登場人物紹介(一章【仁那と襟巻きの龍】)
~旅人~
――仁那(一六)――
身長:155㎝/体重41㎏
第二部の主人公。切り揃えた前髪と、高い位置で結った後ろ髪、つり目がちな青い瞳が印象の少女。義侠心に篤く、一つの恩にはたとえどんな不遇があろうとも返礼するという信念を持つ侠客で、道中でも飯を奢ったり何か恩を感じれば助力を惜しまない。
人懐っこい性格で、接する相手に隔たりもなく、話す内に相手の信頼を自然と得てしまう。その為か、知荻縄での騒動も全員を繋ぐ存在となった。しかし、仲案道堂のように非情な行為をする者に対しては、如何に強大であろうと義憤を胸に断固として認めず止めようとする。
格闘術に秀でており、侠客として護衛を務める中で技量などが培われ、魔族を相手にも凌げるほどで、山道では兵士を壁まで突き飛ばすほど。
門客の蛙との戦闘に、祐輔の力を得て左手の甲に『四葉の紋様』が現れた。力を行使する間は紋章が光り、そこから腕に伸びた茎で肩にある終端に何重もの円が翡翠色で描かれる模様。頭髪も同色に染まり、前髪が一対の角の形状となって先端からは縹色の炎を模した氣がある。
解放時には蛙を圧倒したが、その後激痛に襲われ死に際の最中に軻遇突智の血を注がれて復調。最後まで仲案道堂を倒す要となった。
騒動の後は一ヶ月滞在、左手を隠す為の手套を付けて、祐輔と共に出発した。
旅の服装――――
袖を切り落とした黒のタートルネック、鈍い紺のジーンズに素足を晒した草履、前腕部までを保護する黒の指貫の手套。
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――祐輔――
体長:124㎝~???m/体重:???……
仁那の相棒――通称『襟巻きの龍』。
青の鱗に翡翠色の体毛をした龍。やや粗悪な性格をしているが、仁那の存在を何よりも大切にする性格で、助け合いを主に旅路で支え合っている。珍しい生物として注目を受けるため、彼女の首に巻き付いて襟巻きに扮するが、あまり効果はなく好奇の視線が募るのは変わらない(自覚はあるようである)。
今回の騒動でも活躍し、町を隠す霧の原因である門客の蜃を圧倒的な力で撃破した。その後は仁那と共に再び旅へ。
名の由来は「支え助け合う」という意味がある。誰かに名付けられたと言い、時折その人物を仄めかす。また、戦闘時に体長は巨大になるが、これが本来の姿なのか能力によるのかは不明。
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~鍛冶の里・山の中~
――太郎(一二)――
身長:135㎝/体重:29㎏
知荻縄付近にある鍛冶の里出身の少年。魔族により里を焼き払われて、親戚が居る港まで行くが、その先で捕らわれる。その後は仁那や山賊に有効な人質として監禁されるが、その後に救われた。
事件の後は、新たに玄と芭小と共に剛力の職に就いて荷運びをしている。美里にほのかな想いを寄せているが中々伝わらず、けれど諦めずに努力を続けている。
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――玄(二一)――
身長:165㎝/体重:42㎏
蜥蜴族の山賊。爬虫類の蜥蜴と同様の頭部に山袴だけを着て、長く細い尾を持つ。やや口調が特殊だが、優しい人柄の人物で、山賊とは言っても小さな盗みなど。
鍛冶の里の惨状を目撃したことで魔族に追跡され、その際に太郎を山道まで逃走幇助をした。だが、その後に追手によって知荻縄に誘い込まれ、監禁されてしまう。しかし、その時に仁那と隣室であり壁に作った密かな穴を通じて密談を繰り返し、仲案道堂潰滅に参加した。
騒動の後は、太郎と芭小を仲間に荷運びの職業を営む。美人ならば誰でも良い、という性格ではあるが、特に量胡を気に入っている。
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――芭小(二十)――
身長:164㎝/体重:42㎏
玄と同様の蜥蜴族。山賊ではあるが、人情を大切にする。
知荻縄の魔族に追われる中で、太郎を逃がした後に町へと入るが、玄が捕らわれて暫く単独で港を逃走しながら、いつか攻め入る隙を窺っていた。途中、追い詰められた透に助力し、以降は彼と友人となる。
騒動の後は剛力となっており、太郎の世話をしつつ、その恋愛にも力を添えている。何だかんだで面倒見の良い大人。
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――知荻縄――
――量胡(一八)――
身長:162㎝/体重:51㎏
襷で袂を絞った緑の単衣と緒袴、紺の前垂れをした女性。知荻縄出身で家事全般をこなす目的の道具として、仲案道堂に働かされていた。何事にも趣向が無い淡々とした性格だったが、仁那の提案した脱走計画に魅力を感じ参加した。
大人数の生活で排出された洗濯物、食事後の器の処理などを一人で処理していた故に、家事の能力が全般的に高い。
騒動の後は、改装された元仲案道堂の宿屋で働いている。一見邪険に扱っているようで、実は玄の事を気に入っている。彼が結に靡くのを見て少し苛々していた。
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――美里(一二)――
量胡と同じく知荻縄出身。雨の中、門客に襲われているところを仁那に救助された。以降は透や是手と行動を共にし、自分を守ってくれた是手に好意を示す。
事件の後は、量胡を師事して宿で働いている。
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――透(二七)――
――本名:ゼーダ――
身長:177㎝/体重:65㎏
