行きの麋──中
247/302

先送りになる安らぎ

『優太と道行きの麋――中』最終話です。


どうぞ。



 災厄過ぎ去りし蒼空は、万民に平穏を取り戻させた。

 赤い曇天の齎す禍が如何なる物かを想像し、怯懦で屋根の下を出る事も忌避する世界では、何事も無く終えたかに思える。

 しかし、災禍は確かに天下のある地に顕現し、存在する総てに不幸を与えた。目に見えずとも遅効性の毒が如く、世界全土へと波及する。

 神代から積み上げられた歴史、その数千年を背負って神に戦いを挑んだ矛剴の総本山たる秘境の里は、惨憺たる戦傷に消滅した。

 現存する矛剴の血縁者は、僅か十二名。

 当主の血族たる闇人の優太。

 矛剴鱗瞳家の末裔である慎。

 母は当主の血統のカリーナ。

 矛剴殻咲家で跡取りの響花。

 矛剴躬錠(みじょう)家の当主とする卓。

 矛剴範頭(はんとう)家の生き残りの(ゼーダ)

 残る六名は、分家の子供達。

 一連の事件は九曜の内に同盟軍本部へと報告され、大陸全土を混乱に陥れた拓真の事情を詳細に知るべく、遺体を伴っての矛剴優太へ帰還命令が下った。

 死闘の末に精度、練度が共に高度な技量に達した優太の氣術ならば、他者の記憶を繙くという荒唐無稽な作業が能わぬ事も無い。

 秘密裏に西国を脱していたシェイナは後の説教を確約され、今は無事生還する事のみを優先事項とし、それを黙認していた近衛達もまた覚悟の上での火乃聿へ参上せよとの命令。

 シェイナ達が出立した後に三日と経たず、ゼーダには解放軍の敵情視察の間者としての次なる任務が課せられている。否応を云わさぬ文面に呆れる素振りも見せず、彼は粛然と承けた。


