鉄徹製・拳鍔刀
仁那達の「三画」脱出から三日後。
二つの区画を騒然とさせた旅人と職人、そして警邏の闘争は学生の間でも取り上げられた。主な町の被害としては、「三画」との連絡経路である北の跳ね橋や力学専門学術棟の崩落、住宅街に続く橋の破損である。警邏以外に犠牲者は出ておらず、これに一先ずの安堵を覚えながら、街中では旅人の動きに注意が向けられていた。騒動の発端である彼等の仲間が、未だ旅人が寝食を済ませる「二画」の内側に隠れている可能性から、町の出入口となる昇降機の警備増員、旅館の厳重な調査が行われる。
また、「三画」で彼等の逃走幇助疑惑のある呑丼の身柄が拘束と尋問を開始。
東国では有名になり始めているのは、先日【太陽】本隊によって保護された「金色の娘」、久しく生存が確認されていなかった【灼熱】のガフマンが彼女に宛てた手紙より明かされたのは、知荻縄と白壕で発生した事件の解決に携わった少女の話である。本来ならば表沙汰に取り上げられられずにいた存在の開示。
東国で後ろ暗い生業を持つ者や、戦場で血を流す兵士には大きく知られた両者が示す少女に密かな注目が集まっている。これはかつて卒然と現れた「白き魔女」を彷彿とさせる登場。新たな変革者の予感に、その行動を蹉跌に追いやらんとする勢力、貧困と戦火の熱に喘ぎ苦しみながら首都来訪を祈る国民の意志が混然と渦巻く。
今にも町の一つが地図から消えないか、その恐怖感に駆られて人々が正気を失う寸前にあるという地獄に差す新たな光。その集束を心待ちにする者の想いが膨らむ程に、赤髭総督の焦燥感が比例して増す。知荻縄での一件より前は噂立たぬ何ら変哲の無い旅人であったが、奇しくも国の中枢から静かに敵意の眼差しを受けていると本人は感知していない。
この情報を受け、赤髭とは別に動き出す者達がいる。
火乃聿から少し離れた集落を占拠する黒衣の武装集団は、【太陽】の名声を借りて国中に伝達された「金色の娘」の声を耳にしてた。集落の東端に大きな天幕を張った中、円卓を囲う複数名の会議でも、その少女が議題として挙がる。
「『酉』のタイガと『巳』の双子が死して、我々も動き難くなっている。それは、あの小娘が「白き魔女」と呼ばれ、予想を遥かに超えた力を得たのに端を発する」
卓上に杯を置いて、白装束の少年が言った。
この中では比較的に若い彼に、集った面子は鼻で嗤うこともせず、黙って頷いた。その挙措には若年でありながら、自分達を統制する少年に対する敬意がある。
「加えて長らく我々と敵対するカルデラ……今は先代闇人が不在と雖も、当主を護衛する近衛の輪は固い。加えて、側近の“赤髪”による手練手管で所在が上手く隠されている。
積み重なる劣勢ばかりではあったが、その少女とやらが……もしかすると、我々の希望になるかもしれない。
おおよその所在は把握している、そちらに手は既に回した」
少年が瞼を閉じる。
その裏側には、一年以上前に取り込もうと画策し、拒絶されてしまった苦い記憶と、闇の宿運を背負い生き別れた弟の面影。今は大陸に名を馳せる存在にまで成長した半身の身を想った。
何故この時にか。理由てしては、これが酷似していたからである。弟が国によって警戒され始めた経緯を準えるように、その少女の登場が自分の中で彼と重なっていた。
白い裾に付いた塵を払って、席から立ち上がる。そして、背後の水で満たした樽の中から姿を見せる鶸色の亀へと振り返った。
「四片も動き出したことだ、我々も急ごうか――昌了」
円卓を離れ、天幕の外へと全員が出た後、低く重い声で亀が告げる。
