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不沈空母 赤城改  作者: 立体プリン
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小隊長殿の艦内探検(前編)

遅くなりました。短めですが投下しておきます。

おうワイや 岡や。

参謀殿追いかけて 今 飛行甲板直下の格納庫に来とるんや


 「おーー 広いな」


目の前には広大な空間が広がっとって、なんや爆撃機でも入りそうやなぁ

格納庫内には 自分たちの乗ってきた彗星が 舷外エレベーターで降ろされてきよる

舷外エレベーターも 彗星が余裕で5機は乗るデカさや


ただぁ他の機体は 今のところ無いみたいやね


天井を見ると なんやら見たことないモンが付いてんなぁ

そのせいか 格納庫内は明るうて 反対側の壁まで見えるわ


天井や壁を見ると 奇妙な事に 木の板が貼られとる

よーーく見ると 何やら模様が描いてある

目を凝らして よく見てみると 図形と文字なんやろか? 見た事無い文字やな


物珍しそうにキョロキョロしとったら


 「ん 航空隊のヤツか? 壁や天井の模様が気になるか?」


40歳くらいやろか。上から下まで油まみれの恰好やが

貫禄たっぷりの男性が話しかけてくる。ここのボスやろうなぁ・・・

階級章も 汚れてよう分からんな。年上やし敬礼しとこ


敬礼


 「自分は 第634航空隊・隊長 岡 鹿男(おか しかお)少尉です」


相手も敬礼を返す


 「整備科・夏籐なつとう 螺子留ねじる中尉だ」


夏籐? 締と緩の親父さんか?


 「失礼ですが息子さん いて…居られますか?」


破顔したかと思たら


 「連れて来てくれたのか。感謝するぞ」


肩をバンバン叩かれる・・・

やっぱり親父さんか


 「はっ 恐縮です。締と緩には助けてもらっております」


親父さんは 更に笑う


 「まあ堅い話はそんなところでいいだろう。壁と天井の模様だがなぁ」


 「見た事無い模様ですね」

率直な疑問をぶつけてみる


 「そりゃそうだろ この世界の物じゃ無いそうだ。詳しくは儂も知らんがな」


この世界の物じゃあないって まるで他にも世界があるみたいな言い方やな。


 「詳しくは機密につき・・・でっしゃろか?」


 「そういう訳じゃないんだ。参謀殿の話では【断熱材 兼 最強の盾】らしい」


断熱は分かるとして 最強の盾? 参謀殿って何者?

疑問に思っている事が顔に出ていたらしい。親父さんは笑う


 「はっはっはっ まっ、詳しい事は参謀殿が説明して下さるだろう」


 「は はあ・・・」



そうやった 目的を忘れるとこやった


 「自分は 参謀殿を追いかけとりまして・・・」


 「参謀殿なら さっき来て…次は映写室に行くと言っていたかな」


えいしゃ室? なんやろ? まあええ 再度敬礼する


 「ありがとうございます。自分はこれで失礼致します」


 「ああ また遊びに来い」

 「あーー ちょっと待て。おまえんとこの4番機な。別に異常は無いぞ」


・・・なんやて? あんな気流にツッコンで無事な訳は・・・・・

いやいやいや あれは空中分解しても おかしゅうない

・・・・って事は 4番機が通る時 上昇気流を止めたんかな?


親父さんを見ると したり顔で ニヤニヤしている


 「おまえさんはなぁ・・・叱る時は ちゃんと考えてから叱るんだぞ」


更にまた 肩バンバンをされる

うーん  先輩からも【おまえは思慮が足りん】言われとったなぁ


 「ご指導、感謝します」


 「うむ」


お互い再度の敬礼を交わした後、ワイは元来た道を辿って 階段のある方に駆けてく


彗星の収容が終わったのか エレベーターの扉が閉じられ始める

1枚が幅30メートルはありそうな扉が 2枚左右から閉まり始め

エレベーターの真ん中あたりでピシャリと合わさる


ゴゴーーーン


盛大な音が格納庫内に響き渡る


 「いろいろ規格外やな この空母は」


そう言ってワイは格納庫を出る



*** 映写室 ***


 「何する部屋や?」


で、ワイは今 【映写室】に来とる

学校の教室くらいの大きさの部屋に 2メートルくらいの銀幕らしいモンが

1枚 壁に張ってあって 天井には明かりと小さい箱が何個か張り付いとる


でまた見た事無い 細い棒が天井に並んどって 煌々(こうこう)と光っとる

これもドラゴンさんの仕業かいな?


