因子
語り部口調のオール説明回
『異能』とは何だ?
異なる能力、物理法則などの理屈を捻じ曲げ発現する『あるはずのない現象』
人は脳から電気信号を送り肉体を動かす
ならば、その『異能』は摩訶不思議にまで見えない神経をつなぐのが本質か?
違うよ
そんな理屈じゃないんだよ
人体なんて狭すぎる規模の話ではない
『異能』を使える奴はそれが自分のアイデンティティであるかのように、自分がそれを生み出してるかのようにふるまう
しかし現実は違う
貴様も話は機界(向こう)で説明くらいは受けただろう
そう、因子だ
この世界は因子でできている
この『世界』というのは抽象的な物ではない
あらゆる平行世界、現在過去未来、赤子の妄想から数億の利益を生み出す伝説的作品を含めた創作、実際起こった現実、多次元世界、位相空間、個人が生み出す小規模な世界から、広さは宇宙すら超え外宇宙のその果てまで。
森羅万象、あまねく全て
例外も番外も特異点も別世界もすべてすべて全部だ
一切のスキもなく、反論の余地などなく、文句のつけようもないほどにすべて
それが、私の言う『世界』だ
どんな存在だろうと逆らえない『絶対概念』
意思を持ち我らを内包する『万象』
それが、因子というものによって構成されている
分子とか原子とか魂とかそんなくだらないもんじゃない
その『因子』によって、『世界』は作られてるんだよ
当然、私たちもだ
ならば、だ
もし、私たちが自分を構成する『因子』を操作できるのなら、さあ?
それは『世界』を塗り替えられるってことじゃあないか?
そう、それだ
この『世界』、あらゆる『異能』といわれるものはすべてこれに当たる
どんな創作でめんどくさい設定考えてそれが正解だと思って物語を進めていようがこれが真実だ
道の粒子も神の祝福も能力製作も何もかもこじつけ
この『事実』を意識してない奴も多いがな
そして当然の話だが
あらゆる創作上の異世界は『実現する』
さっきも言っただろ
『赤子の妄想も世界』だと
そうさ
どんな陳腐で設定矛盾な世界(作品)でも実際にあるんだよ
地球は妄想の数だけ存在し、異世界転生の数だけ星も大地もある
そいつらは『因子』ついて好き勝手に解釈して知った気になって、自分の世界だけで井の中の蛙してるんだ
滑稽だろ
あいつらみんな自分が最強だと思ってるんだぜ
何一つこの『世界』から抜け出せてない分際で、かっこいいセリフや状況で悦に浸ってるんだぜ
最高の見世物だよな
まあ、『創作』なんてそんなもんだよ
観客ありきなんだから、そりゃみてて面白い
別に全部の世界がそうってわけじゃない
というか、これも当然の話だが『世間に出ている創作』なんて『世界』の塵芥の一つでしかない
今のは貴様にわかりやすいように『地球』のしかも『貴様の時代』に限定しての話だ
当然過去と未来の創作もある
妄想だけで終わった創作、一瞬描いた思い、それらもカウントされ
さらに『平行世界』ではまた別の物語だったかもしれない
紡がれた物語の世界にも『平行世界』はある
そしてこれは創作、宇宙の地球だけの話
わかっただろ?
『世界』という言葉の意味が
『無限』だ
陳腐だがこうとしか言えない
貴様の想像もできないほどに永劫だ
時間と空間、前世、死後、平行世界なんてもの
いくらでも伸ばせるんだから当然といえば当然
それを見てきたそれこそ那由他、阿僧祇を超える星を巡った
そうだ
因子という本質
それを発見したのだよ、機界は
一人の先導者によってな
後は、どうなるか
わかるよなあ?
そうだ
侵略だ
先に挙げた滑稽な星
名作としてある星
現実にある異形や物理法則を超えた理
いくつも見たよ
いつも見てきた
創作を並べてみると『神』なんて自称してる奴はな
『能力譲渡』と『転移』を使えればそれを名乗れるんだぜ
おいおい、勘弁してくれよ
腹が捩れてたまらん
自分の中で物語を展開する奴もいるし、何か知らんが呼び出した奴に殺された阿呆の自称神もいたな
自分が井の中の蛙でしかないと理解し、おびえる奴もいた
極力かかわりを持たないやつも、面白いからと超常の力でかき回して見世物を作る奴、みんなを幸せにしようとするやつ
いっぱいいたよ、見てきたさ
その自称神たち
ああ、この場合神とは『一定区域を支配している異能者』のことだ
中にはこの神を知らずにその腹の中で神を名乗ってる阿呆もいたよ
どんな星も見ていて楽しかった
だから、奪った
彼らの重ねてきた歴史を
つないできた努力を
あさましい思想を
上から目線で愉悦しながら摘んできた
永遠ともいえる期間
そして摘み取った因子を用いて、機界は先導者はあるものを作った
それが『星遺物』
さっきもいっただろ
『異能』とは因子を使った世界の一時的な書き換えのこと
そしてその際参照する因子とはいったいなんだ?
