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不沈空母 赤城改  作者: 立体プリン
30/31

訓練編/閑話/セカンドブリーフィング/ジージ殿のティータイム

本編の再開はまだ出来ませんが アップしておきます。

後日追記の可能性有りです。

*****  1942年(昭和17年)・秋   *****

*****    日本国・九州・佐賀県沖    *****

***** 航空母艦・赤城改 艦内 軍属居住区 *****

*****      午後2時頃        *****


ジョボジョボジョボ~~ ・・・コトン


フウー・・・フウー・・・ゴクッ



茶が旨いわい・・・ワシじゃ ジージじゃ

今は艦内の自室で 茶を飲んでおるのじゃよ

ワシは魔法や魔導装置の研究をしていたりするから

広めの個室を割り当てられておるんじゃよ


壁の時計を見て 時間を確認する


どれ、まだ孫達が来るまでは時間がある

ワシは応接用の椅子から立ち上がり

 執務用の机があるところまで歩こうとしたところ



ワイワイワイ・・・ガヤガヤガヤ・・・



おや? 通路に誰かおるようじゃな


 「・・ちゃんっ、走っちゃ駄目だってば!」

 「急ぐの~」


どうやら孫達じゃ。



トントンッ


ドアがノックされる。

このノックの仕方は秋葉尾殿では無く 孫のシルじゃな


 「入って良いぞ」


ワシはドアに向かって魔法を唱え、鍵を開ける

すると、


 「お爺さま、お茶にするの~」

 「ジージさん 予定が早まって すいません。」


孫がドアを開け 続けて秋葉尾殿が入ってくる

セセラギの姿が ちらっと見えたが どうやら護衛のようじゃ

部屋の中には入ってこない。


 「ねえ~ お爺さまっ、いいでしょ?」


孫のシルが ワシのそばまで来て 上目遣いで ねだってくる。

秋葉尾殿の方を見てみると 申し訳なさそうな表情で


 「すみません スケジュールの都合で 今の時間になっちゃいました」


なるほどのう・・・少し早いが良いか

ワシは山本長官から分けてもらった 虎屋の羊羹を取り出し

・・・赤城改艦内で作っている羊羹も良いが 虎屋の羊羹も捨てがたいの


茶と一緒に孫達へ出した。


 「わあ~ お爺さま 私これ大好きなの~」


孫のシルが 満面の笑みで かぶり付く。


 「ふぉっふぉっふぉっ。では もうひとつどうかの?」


 「いいの? いただきますなの~」


孫の笑顔が溢れんばかりで このワシも嬉しい限りじゃ

・・・・・あの時は どうなるかと思ったが・・・な




*****  1939(昭和14年)年10月  *****

*****     エルフ国・沖合       *****

***** 330メートル級 魔導試験艦・艦内 *****


 「お父様~ お母様~ ・・・えぐっ えぐっ・・・」


孫のシルが 舷側の窓から エルフ国が在ったであろう方向を見つめ

両の目を 涙で腫らし、ひたすら泣いておる


人族が大部分を占める世界から ナチスドイツと名乗る軍勢が

我が魔法界へと攻めてきたのじゃ。

そしてその進行を阻み ワシらを逃がすため 王と王妃は

極大破壊魔法を使い エルフ国もろとも その身を焦がした。

・・・エルフ国も 国王も王妃も 今は この世に居らぬ・・・。


ワシ、ジージは 孫の他 多くの同胞を乗せて

這々の体で この魔導艦に逃げ込んできた。


孫のシルは 両親の消滅を感じ取り、泣きわめくばかりじゃ

今のワシには・・・ワシらには どうしてやる事も出来ないのじゃよ


 「えぐっ・・・えぐっ・・・」


シルはまだ 両親に甘えたい年頃じゃ・・・それを あのような形で失うとは


・・・どうしてくれようかっ!!