『このままでは、中央大陸全土を敵に回すぞ。お前の一族も、根絶やしにされかねん』
「……構わないさ、神を滅ぼせるなら」
× × ×
展開した地図の内容を眺め、街路を記憶していく。優太とピュゼルは暗い一室で紙面に額を寄せていた。どちらも夜目が利く為か、暗中でも僅かな明るみがあれば文書を繙くことも可能である。
警邏による襲撃の雨が止んだ後に残る不気味な静寂が続く。三日前の逃走で大量の人員を撃破したが、まだその勢力に衰えなどは見られない。現に、祐輔と輸慶に巡回を頼み言義全体を観察させた結果、警邏は平常運転をしていた。
多少、注意の喚起などがあり優太達の存在に人々が敏感になっている。しかし、変化はそれだけだった。相手は一向に策を講じていない。これは、単に「三画」に悪戯で忍び込んだ旅人が起こした小さな騒ぎとした楽観視か。だが、三日前に感じた違和感がそれらを否定する。
赤髭の悪政を暴く証拠の抹消が懸念されるが、この三日間で行える敵情の視察は祐輔達の情報以外に調べる手段が無い。下手に動けば、この「一画」に一時築いた北側の安寧を早々に捨て、別の拠点を探さねばならない。『学院』の周囲は、警邏の警戒網が予想以上に密集している。
巻き込んでしまった鉄徹一味や石黒を抱える状態では、正面衝突は確実にこちら側から死者が出る。祐輔や輸慶の全力を開放すれば、本人達曰く「被害規模が町や砂漠どころでは済まない」と言っていた。更に祐輔は仁那から離れて動く気力は毛頭無いのである。
そうなると、やはり『学院』潜入の人選は優太、鈴音と仁那、そして内部構造を知っており本人の志願があって同行させる詩音である。不安要素は多々あるが、問題点の二人――仁那と詩音には輸慶と祐輔という緊急時の抑制が付いている。
弥生は斥候、頃合いを見て優太の加勢かピュゼルの居る待機場所への撤退である。今作戦においては、自分の弟子の行動範囲が最も広い。
「ピュゼル、鉄徹一味と石黒は任せます」
『貴方、ドウスル?』
「僕は仁那や詩音、鈴音に群がる敵勢を相手にする。それに、向かって来るのが警邏だけではないかもしれません」
『……マタ、アノ神族デスカ』
「前回は一体、しかし仁那の話によると彼女にも僕と同様、監視者がいる。そうなると、八咫烏やそのもう一体が参戦してくるかもしれない」
『四片』の棲息していた山岳地帯、そして破幻砂漠の道中にも苛烈な襲撃を繰り返した神族と八咫烏。幾度も迎撃をしているが、彼等は優太が一人になった所を狙い澄まして現れ攻撃を始める。
予想されるのは、警邏が多数居る状況下でも遣いの八咫烏だけが加勢に出てくる。神族は不用意に人目に触れるのを厭うからだ。しかし、一切の容赦も無く街中でその猛威を振るう暴挙だって否定はできない。神族は中央大陸の人間や魔族を下等生物と卑下し、どこまでも嫌厭し蔑む節がある。目撃者ごと消滅させたって何ら不自然は無い、相手は神の一族であり想定を容易に超えてくる。
彼等への対抗戦力は、言義でも闇人の優太、『器』の仁那、死術師の鈴音。そちらに拘っている時は、八咫烏の面倒を弥生に見て貰わなくてはならない。神族は片手間で相手取るなど自殺行為に等しい位階の強敵である。
一つの見落としで、敗北の未来もある。相棒の「白き魔女」がいれば、大概粗い手段を用いても事が終息してしまうが、今は彼女の助勢も望めない。
「取り敢えず、準備をするよ」
『作戦終了後ノ運ビハ、如何様ニ?』
「終了後は、数日間滞在した後にピュゼル達は本隊と合流して下さい。僕は鴫原で結と落ち合う約束があるので。行って早々に山中の案内を依頼した剛力の護衛だけど」