知荻縄に潜伏していた隻腕の男。顔を包帯で覆った奇妙な身なりの男性で、是手と共に逃亡している。繁華街で仁那と出会い、その後は協力関係となった。是手のような子供相手にも優しい面倒見の良い性格で、基本的に穏やかだが戦闘では冷然と非情な顔が覘く。
仁那の救出に単身で仲案道堂に向かい、暫く殿として大量の門客を圧倒して戦う実力の持ち主。極めて冷静、洞察力などに優れており、敵の正体を看破したり、危機を察知する能力に長けている。
正体は氣術師、花衣と同郷の仲で本名はゼーダという。花衣と二年ぶりの再会を果たした。
旅立つ仁那を見送る際、何かを伝える紙片を渡して見送った。
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――是手(一二)――
透の助手である船乗りの少年。青い髪に褐色肌をしている。小柄ではあるが、力仕事もこなし、屋根の上まで登る腕力がある。
優太や透を慕い、強く在ろうとする。美里からの好意には戸惑っている。
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~仲案道堂~
――蛙――
仲案道堂が抱える門客の一人。魔族であるため、人に擬態出来るが上手くはいかない。
脚力がすさまじく、壁を利用した跳躍によって連続で強烈な威力を発揮する技を繰り出す。仁那を一度は捕ら、反旗を翻した彼女を再び追い詰めるが、紋様の力を解放した仁那によって撃滅された。
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――蜃――
仲案道堂の門客で魔族。町を隠す為の霧を広範囲にわたって発し、更には幻覚を作り出す事によって戦闘回避能力も非常に高い。
探索に現れた祐輔を捕らえるが、逆に彼の逆鱗に触れて落雷を受け死亡した。
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――受付の男――
半馬族に擬態した魔族で、仲案道堂の経営者。南大陸の魔族と連絡しながら、鴫原を含めた各地の戦で反乱軍に援助し、戦争の激化を促していた。その過程で鍛冶の里を焼き払い、目撃者とその協力者である山賊、侠客、太郎、そして夜叉を執拗に追い詰めた。
しかし、彼等によって拘束され、夜叉によって断頭される最期となった。
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~花衣と近衛~
――花衣(一七)――
身長:159㎝/43㎏
翡翠色の瞳に金色の髪をした美少女。温厚な性格に気品のある佇まいは、性差なく人の目を惹き付ける。いま大陸で赤髭総督に追跡される「金色の娘」その人。
強力な護衛を得て、二年間逃走し仲案道堂を隠れ蓑とするが、彼等の悪行までは認知していなかった。仁那から事の詳細を聞いて協力する。
事件の後、婚約者からの返信に悶えていた。
仁那には優太と同じではあるが、試作品として作られた左手用の手套を贈った。彼女が発ってから暫らくして、自分も知荻縄を出た。
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――銕――
長身に隻眼、長作務衣を着た錫杖を武器とする男。夜叉とは旧知の仲であり、今は花衣の護衛とあって敵対中。
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――伜射鏤――
護衛の一人。緑色の頭髪をした妖精族の少年。弓矢の使い手で、魔法を付加した強力な射撃を放つ。
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――掟流――
護衛の一人。黄金色の瞳と頭髪をした少年。漆黒の短剣を武器とした斥候が得意。
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――觝――
護衛の一人。橙色の頭髪をした女性。呪術を得意とする。
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――上連――
亜麻色の髪に、印象の薄い顔を黒頭巾で隠す。鉄爪による斥候で、掟流と共に近接戦闘を主流とする。
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――芹支亜――
近衛の一。銀髪に紅い双眸の少女で、特殊魔法とされる『精霊魔法』を行使する。近衛の中では最強の存在。
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――綯伊――
赤銅色の瞳と上連と同色の髪を後ろで一つに結った少女。複数の短刀を同時に扱う技量で、実力では近衛の中でも銕に次ぐ。
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~神族~
――軻遇突智――
黄昏色の双眸に加え、額にもう一つの眼球がある複眼の男。白磁の肌に白髪を高い位置で結わえ、両手は鮮紅色をしている。白を基調とした装束で、羽衣に純白の下駄を履く。
何らかの魂胆があって、祐輔を監視に来たが仁那に興味を持ち、瀕死の状態から救った。その後、不吉な言葉を残して去る。
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登場人物紹介でした。
次の旅も、仁那を主軸に動いて行きます。今回、優太達の解説がなかったのは、いずれ後になってくる予定なので控えております。
よし、次を書こう……。
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