 矛剴の子供達に関する処遇も考えるため、響花と子供達は先にシェイナ達と共に矛剴の里を発つ事となった。

 蓄積した体の負荷から復調するまで、優太や【鵺】の面々、透は闇人の家で静養する方針で滞在を選んだ。もはや里は跡形も無く、残ったのは再生中の骸取り草原。

 拓真のもたらした大破壊など、爆風によって種子が運ばれ、矛剴や解放軍の骸を媒体として規模をより拡大した姿は、生に対する執念か、或いは貪欲に奪い去る強欲の涯か。

 優太はそれらを見ながら、里を発つ皆を見送りに赴いていた。

 松葉杖を突いた状態では、響花も些か憂慮してしまうが、父や兄を喪失した後も優太は虚飾の無い微笑で子供達に別れを告げる。

 存外子供に好かれたのは慎であり、その足下には遊び相手を要請する声が殺到した。先日まではゼーダが処理していた難題が委任された事で、彼も安堵していた。


 響花は伝えるか迷っていた。

 優太が意識を失っている間、この地に暁が訪れていた事。伝えたとして、彼に何があるかは判らないが、口にするのも禁じられているかの様な抵抗感を持つ。

 葛藤に煩悶てしている響花を訝りはすれど、氣術で内心を覗くのも失礼と思って、優太は首を傾げて思案顔になるだけである。

 出発までの猶予で、響花は来訪者全員の内情を聞き及んでいた。闇人を暗殺する為に赴き、失敗と共に服従を誓った眞菜と東西吾。奴隷として売買されたナタスとルリ。

 これからも外界を知る為に、闇人に同行する方針のサミ。

 幼馴染と将来を誓い、これからも神族と戦う所存の優太。

 響花としては、彼に惹かれていた面もあったが、煌人からの思慕や婚約者の花衣が二年間も健気に待つ姿に引き下がる事を決断した。

 何よりも、優太の相貌に、まだ自分の知らないモノを決意し目的と定めた感情が宿っている。その隣に立つには、自分では適わないと諦念する他になかった。


「優太、確り栄養を摂ってね」

「うん、わかった」

「牢獄かもしれないけれど、首都で待ってる」

「…………ああ」


 優太は皆が去って行く後ろ姿が林間に消えると、直ぐに踵を返した。神域を守護する任だった毒草が繁茂する景観を見回して、里の緩やかな坂を上っていく。

 もう道と呼べる道は無いに等しい惨状ではあるが、優太は瓦礫を氣術で移動させながら進んだ。以前ならば紛糾していた重量の瓦礫も、僅かに意識を向けるだけで反応する。

 急激な成長の実感を、手の感触が如く捉む為に里の掃除を片手間で始めた。


 体内は氣術の補助も利かず、歩行の困難な状態である。

 拓真との戦闘中に発動し、高度に練り上げた『身体能力の強化』を発動した際、普段から経験した事の無い負荷に晒され、我知らぬ内に予想以上の損害を受けていた。

 故に松葉杖を手放せぬ体となり、回復にもあと数日を要する計算だった。


 長嘆の息を吐きながら、懐中より手紙を取り出す。

 宛先は自分、綴られた筆跡から辿るに認めたのは花衣に相違ない。カリーナへの報告が済んだ後、直ぐに郵送された物だった。

 優太用に拵えた長手甲が同封されており、早くも装着している。師の教育もあり、右腕を外気に晒す事に落ち着かぬ性分だった。

 夜分は凍てつく寒空で陽の熱は心地好く、優太は空を仰いで相好を崩す。

 滞在からずっと見る事のなかった故郷の蒼天。

 そして、その足先が向かっているのは、来訪より一度たりとて訪れなかった場所。いつかと先延ばしにして、多くの時間をかけてしまった。


 崩れた屋敷の裏庭へと回り込む。

 焼け落ちた破風や柱に潰された上がり框の隙間から、鼻を鳴らした鼠の数匹が躍り出る。僅か数日で廃墟となってしまった有り様に、優太でさえも哀感を抱いた。

 もうじき、新年の幕が開ける。

 回復すれば、それすら待たず、名残を惜しむ事もせずに里から出発する。


 優太は裏庭に建つ碑石の一つの前に正座した。

 表面に彫られた文字の羅列を構成するのは、過去を生きた矛剴達。確認し得る範囲で透が死者を弔うべく、新たに建てた別の碑石にも名がある。

 優太の前に建つのは、代々当主を務めた者とその伴侶を慰霊する物。この中には、名を残さずに死んだ闇人も居る。

 仮に暁の改革が為されなければ、自分もその一部となっていた。


 屋敷の裏庭に面する林より、ゼーダが姿を現す。義手を破壊されて隻腕の彼は、五体満足とは雖も、負傷したものは快癒した。

