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紡がれた青春  作者: ノベルのべる
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文化祭Ⅻ

 廊下に出た俺は即座に自らの失態を思い知った。

 ……晴人、どこにいったんだ。

 冬川と話している間に、当たり前だが晴人はどこかへ行ってしまった。

 おいおい、腐れ縁だろ。どこに行くかぐらいの予想はつくんじゃないか?

 そこを突かれると相当痛い。体を貫いちゃうんじゃないかってくらいに致命的な突きである。俺は晴人のことを何にも知らなかったのだと痛感する。それで、よくもぬけぬけと腐れ縁だと言いふらしてこられたな。本人に確認したわけでもないのに。本人には言ってこなかったのに。もしかしたら、否定されるのが怖かったのかもしれない。お前とはそんな関係じゃない、まして友達だと思ったこともない。そう言われるのを恐れていたのかもしれなかった。認めよう。断定だ。これは実際そうなのだ。さっきも感じたことだが、要は晴人に拒絶されるのが嫌だったんだ。手に入れたものが、さらさらと砂のように零れ落ちてしまうのを必死に握りしめて繋ぎとめようとしていた。もっとも手の中にあるものは、砂というよりももっとおぞましい何かであるに違いはないのだが。

 そんな負の思考を断ち切ろうと冬川とのやり取りを思い出す。

 駄目だ。もっと自分を信じろ。それが嘘でも構わない。名前は忘れてしまったが、昔の人が言ったそうじゃないか。

「嘘を嘘であると知っている分だけ、その嘘は本物だ」

 と。嘘を信じ続ければ、それがいつか本物になるかもしれない。本物のベールに包まれるかもしれない。

 必死に頭を回転させる。

 晴人が行きそうな場所。こういうとき、晴人ならどういった場所に向かうだろうか。

 一人で考えたいと思える場所。一人きりになれる場所。個室トイレか? いや、それは俺だったらの場合だ。俺はインドア型だから、そういった建物内で一人になることが多いが、晴人はどちらかと言えばサイクリングを愛するアウトドア型だ。外で尚且つ一人きりになれる場所。グラウンドは運動部の練習の掛け声で、静かに考え事をするのに適しているとは言えない。思い浮かぶのは――屋上だ。この前、屋上に行ったときは俺たち以外に人影はなかった。放課後に屋上に行く人は恐らくあまりいないんだろう。わざわざ屋上で時間を過ごすなんて、青春真っ盛りの高校生がするようなことではないだろうからな。部活で汗水流すのが高校生の王道。そうでない俺たち相談部は(一応部活だが、汗水流すことなんて基本ない)王道を外れた部活。おっと、話が逸れているぞ。屋上だ、屋上。晴人はそこにいる可能性が高い。

 屋上にはどうやって行くんだっけと頭を悩ませつつも、廊下を全速力で駆け抜けた。

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