優太が立って自分の荷物の方へ歩むと、ピュゼルは地図を颯爽と円柱形に丸めて筒状の箱へ収納する。
言義の朝――まだ町が寝静まっている頃、住宅街の北に佇む廃屋の中で、戦闘に望む面々の準備が密かに行う。
優太は裁付袴の腰紐を締め直し、襟髪を結った後に装備を調える。乱戦のあった昨晩、数多くの警邏を仕留めた小太刀の刃を研ぎ上げる。弟子に預けていた愛用の仕込み杖も念入りに手入れをして、それぞれ鞘へ静かに納めた。前者は鍔迫りが必要な場合の剣戟、後者は打ち合わず敵の生命のみを断つ一刀必滅を要求される時と分ける。
仕込み杖の用途は大抵が暗殺ではある。刀身二尺は、優太としては刹那で抜刀と同時に敵を屠る事が可能な最善の長さ。それより短くては敵の懐により深く潜り込むべく詰める距離が長くなるし、長ければ抜刀の妨げになる。これこそ、優太が我が腕の延長も同然に操れる武器であった。
優太としては仕込み杖こそ最適の得物として扱える。これを常備したいが、千極では噂が伝播しており、自分を象徴する物でもあるが故になるべく使用を避けなくてはならない。今この時期に【太陽】への悪印象を与える状況を回避することこそ、置き去りにした相棒への配慮。
おそらくは、東の国を南下しつつ不機嫌に頬を膨らませていると想像できる。紫檀の杖を隣で口を堅く結んで見守る弥生へと預け、小太刀を後ろの腰で斜に差した。
羅紗の半外套を腰よりやや高い位置に、前で袖を結ぶ。機動力を損なわぬ為に袴の裾を裁付けに絞り、代わりとして半外套を代替した。これで敵に動きを読ませず、先んじて相手を斃す工夫が完成する。
戦闘時に於ける優太の生命線は、体捌きや太刀筋の精巧さと敏捷性、己の身体能力を阻害せず作戦を遂行する武装。森を出て二年が経ち、実践経験を積んだ今の優太は生粋の戦士、または暗殺者としての成長を遂げていた。
望む未来を手にする為に本来ならば忌避した筈の力を無我夢中で欲した。火薬が連続で炸裂し、全方位で凶刃が閃く、常に害意の充溢した修羅場の中で過ごした日々は伊達ではない。
立ち塞がる敵、襲い来る害悪、それら以外の必要以上の殺生は断固として許さず、身内から現れた裏切り者の処断にも無関与で済ませた。それでも、もう数え切れない数の命を手にかけた。
積み上げた屍から立ち込める悪臭と怨念と鮮血、入り交じった全部によって右の瞳に特殊な能力を宿す。遠隔地の出来事――先の時間や土地を感知し、物体を透視する高性能の視力を有する『千里眼』。
しかし、この有能さを逆に厭う優太は平時より右の瞼を閉じている。自分が望まぬ未来すらも見せる力は、瞑目するだけで封印ができた。しかし、任意の下ではなく常に右目に発現しており、これ以外に方法が無い。だからこそ、隻眼での戦闘を強いられても、誰が相手であっても不足の無いだけ鍛え上げた。
優太は弥生と不寝番を代わり、右手を長い手套に通す。黒印を匿す為に最愛の少女から贈られた、仕込み杖に次ぐもう一つ不可欠な装備。
拳を握り込んで、敵の本陣――『学院』を琥珀色の左目で見据える。誰が敵対者であろうと、自分が為すべき事が定まれば、己に課した厳しい原則に反しない範疇で戦う。
一呼吸だけ深く吸うと、ゆっくり吐いて心を落ち着かせた。
「……いつでもいける」
開戦の狼煙が、もうすぐ上がる。
× × ×
「一画」――。