 帰還より先んじて拓真と接触し、結果として戦いを挑んで返り討ちに終えたが、気紛れかゼーダの死を偽装した技に欺かれてか、拓真は止めを刺す凶行にまでは至らなかった。


 幾度も修羅場に見舞われながらも、逆境を乗り越えて生き存らえた二人は、互いの安全を喜んだ――これで漸く約束が守れると。

 優太は終端に並ぶ三名の名に視線を注ぐ。


「随分と遅くなってしまったね」

「里の壊滅前に参りたかったが」

「僕の落ち度だ」

「いや、仕方無い。無事であっただけ、我々としては重畳」


 ゼーダは碑石を磨き始める。

 灰や埃に塗れた表面を撫でると、内側から表面が陽光に濡れた。彼の腰帯には幾つも薄く汚れた手拭いがあり、恐らく石碑たちを洗っていた物である。

 一族に疎まれ、他人に口外できる美しい記憶では無かったとしても、ゼーダにとって自身を忌諱した故郷に、無情ではいられない。

 丹念に拭く手元に怨恨は宿らず、慈しみを以て磨いていた。刻まれた名前が、より明瞭に判るように字の中に溜まった塵も払い落とす。


 優太はそれを黙々と見詰めた。

 ゼーダが懐くそれは、神樹の里で自分が迫害されても、それでも思い出を宝物として胸に秘める自分の心情と重なる。

 残らずに火の中へ消えても、胸懐にはまだ皆の声が飛び交う懐かしい光景が生きていた。

 何処へ行こうとも、故郷を去った夜の数だけ想った。


「どうした、優太」

「何を報告したら良いか、わからなくて」

「……たとえ馴染みが無くとも、我々の故郷だ。ただ単純な一言で始めても良いんじゃないか?」


 ゼーダの一言を聞くや否や、石碑に向き直る。

 漸う考えてみれば、矛剴の里へ来てから、二人が全く口にしていない言葉があった。


 優太は瞑目し、両の掌を面前で打ち合わせた。


「ただいま、母さん」





  ×       ×       ×




 赭馗深林より外界は騒然となっていた。


 雪の降る火乃聿の天守閣で、書斎に籠ったカリーナは頭痛を覚えたように額に手を当て、険相で机を睨む。

 雪景色を楽しむ城下の声を遠くに聞きながら、その眉間に刻まれた皺は深くなる。茶を淹れて書斎に参ったジーデスは、自身が気紛れで休憩時間に善意で此所を訪ねた事を後悔した。

 触らぬ神に祟り無し、今のカリーナに触れる以上で禍を被る事は無いのだ。降雪によって底冷えした空気よりも凍てついた眼差しに捉えられたが最期、助けとなる拠り処も無し。

 しかし、随身としては、彼女を悩ます難題を共有せざるを得ない。

 机上に盆を置いて、湯飲みを差し出す。


「ん、ジーデスか。入室前に一声いれろ」

「すみません」

「全く、扉の前から耳障りな声がしたから、彼方に遣った間者の報告かと……」

「聞こえてましたよね!?」


 理不尽に糾したジーデスだったが、平生の事と観念して書斎の中に立ち尽くした。

 カリーナに訊く事は無い。

 案件について認識共有が必要ならば、彼女から自ずと話し始める。相手に不必要な仕事は倚籍する事は無い……忙殺された初期を除いては。

 長らく風呂にも入っていないのか、その顔は垢と隈が目立つ。

 汚れた面貌で机に突っ伏して、カリーナは大きな息を吐いた。


「今回は私の完敗だ」

「どういう事でしょうか」

「予見できた筈の手だったが、仁那の脱走と拓真という存在に気を惹かれていた」

「……トライゾン、ですか」


 カリーナはゆっくりと矯めて頷いた。


 大陸に残存する敵性勢力『解放軍』を統率するトライゾンの計略により、矛剴殲滅の一報が中央のみならず南大陸にまで及んだ。

 二年前より勃発した争闘のすべてを裏で操作していた黒幕と報じられ、悉くを詳らかにした情報が伝播させられた。

 それは当然ながら戦争の脅威より逃れ、怯え続けた一般人にも伝わる。


 各地からは称賛と歓喜が湧き上がった。

 その立役者として、『解放軍』の名が情報に織り込まれていた事で、世界はトライゾンを英雄と崇敬した。


 トライゾンは大陸同盟軍に忍ばせた間者より入手した極秘事項さえも暴露し、その中で自身が半世紀以上も昔に中央大陸を統率していた皇族の末裔だと開示。

 新たな時代を導く者として、現存するカリーナ勢力よりも彼等を推薦する声が大きくなった。

 元より、秘密裏に事を運び、事態の趨勢を慎重に推し量って矛剴と接触していた綿密さが逆に仇となり、彼等を野放しにしていたと世界には認識され、カリーナ達を弾圧する声もまた膨らみつつある。