先ほどまで逃げ切ることで手一杯で 悲しんでおる暇も無かったが

今、ふつふつと 怒りと悲しみが湧き上がってくる。


思わず 杖を握る手に 力が入る


ふと、自分の握る杖を見る

ワシらがナチスドイツに対抗するには 魔法を振るうしか無いが

現状では 到底歯が立たない。


例えば『戦車』なる鋼鉄製の武器。コレ一つとっても 魔法だけで抵抗するのは

骨が折れるのじゃよ。

まあ ひとつ ふたつ だけならなんとかなるじゃろう・・・

じゃが、相手は 数十、数百という単位で攻めてくる

とてもじゃないが こちらが魔力切れを起こすのが先じゃろうて。


勿論 四柱のドラゴンに命じれば 容易く退治してくれるかもしれん

しかしこれには制限があって 人類などの知的生命体を殺戮対象にした場合、

四柱のドラゴンは 暴走状態か シルが命じなければ 殺さないのじゃよ

これは推測じゃが 四柱のドラゴンには

 何かしら精神的な制限が課されて居るようじゃな。


・・・シルに・・・孫に、そんな残酷な命令を下させなければならんか?

いやいや、いくら相手が にっくき両親のかたきと言えど

そんな重荷を まだ幼い孫に背負わせるなど・・・ワシには出来んっ!!


ならば せめて孫自身が自分の身を守れるよう・・自由に、自在に魔法が使えるよう

孫専用の杖の完成を急がねば・・・・・




じゃが、 まだシルには 相応しい大きさの杖を用意出来ないのだ

シルには 通常の『杖』サイズでは その桁外れな魔力量に耐えられず

大抵の場合 崩壊してしまう。

じゃから どうしても『船舶』サイズになってしまうのじゃ・・・


なんとか頑張って 330メートル。

持ち運べないので 船という形を取っては居るが

これでも人間世界の どの船よりも大きいと聞く。


じゃが・・それでもじゃ

孫のためには どうしても800メートル必要なのじゃっ


その事を ドワーフ共に説明しても 平賀殿に説明しても

首を横に振るばかり。

あと何が・・・何があれば良いのじゃ? ワシには何も出来ないのか?

ワシは 己の無力さを悔いた。


そうこうしていると 同胞の老婆が 孫に近づいて言った


 「姫様、おいたわしい」


シルはその老婆に しがみついて やはり泣きわめく

今は放置するしか無かろうな・・・


そして別の男性同胞がワシの元に来て言う。


 「ジージ様、昔 おとぎ話として聞いたと思うのですが

  勇者、あるいは救世主の類いを召喚したような話があったと思うのですが

  アレは事実なのでしょうか?」


 「アレはなあ・・・」


困った・・・と言う感じで ワシは自分の顔を撫でた。

ワシも調べた事はあったのじゃよ 調べた事は。


 「それはな・・・」


 「それは?」


男性同胞の目が 興味津々とばかりに見開かれる

ワシは自慢のヒゲを撫でながら 話を続ける


 「結論を言えば 証拠も痕跡も無い」


 「えっ・・・そんなっ・・・」


驚愕の事実。気が付けば周囲の誰もが こちらの話に注目しておる


 「そんなーっ 神様ーーっ」


絶望する者


 「ならば・・・私も極大破壊魔法を撃ってきます」

 「おいみんなっソイツ止めろっ」

 「おい やめろっ」


自ら命をなげうつ者


 「うっ、・・うっ、・・」

 「えーーーん・・・」


孫を含め 泣きわめく者。


孫の方を チラリと見る。孫と視線が合った

が、嫌がるシルを無理矢理連れてきた関係で シルのワシに対する感情が

非常に悪い状態なのじゃ。

孫のシルは 視線を外して また 盛大に泣いている・・・


 「えーーん・・お爺さま キライッ・・」


・・・ワシも死にたい。

次はワシが『極大破壊魔法』を撃つ番かのう・・・





***** 西暦201X年 日本 *****

*****  秋葉尾 拓の自室  *****


ドンドンッ


 「拓ーーーっ、もってないで 大学行きなさーーーい」


ここのところ 毎日繰り返される光景

母さんが 僕の部屋の前に来て 目覚まし代わりに 怒鳴りつけていく。

もちろん 僕は行く気が無い。


僕、秋葉尾 拓は 今日 もう2度目だったか 3度目だったかの フテ寝をする

軍事オタクで ラノベ大好きで何が悪いんだ?