廃屋の中で鉄徹一味に呼ばれた仁那は、ぐるりと竈を囲う車座に加わっていた。座布団の上に正座で構え、周囲の様子を見回す彼女の前に錠の付いた箱が置かれる。朝方から輸慶に頼み、自分達の工房に置き去りにしたのを回収して貰った物品らしく、これを仁那に提供したいとの要望だった。
怪しい毒物や呪術的な力が付与されてもいない護符の類いなら、いま受け取る余裕も皆無だ。鉄徹一味にそんな底意がないと重々承知していながら、やはり初対面で石黒を虐げた彼等の姿が脳裏に浮かんで自然と疑ってしまう。
だが自分に疑念を向けられているとは露知らず、鉄徹一味はさも宝物を相手に披露するように嬉々とした様子で箱の錠を解き、中身を彼女の面前に晒した。
箱の中で布に包装されていたのは、石包丁に似た三日月型、四つの穴を空けた刃物だった。用途は何かを切る、だがそれ以外に全く想像の付かない仁那が首を傾げると、鉄徹が穴に指を通して握り込む。
「こいつは、喧嘩用に俺の趣味で作った拳鍔と短刀を融合した――拳鍔刀。これなら、拳での近接戦を行いながら、相手の刃物を弾いて切る武器にもなるぜ」
「これを、どうするの?まさか鉄徹もこれを使って参加するの?」
「バカ言うなよ。こりゃ、あんたのだ」
仁那は自分を指差して、周囲の反応を窺った。全員が了解している事であり、誰もが首肯する。鉄徹から何の脈絡も無く贈られた武器を手に取り、刃を撫でて確認する。まだ実感が得られない。拳以外での戦闘経験が殆ど無い仁那にとって、得物は苦手意識がある。優太のように臨機応変に多種多様な武具を操れる心得は無く、況してや生来からの怪力ですぐ柄を破損してしまう癖がこれらの分野に対する技量の向上を阻害していた。
自分の膂力を活かすには、やはり徒手空拳が最も有効だと断じて武器を使う機会が疎らになっている。握ったとしても、暴漢相手に制圧を主とした刺又や杖程度の簡単な物。何より、『四片』の力を行使している最中は、尋常な武器など意図も容易く破壊できる。
この拳鍔刀――穴に指を通して握り込む、外側が研がれた刃は確かに格闘を主流とするため、俊敏な相手の駆使する剣や槍には劣る傾向がある。だが、そんな仁那の難点などを斟酌してではないが、鉄徹の興味本意による産物はそれらを補うだけの能力を秘めていた。
破幻砂漠の地中、その岩盤を採掘して発見された魔力感応石を材料として製作された。この金属は、接触する対象の氣によって性質や硬度が変幻自在であり、場合に依っては盾であっても砲弾を凌ぐ絶対的な耐久力を備えた兵器にも匹敵する。使用者によって多彩な効果を発揮する代物であり、この金属を武器に利用することは本来言義では禁止されていた。
しかし、口上し難い経路で入手した鉄徹は、単なる暴力をより苛烈にしようという一時の衝動で製作した。彼の生業は鍛冶、腕っぷしには覚えあり「三画」では比肩する者無しとまでされた八九三の頭になった。統率者として、配下の人間には常に自身を強く映るようにしたいという、下に付く者を得た権力者の常とも呼べる焦燥や高揚の産物が拳鍔刀。
仁那の能力を見て、真っ先にこの武器が最大に有効活用できる持ち主を発見した。職人として、最適な買手を発見し、そして自らの手で提供できる喜悦と誇らしさで胸を膨らませていた。
製作の動機を聞いて、やはり仁那は彼が心底から人間として信用ならないと渋面になる。受け取れば、この返礼を彼にしなくてはならない。一度は卑猥な要求すらされそうになった身としては、安易に享受する気構えとはならないのである。鉄徹が単純な性格だから、どちらに転んでもおかしくはない。
贈呈品に苦々しい顔をする相手に、鉄徹は何が気に食わなかったのかと頭を捻る。しかし、その脳内で解答が出る事はなかった。
