夏休みⅥ
南丹市青少年センター――俺たちが宿泊する施設だ。俺たちは荷物を集会室へといったん運び込んだ。
「部屋は余るほどあるみたいだから、好きな部屋に泊まってくれ。一部屋に四、五人は入るくらいの広さだそうだ。鍵はここに置いておく」
美香さんは十個の鍵をテーブルの上に並べる。
京都女子高校の一人、秋月、そして晴人が鍵を取った。
「一緒の部屋でいいよね、春樹」
晴人の言葉に首肯しながら、京都女子高校の方へと視線を向ける。
「四人で一部屋でどうかしら」
京都女子高校の四人は一部屋で泊まるらしい。
「凛! 一緒に寝よう!」
秋月の言葉に冬川は頷きを返していた。
それを見た美香さんは、残りの七つの鍵を拾い上げた。
「じゃあ、会場の設営は十五時から。あと一時間ほどあるから部屋でゆっくりするもよし。施設の周りを散歩するのもいいかもね。集合場所はここでよろしく。ではでは」
美香さんは部屋から出ていった。
「凛、どうする? 部屋でゆっくり――」
「凛! 凛じゃない! また会えてうれしい!」
秋月の言葉を遮って、京都女子高校の生徒が一人話しかけてきた。
冬川は顔を下に向けてぼそりとつぶやいた。
「……ええ。……ごめんなさい、まためまいが。部屋で休んできます」
秋月に連れられて、部屋のある二階へと、冬川は階段を上っていった。