頼むからミンナ ほっといてくれよ・・・




***** 同時刻/日本国内・某所 *****


 「時は来たわ。ふふふっ、タク。 小さな私のために チカラを貸してね」


この巨大な魔導艦の中で 私は昔の思い出を振り返りながら

せっせと準備を始めたの




*****  秋葉尾 拓の自室  *****



 「もうっ この子は引きこもってばかりで・・・ブツブツ

  ほらっ、何だか知らないけど また荷物届いてるわよっ」


母さんの声がドア越しに聞こえた。


ガチャ・・・ギイィ・・・


部屋のドアを開けると 確かに荷物があった。通販のアレだ。

いや待てよ、最近頼んだ覚えが無いんだけどな。おかしいな・・・

返品するにしても 一度開封するしか無いか。


ビリビリッ・・・ガサガサッ・・・


通販でおなじみのアマ○ン段ボール箱から出てきたのは

スマホみたいだけど メーカー名が分からないな・・・しかも製品の箱が無くて

充電器も説明書も無い。ただスマホらしき物があった。


どゆこと?


良く分からないから返品しよう。

そう思った瞬間、スマホの電源が入った。

・・・何にも操作してないのに・・・


画面に何か表示される


『あなたはエルフが好きですか? Yes/No』


また唐突な質問だな・・・まあ嫌いじゃ無いな。 Yes っと

Yesをタップすると また質問が表示された。


『小さなエルフの女の子が困っています。助けますか? Yes/No』

えっ、どういうシチュエーションだよ。

良く分からないけど、ここは助けるだろう。Yes・・と

Yesをタップしたら今度は


ピルルルッ・・・ピルルルッ・・・・


うわあっ、びっくりした。どうやらスマホに着信したようだ。

本来の持ち主か アマ○ンからかな?

取りあえず 電話に出る。


 「はい、もしも・・・」


挨拶を言い終わる前に相手は話し始めた

女性の声だ


 「ご協力感謝します。あなたの持っている知識と

  お手持ちのスマホのチカラを使って助けてあげてください。

  それでは良い旅を。♪~キロココ キロココ キココッコ コン コン~♪」


女性の挨拶・・・ガイダンス音声だろうか?

それが言い終わると 何だか魔法少女でも変身しそうな音楽が流れてきて

僕の周りの景色が一変した。




*****  1939(昭和14年)年10月  *****

*****     エルフ国・沖合       *****

***** 330メートル級 魔導試験艦・艦内 *****


泣き止まない 孫の周りに 同年代の男の子と女の子達が集まってきて

孫を慰めるが 一向に泣き止まない。


無理も無い。


甘い菓子でもあれば なんとか あやしようもあるんじゃが

魔法で水くらいは出せるが お菓子はおろか 当面の食料にも困る状況じゃ。

さてどうしたものか・・・・・


そんな事を考えて居ったら 孫と同世代の男の子の ひとりが、


 「じゃあ勇者さま呼んでみようよ~っ」


 「やろうやろうっ」

 「ええーーーーーっ おとぎ話だって言ってたじゃん」

 「ヒソヒソ ボソボソ」


またそれか・・・おとぎ話なのは良いとして

魔法術式も 呪文さえも残されておらん。実現性は皆無じゃ。


じゃが そんな正論を子供達に説明するのも 大人げないかのぉ・・・

・・・やれやれ・・・

放っておくに限るかの。


しかし 孫が泣くのを止めたのじゃ。そして おもむろに言い放つ。


 「つおーーい つおーーい 勇者さまっ。わたしの声に応えて

  ゆーしゃ しょーーかーんっ」


孫が 両手の手のひらを 天に突き出し、詠唱を終える

・・・いやいや そんな呪文とも呼べない代物で 呼べる者では無いじゃろう

あきれながら 事の成り行きを見ておったが 事態は予想もしない方向に動くのじゃ


 「あっ 魔方陣が出来たっ」

 「みんな下がって 魔方陣から出て~」

 「ワイワイ ガヤガヤ」


なんとっ あろう事か 魔法が発動している・・・ワシは夢でも見ておるのか?




魔方陣が完成して数秒後、目もくらむ明るさになったかと思うと

人族の青年じゃろうか? 少年かもしれんな

寝具らしい物に潜り込んでいて とてもではないが『伝説の勇者』には

ほど遠い存在じゃな。


とにもかくにも 得体の知れない何かは召喚されたようじゃが・・・

何者じゃ?




***** 同艦内・秋葉尾 拓 目線 *****


 「ピッ・・・」


 「ぴっ?」


見知らぬ天井?

いや、この際そんなモンはいいっ

僕の目の前には 信じがたい事に 洋ロリ・エルフが居たっ!!


