(7) 焼きうどん
『よし、じゃあ昼飯にしようか。まずは牛乳を出すから紙コップをスタンバイ』
「はい」
『牛乳を注ぐときはカメラにコップを映してくれるか? そう、それでいい。これでもう溢さずに済むからな』
「ニート様、ありがとうございます」
『おいおいパグ子さん、約束したろ? いちいちめんどくさいから『ありがとう』は禁止だぜ?』
「むぅ、そんなこと言われたって」
『次だ。焼きうどん行くから紙皿をスタンバイ』
「はい」
『広口のジョウゴを穴に通して……と。行くぞ』
「はい」
『フライパンから焼きうどんを投入。熱ち、ちちち』
「ニ、ニート様、大丈夫ですか?」
『いや、熱いのは穴を通りすぎるほんの一瞬だけだから』
「ちゃんと冷ましてから入れてくださいよぉ」
『はぁ? 焼きうどんをわざわざ冷ましてどうすんのさ? こんなの出来立てがいちばん美味いに決まってんじゃん』
「だって!」
『いいから食おうぜ。フォーク持ったか? ではいただきます』
「うぅぅ……いただきます」
『ず、ずずず。悪いな毎日毎日こんな質素な飯ばかりで』
「はふ、はふ。何を仰るのですか。うぅぅ、とても美味しいです。ニート様のお陰で毎日こんなに温かくて、こんなに美味しくて……」
『おいおいパグ子さん、約束したろ? いちいちめんどくさいから飯を食いながら泣くのも禁止だって』
「ぐす、ぐす、そんなこと言われたって。うぅ、うわーん!」
『わわわ。パグ子さん、ハナが垂れてる! ほらティッシュ、ティッシュやるから!』