とりあえず灯りは差し置いて 天井の箱を観察する

なんやらレンズらしいのは付いとるが フィルムはどこに付くんや?


大勢で見るシネマにしては なんやら小さいな・・・

かと言って 一人で機械を覗き込むキネマトスコープにしては変やな

第一 天井に張り付いとる機械を わざわざ覗き込むんは 非効率やし


当初の目的を忘れて考えこんどったら、


 「おい まだ上映時間じゃないぞ。持ち場はどうした。」


若い士官に声を掛けられた

階級は・・・同じ少尉やけど まあ挨拶しとこ

敬礼。


 「自分は 第634航空隊・隊長 岡 鹿男(おか しかお)少尉です」


相手も敬礼を返す


 「自分は素性を明かせませんが 特務少尉です。岡殿は今日来られた方ですね」


お互い休めの姿勢を取る

なんや この部屋は機密のカタマリかいな?

それとなく探りを入れてみよか


 「この部屋は活動写真見る部屋なんやろ? フイルムとか無さそうやけど」


特務少尉殿は事務的に答える


 「はい。活動写真の上映に使われます。ですが機材については答えられません」


なんやて?

特務少尉殿は【しょうがないな】みたいな表情をして


 「機材の詳細は答えられませんが 機材を動作させて見る事は出来ます」


そう言って壁際に寄って 壁に付いとる何かを操作する

途端に部屋の明かりが消えて 銀幕に動いとる【絵】が映る。

しかも色付きや。こんなに鮮明な活動写真みたんは初めてやで。びっくりするやろ


空母の中という事を忘れて しばし銀幕に見惚れる。



・・・って、見とれとる場合やない!!


 「特務少尉殿、ワイは参謀殿を探しとるんやが知らへんか?」


またぞろ壁の何かを操作して 活動写真が止まり、部屋に明かりが戻ってくる。

で、特務少尉殿は なにやら申し訳なさそうに言う


 「参謀殿でしたら 【道場】に行かれました」


また 入れ違いかいな・・・






一方、その頃 ほかの小隊メンバーは


*** 赤城改・第一食堂 ***


第634航空隊の面々は隊長を除き ここ第一食堂で遅めの昼食を取っていた




食事しながらで失礼しとります。夏籐 締です

航空隊と整備科のみんなで赤城改の第一食堂に来とります


今日はカレーの日みたいで 食堂に居るほとんどの人がカレーを食べてはります。

かく言う自分もカレーを食べとりますが お世辞じゃなく おいしいです


 「兄さん おいしいね」


 「そうだね 緩」


弟とそんな話をしとりました。

そしたら


 「みなさん今日来た航空隊の方ですか?」


一人の青年に声を掛けられました

筋肉は少なめですねぇ 民間の方でっしゃろか?


 「はい。自分は整備科の 夏籐なつとうです」


青年はニッコリして


 「自分は【間宮まみや】から移動してきた者です。

  ここの酒保は常時やってますから いつでもどうぞ」


それを聞いた小隊の面々は 驚き、そして喜んだ。

えっ、間宮をご存じない?

間宮というのは 帝国海軍所属の給糧艦で 艦艇に食料を補給するのが任務の船ですが

まあそれよりも 羊羹などの菓子を製造してる事の方が有名ちゃいますかね。


その間宮から菓子職人を引き抜いてきた・・・という事ですから

この空母は 破格の待遇ですわ


すっかり和んだ面々は たわいもない雑談で しばし盛り上がりました。


間に別の場所のお話を書いて後編に続きます

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