でも僕の眼前に立っている ロリエルフは なぜだか悲しそうな目をしていた。

そして、


 「ビッ、ビエェェェェーーーーーーッ」


僕の顔を見るなり盛大に泣き出した。

僕 何か悪い事したか?

いやいや、そもそも この子とは初対面だ

何か泣かせるような事は 出来ようはずが無い


そしたら何でだ?


 「・・○△※▼☆・・・・○△※▼☆・・」


ロリエルフが 泣きながら 何かを言っているっぽいんだけど聞き取れない

ん~何だろうな・・・・・あっ そうか。これはきっと夢に違いない

よく考えてみればそうか。ラノベやアニメに出てくるような

エルフが そうそう出てくるわけが無い

そうと分かれば話は簡単だ


よしっ、また寝よう。夢の中の夢は 多分現実だ。根拠は無いけど多分そうだ

うん。そうすれば夢から覚めて・・・覚めたら幸せかな?

そんな事を考えてたら


トントン


掛け布団越しに 僕の肩が叩かれた。

振り返ると いかにもな・・・白髪に長い髭を生やした長老様っぽい

エルフのおじいさんが居た


 「□■◇★・・・これで言葉が通じるかの?」


 「あっ はい。分かります」


 「ほう、それは良かった。おおっ名乗っておらなんだな

  ワシの名前は『ジージ』じゃ。そこで泣いておるのが孫の『シル』じゃ」


エルフの女の子は相変わらず泣いてるけど 取りあえずジージと名乗った

おじいさんと話をしてみることにした。


 「僕の名前は 秋葉尾 拓です。」


そこまで言ったところで 燃えるような赤い髪の毛で

マッチョなお兄さんが僕に近づいてきた。


 「おいっ、そこの少年。ご主人シルちゃん様を泣かせたのはお前か?」


指を コキコキ、バキバキ言わせてそんな事言ってるし・・・・・

泣いてるのは事実だけど 僕は知らないぞ。

そんな事を考えてるとジージさんが


 「やめんか ユラメキ。シルは勝手に期待して勝手に泣いておるだけじゃ」


と、やや怒鳴るような口調で言った。


 「「はっ?」」


僕と ユラメキと呼ばれたお兄さんの顔に疑問符が沸いた。

シルちゃんが勝手に期待した?

シルちゃんの泣き声を よくよく聞いてみると


 「勇者様が~~ つおい つおい 勇者様が~~ びえ~~~」


何、ひょっとして 勇者を召喚しようとして僕が呼ばれたって・・・

ラノベとか某なろう小説とかアニメとかである奴?


僕の隣に苦笑いをして立っている ユラメキと呼ばれた青年と僕を

改めて見比べてみる。

お世辞にも僕は強そうには見えない。

うん、そりゃ がっかりするかもね。でも失礼じゃ無い?


 「まあ ここじゃなんだし。折角召喚されたんじゃ

  あっちで茶でも飲みながら話をせんかね?」


 「はい」


促されて僕は スマホ片手に布団から出た。




***** 同艦内・別の一室 *****


僕は ジージさんと二人で 別の部屋に来ていた


 「まあ大した物は出せんが 茶の一杯くらいは飲んでいきなされ」


 「はあ・・・」


思わず生返事をしてしまった

ジージさんは 湯飲みらしい容器に 何だか良く分からない茶の葉らしい物を入れると


 「む~~ん・・・・・何 すぐ沸くから待っておれ」


呪文らしい言葉を唱えてる・・・

は? 茶の葉だけで?

もしかしなくても魔法とかですか?

とか 鼻で笑ってやろうかと思ったけど

ホントに水が湧き出て 湯気が出るまで沸いた。魔法すげーーーっ


 「ほれ・・・毒なんぞ入っておらんぞ」


あんまり気は進まな無かったけど 喉が渇いていたので飲むことにした。

正直、白湯に近かったけど 取りあえず喉の乾きは収まった。


ジージさんが お茶を一口飲んで開口する


 「この度は孫が迷惑を掛けたの。この通り許してほしい

  状況が落ち付いたら 秋葉尾殿を元の世界へ送り返すようにするから・・・」


そう言ってジージさんは頭を下げた。

送り返す? そうすると僕は本当に召喚されたらしい

まあ還っても やっぱりイジメに遭うんだろうな・・・僕って

でも状況って?