 そして今、カリーナをより追い込む為にか、現在同盟軍に提示した条件内容、そして戦争への協力を惜しんでいる彼女の判断さえもが世間に露呈した。

 これには彼女も意表を衝かれた。

 いま戦傷で怯んだ人々は、非常に情報に敏感であり、普段なら虚偽か真実を疑う壮大な話をも信用してしまう傾向にある。即ち、物事を疑って対する懐疑的な思考が失われていた。

 その性質を逆手に取られ、矛剴殲滅を大胆に広告するとは思いもよらず、これにはカリーナも悔しさを包み隠せない。


 同盟軍を指示する勢力、『解放軍』に荷担する勢力の数はおよそ五分五分になりつつあった。

 カリーナとしては、彼が戦後の中央大陸を総括する存在としては断じて認められない。

 手紙の要求、文面から感じられる相手の人格や底意、正体不明という真実を遮蔽する大きな障害を取り除いても不適任である。

 カリーナが繙いたトライゾンの存在は、皇国が滅亡し、東西の軋轢を激化させた時代から変わらぬ思想の持ち主。

 旧皇国と同じ轍を踏まぬ上で未来の世界をより良くすると書簡に載せず、ただ己こそが皇帝に相応しいと豪語する辺りからは、先を見ずただ自分の立場のみを確保したい一心が感じ取れる。


 将来性が一切垣間見えない。

 彼が聡明な人物ならば、カリーナは今にも戦争に集中すべく彼等の条件を飲んで、交渉に応じていただろう。

 しかし、約六十年間も戦乱の時代にて反乱軍を組織し、矛剴の起こした紛争を激化させるかの如く各地で暴れている。

 中央大陸を脅かす矛剴もまた彼等の敵である筈が、敢えてそれらを利用してでも国家転覆を狙って戦争に第三勢力として擡頭した。


 つまり、来年の平和よりも己が復権のみを望む権力者の妄執。

 ()の者に果たして復活した皇国の最高権力を委ねて良いかどうかの判断について、カリーナが迷った隙は無かった。


「頭を働かせるのも懈い様な心持ちだ」

「貴女らしくも無いですね」

「暁との対立時に潰えていれば良かったものを」

「はは、奴の場合なら計画的に残したのかもしれませんよ」


 カリーナは机を叩く。


「兎も角、暁と対立していたとなれば、必然的に我が祖母とも関与していたはずだ。故に、これもまた先代から継承した当主の務め」


 自身を納得させる為の方便を作り、乱雑に裾で顔を擦った。

 カリーナが思案している案件は、『解放軍』の事にもあるが、まだ幾つも残っている。

 未だ首都帰還を果たさず消息を絶った仁那、本来の闇人の貌へと近付きつつある優太、トライゾンとその勢力の未知数な部分。

 上連の報告に依れば、仁那は二名を率いて国境北部を目指している。目的が何であるかは知れないが、彼女の自由奔放さを甘く見ていた己の失態こそ幾度と無く想起させられてしまう。

 精神世界で常に彼女を見ているとされる祐輔の存在が監視役になると考えていたが、彼女は如何なる抑止も振り払って行く。

 優太は闇人の黒印に一度異変もあり、拓真との戦闘で氣術師の位階としても暁に次ぐ力量へと練磨された。だからこそ、危うさの際立つ彼を抑制する力が同盟軍にあるかを考えさせられる。

 カリーナに叛逆する事は無けれど、その力がいずれ違う形での脅威に繋がる可能性は否めない。


「ジーデス、つまらない事を訊く」

「何なりと」

「大陸中の反対勢力の中に、私に混じる矛剴の血を理由に弾劾を求める声が揚がっている。幾ら大陸の為に尽力している、とはいえ……私はやはり罪を償うべきか」


 ジーデスは一驚して、暫く言葉に窮した。

 普段のカリーナならば、弱音や戯れ言と嘲笑する発言である。相当に傷ついているのか、彼女の口から終ぞ聞く事は無いと考えていた言葉に即答など適わなかった。

 思えば、カルデラという威厳ある一族の当主に若く就任しながら、まだ二十になる娘である。平生の立ち居振舞いから若輩である事を忘れさせられるが、彼女もまた大人と呼ぶには幼い。