万象は自分を構成する因子によって性格、本質、渇望が変化する
これが因子第一位階『設計』位階といわれるもの
『因子で自分は構築されている』という、ただそれだけの当たり前の事実を示す位階だ
さらに、自分の因子を用い世界を塗り替えることに成功した状態、これが因子第二位階『覚醒』位階
自分の因子というものは個人個人で異なる
ゆえに発現する異能は多種多様
当然格、質量、物量の違いもある
機界が作り上げた装置、とはな
『覚醒』位階の人物の因子を用いて『設計』位階の因子を塗り替える
というものだ
そんじょそこいらの星の能力発現装置などではない
因子という異能の本質を理解したうえで作られた悪魔の装置
機界は略奪した『覚醒』位階を数多使い、この星遺物を作り上げた
そして
その最高傑作、京を超える人名と永劫の時間を費やし製作されたのが貴様の左目に今あるそれ
聖遺物『時間操作』
その名がシンプルなのは当然
あまりにも根源的過ぎるからそうとしかなづけられなかった
そういうことだよ
これが、いま貴様が持つ力のことだ
当然説明はされていたよな、あの世界で
次は『異能』について
今までの話を理解したうえで
『この異世界は何なんだ』
というお話
そうさな、本質だけ言うなら
『ここはお前の思い描くファンタジー異世界そのもの』だ
つまり、魔法があって魔剣聖剣があって、魔族がいて亜人がいて、地球でいたような生き物はおらず人と魔物が戦争している世界だ
おや?
信じられないか?
まあ、最初に会ったのがあれ(浄化者)ならそう思うのも無理ない
しかしあれは化け物だぞ
例外もいいところ
お前と同じ『覚醒位階』
しかも渇望もちで恩恵持ち、詠唱まで使うときた
勝てないのはある意味当然
この異世界でお前とタメはれる稀有な奴だ
俺も戦いは遠くで見てたんでな
ん?
ああ、悪いな
確かにこの単語はまだ説明してないな
まずは『渇望』
これは『覚醒』位階の人物が異能を使用する際胸に抱く、自分の意志だけで世界を塗りつぶせるだけの狂信、自己肯定の思想のことだ
あいつにも、そしてお前にもある
そして『詠唱』
これは基本的には『出力上昇』以外の何物でもない
しかし、その祝詞を上げる際の文言はどうしても『渇望』に影響される
そうすると、その出力上昇の方向性が決まるのだ
お前ならそう
『時間操作』の『詠唱』で『渇望』は『過去に戻れるための力を得るために、どこまでも先へ未来へ進もうとする、過去と未来を切望する』というもの
よって発現する理は『加速と減速の理』だった
というようにな
あの男も同じ
貴様のように自らの渇望を、理を展開し
そうして生まれた『異世界』同士がぶつかったのが先の戦いだ
しかし
この『シルヴィ』では、それは異例なのだよ
これは『恩恵』を説明しながら話そう
基本的にな、多くのものは『設計』位階から出ることはできない
当然だ
自分の渇望が、今展開されてる『世界』より正しい、なんて恥ずかしげもなく吐ける奴しか到達できぬのだ
『覚醒』位階には
しかし、なあ
もし、『覚醒』位階の人物が自分の支配下
つまり展開された異世界に取り込まれた存在がいた場合、彼らはどうなる?
それが意識的だろうが無意識であろうが
自分の所属する異世界の法の影響を受ける
すなわち、だ
『覚醒』位階の能力が『設計』位階の人物に異能を与えるのだ
これが、自称神による『能力製作』や魔法、祝福の真実
実際、時間をかけたから多くの『覚醒』位階と出会ったが、銀河単位でも見つからないものだ
自分が主神、力の源だと思っていてもその源泉は宇宙を自身の異世界とする人物のものだったりもした
格上による格下の強化
それが『恩恵』であり、この『シルヴィ』でもそれは違えていない
いるのだよ
自称神がな
いっただろ、ここは典型的な魔法と県の世界だ
しかもここを覆っている奴はその異世界をこのシルヴィにのみ絞っている
恩恵の中でも強力な部類
だが、しょせん借り物
人からもらった異能、自分の意志ですらなく借り物の『恩恵』は脆弱に尽きる
その自称神の支配する『異世界』でのみなら強いと錯覚できるが、もし『覚醒』位階とあったら速殺だ
相性、根性、悪や正義、ましてやご都合主義なんてものは存在しない
知っているか?
この世界はもっと単純なんだよ
強い奴が勝つ
弱いものは負ける
それを貴様ら
辛くも勝利?
相性で何とか勝てた?
連携で勝てた?
ふざけるな
なんて低レベルの戦いをしている
小賢しいぞ、うっとうしい
そんなものは同格の相手にしか通用しない
ジャイアントキリングなんて存在しえない
まずは格で勝負し、能力がどうだのと理屈や概念を小難しく説明するのは戦いの第二試合、延長戦でやることだ
まず格が違う
ならばただただ、質量、物量、圧力で上からひねられるだけだ
主神によっては強力になるし、もし『覚醒』位階が『恩恵』を受けたら話は別だが
そして、ここはそんな世界だ
ぶっちゃけ、お前にかてる奴なんてこの世界に20もいない
ほう?
そうだ、お前より強い奴
つまり同じ『覚醒』位階
いるぞ、ここには
だからこそ、あの機界がこの世界に目をつけそしてお前が見つけ出し、転移できるほど密接に
この『シルヴィ』は特殊だ
お前より強い奴
『渇望』持ちの『覚醒』位階、無限速にすら対応できる奴がこの星に20人近く
そう思い、警戒心を上げられるのなら心配はいらないな
これが『異能』の本質
そしてこの『シルヴィ』、そしてお前が置かれている現状だよ
どうだ?地獄だろ?
次回:『質疑応答と発見』