「ま、使わなくても良いから受け取ってくれや」
「無償じゃ悪いから、代金を支払うよ。他に何か要求されるよりは全然ましだから」
「じゃあ、安くしとくぜ」
金銭での取引を二人は済ませた。
本来ならば市場にすら出ず、公共の道具として採用される魔力感応金属を個人で売買するとなれば、相場の値段も無い故に個人の目利きとなる。しかし、ここで鉄徹に深慮はなく鉄の短刀と同価で応じた。流石にそれは有り得ないと、些か気が引けたが相手の好意に甘えた。
仁那は実際に拳鍔刀を握り込む。一対であり両手に装着した時に初めてこの武器の有用さを感じた。握り込んだ拳に負担が掛からず、且つ手元を保護しながら相手に攻撃が仕掛けられる。『四片』の能力を持つ仁那が、開放時でない場合も戦闘で破損しない硬度になるだろう。
感嘆の吐息を漏らして、拳鍔刀を雑嚢へと仕舞おうとした時に鉄徹に制止された。革の腰帯を付け、左右の腰に提げた特殊な鞘に納めた。
「本当に良いの?」
「良いってこった!姐さんには、これが丁度良い」
「姐さん……?」
顔を顰める仁那にも気付かず、哄笑する鉄徹一味の後ろでは石黒が長い外套を羽織って所在無さげに虚空に視線をさまよわせていた。
「どうしたの?」
「あの、優太さんは?」
「うーん、わっせも判らない。何か用事でもあった?」
「いえ、別に……」
顔を覗くと、体を背ける。それを仁那が追い、また逃げる石黒。その攻防が続く中、何かを察した鉄徹が今度は下卑た笑みで石黒の肩を叩いた。
「ああ、王子様が居なくて残念そうだな」
「!ち、違いますから……」
「そんな顔赤くして反論してもなぁ」
「違うから!」
石黒が後ろ手に振った拳が鉄徹の腹部を強打した。一瞬の喘ぎを残し、後方の壁へと吹き飛んだ彼の体を唖然としてその場に居る者が見詰める。赤面して必死に火照りを冷まそうと外へ出た石黒の背中に、仁那は顔を引き攣らせる。
鉄徹は一撃で意識を刈り取られ、部屋の中に元から置かれていた建物の廃材に倒れたまま動かない。「三画」を脱走してから最も無害な娘と認識していた石黒の凄まじい腕力に一言も出なかった。鉄徹の右腕・額に一文字の傷がある小石が嘆息する。
「石黒がまたやったよ……」
「どういう事?」
「実は、石黒は首都で失脚した武官の家で、奴隷に身を堕として言義の「三画」に売られたんスよ。最初は凄く働いてて、男の職人が多いもんだから女は珍しいってよくちょっかい掛けるんでさぁ。
鉄徹さんは腕っぷし良いから、此処で誰が偉いか教えてやろうって張り切ったんスけど、あえなく撃退されやした。お蔭で激おこして、働き場に圧力かけて石黒を脅迫し、まあ皆でいたぶった訳でさ」
「ナチュラルに最低だね、鉄徹一味って」
冷たい眼差しを送って、仁那は呆れ果てた。
自分よりも遥かに強い優太、自惚れではないが自分には敬意を表する鉄徹は、石黒には敵愾心を燃やしている。それが奴隷、それも女性に敗北したという屈辱感なのだろう。
仁那は腰に携えた拳鍔刀を撫でて、窓から見える岩盤の空を見上げた。祐輔が帰還し、その報告内容によっては方針が定まる。いよいよ戦闘が始まる、胸の内に不安感が募った。
祐輔の言葉が脳内で反響する。
「……これからも、一緒だからね」
仁那の声が寂しく、鉄徹を廃材から起こそうとする一面に聞こえない小ささで呟かれた。
アクセスして頂き、誠に有り難うございます。
次回は詩音達の話になり、そして恒例の戦いになるかと思います。
次回も宜しくお願い致します。