 ジーデスは、数分前までの己の心構えに忸怩たる想いを懐いた。

 自分は随身として仕える事を決意したのだ。その懊悩を自ら進んで分かち合う為の努力を惜しまぬのもまた、隣で支える存在としての責務。

 それを放棄して怯えていた性格に、ただただ食いと含羞を禁じ得ない。


「カリーナ様、貴女は円卓で申したではありませんか。人は血のみではなく、繋いできたモノで形成されていると」

「……それが、何だ」

「先代が矛剴といえど、先代の罪は先代の罪。何より、貴女の敬愛する祖母や母上は、大陸を陥れる様な働きをしましたか?」

「……そんな事は無い」

「気休めかもしれませんが、たとえ我々の与り知らぬ罪科があったとしても、貴女はそれらに報いる充分な責任を全うしようとしている」


 ジーデスは自然と口から出る言葉に従った。

 カリーナに罪があるなど無いと信じる。日頃の傍若無人な人柄や、相手を揶揄う悪趣味な嘲弄などを差し引いては、もはや歴史に名を列ねる英雄にも劣らない。


 カリーナは黙って机に伏していたが、やがて面を上げて呆れ笑いを浮かべた。


「本当に気休めだな」

「う゛……すみません」

「自分で言った言葉に狼狽するな。本当に私を救うなら、一つや二つ、画期的な計略でも拵えて来い」

「ぐ……そんな無茶な……」


 カリーナは湯飲みの茶を啜ると、体を伸ばして解した。

 微かな笑みを浮かべて、ジーデスを見遣る。


「茶、うまかったぞ」

「……それは、何よりです」


 ジーデスもまた自分の茶を飲んだ。


「カリーナ様も休眠を。その前に風呂も」

「気分転換に少し外を散策する」

「そ、その顔でですかッ?せめて顔くらい拭って下さい」

「頼んだ」

「ええッ!?」


 狼狽えるジーデスに、カリーナは無邪気に笑った。





  ×       ×       ×




 回廊をひとり歩んでいた花衣は、格子の隙間から雪空を見上げる。

 暫く静かになりたいと、近衛には無理を言って引き払って貰った。

 その瞳は空を映しながら、遠い地に居る恋人の身を案じ憂いている。

 幾ら敵とはいえど、父と兄を一度に喪失した事を悲しまぬ家族がいるか。彼にとっては重荷になる身勝手な想いと知りながら、どうして傍に居て彼の苦悩を和らげてやれないか。

 至る処で痛感する自分の無力さに悔いばかりが積もる。


 花衣は窓際に体を寄せ、ふっと細く息を吐く。

 しぜんと廊下を見渡そうとして、通路の中央に立つ影に目を留めた。六尺以上もある上背が、左右に伸びる道の一方を阻んでいる。

 音もせず出現したそれに驚いて硬直する花衣に、その影は沈黙を破って大笑する。


「その吃驚した顔も愛らしいな!噂に違わぬ美麗で何より」

「な、誰ですか……?」


 ゆっくり後退りする花衣に、闊歩して距離を詰める黒外套の男。


「大陸の解放の為に、迎えに来たぞ」

「ま、まさか……!」

「ご同行願えますか、神豪花衣さま」






アクセスして頂き、誠に有り難うございます。


次は、久しく挟む幕間です。

短期間ではあるものの、若かりし頃に旅を共にしていた(アキラ)嵌是(ガーゼ)の妖怪(?)退治。

舞台は本章の何処かで登場した“お祖母さん”の居る場所です。



これにて『優太と道行きの麋――中』は完結です。次回からいよいよ中央大陸最終決戦です。

伝説の北大陸に行く前に、片付けなきゃいけない問題が……。


横着せず、皆様に判りやすく、面白く感じて頂けるよう工夫して書けるよう努力します。


次回も宜しくお願い致します。




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