・・・しばし熟考・・・


 「ジージさん・・っと おっしゃいましたね。その『状況』って奴を

  聞いても良いですか?」


 「普通は怒るもんじゃろう・・・まあ良いわい。」


ジージさんは 呆れたような、驚いたような。そんな表情をして

その重い口を開いて 僕に説明してくれた。





***** 1時間後 *****


 「はい、大体の事情は分かりました。それが事実なら僕は

  平行世界か どうかは ともかく

  確実に時間を超えてきたようですね」


大して美味しくも無いけど 僕はお茶のお替わりを貰って また飲む


 「時間を超えてきた・・・と言ったかの?

  その平行・・・なんとか言うのは良く分からんが おぬし、

  いつの時代から来たと言うのじゃ?」


そこまで言われて 僕はニヤリと笑って答えた


 「僕は この時代より80年以上未来から来た日本人です」


それを聞いて ジージさんが目を丸くする。


 「・・・時間を超えた? 疑っているわけじゃ無いが

  ワシは皆に説明せねばならんのじゃ。

  何か証明できそうな物は無いかね?」


 「そうですねぇ・・・コレなんか どうです」


僕はスマホを持っていたことを思い出し、取り出して見せた

すると ジージさんは 目玉が飛び出してきそうなほど目を見開いて

僕のスマホを食い入るように見つめた。


 「これは・・・何じゃね? ほう・・・模様が光っておるな。どれどれ

  これは何に使う物かね?」


 「はい これはスマートフォンと言って 電話・・・遠くの人と会話したり

  文字や音 写真や動画・・動いている絵を やり取りできます」


 「ほう・・・そんな事が・・・」


手に取って 触ってくれるよう ジージさんに渡す


 「ええと 画面に出ている アイコン・・・小さな絵を 指で軽く『チョン』と

  触ってくれればですね・・・」


そこまで言って 僕は考え込む

時間と空間を超えたとして どう考えても21世紀の日本から電波なんか

届いているわけ無いんだから 電話なんか使えないよな・・・

そんな事を考えながら ジージさんへの説明のため 彼の背後に回り込んで

スマートフォンを覗き込むと、


 「立ってるっ!!」


 「立ってる? ワシは座っとるぞい」


 「いえ、そうでは無くて・・・」


信じられない。スマホのアンテナマークが表示されている・・・

つまり21世紀の日本と通信が成立していると言うことだ。

 このファンタジー世界に電波が届いているとか 何の冗談だ?


故障かな?


試してみれば 分かる事さ。

通販ページにログイン・・・と、出来たっ。

自分で やっておいて 驚いた

ホントに通信が確立している

内心、とっても驚いているけど 構わず注文を続ける。


 「ええと・・・例えば 欲しい物が あったとして ココをこうして・・・」


 「なに なんじゃと? 模様が・・・絵が 次々と変わるぞい」


そうして僕はスマホを操作して コーヒー、紅茶、お茶なんかを

 ア○ゾンに注文して『注文完了』をポチる。


『ドヤッ』てな感じで ドヤリたい とこなんだけど

操作が終わってから ハタと考え込む。

注文した物は自宅に届くとして そこから先は どうするか考えてなかった


・・・僕って馬鹿だな

自嘲気味に笑っていると


 ドタドタドタッ・・・バンッ


部屋の扉が勢いよく開け放たれて さっきの赤髪マッチョが何かを持ってきた


 「ジージのじいさん、さっきソイツが現れた場所に今度は

  こんな変な箱が現れたっ!」


そう言って ユラメキは 見慣れた『ア○ゾン』と書かれた段ボール箱を持ってきた

早くね?


いや それもあるけど どういう経緯でココに?


まっ そんな事は あとで考えよう


 「丁度良かった。コーヒーは お好きですか? それとも紅茶が良いですか?」


 「そうじゃな。紅茶が良いかな・・・って まさか

  その箱の中に入っていると言うのかね?」


 「はい、開けますね」


僕は ユラメキから箱を受け取り、開けて 予定通りの物が入っている事に安堵し

紅茶のパッケージをジージさんに渡した。


 「・・・これが紅茶?」


受け取った ジージさんは怪訝そうな顔をしている

無理も無いか。

プラスチックのパッケージなんか 観たこと無いだろうし。


僕は ジージさんに お湯だけ沸かすように言い

パッケージを開封して 中身の紅茶パックを湯飲みに入れた


 「ほう・・・どれどれ。なるほど 確かに紅茶の香りだ」


ジージさんは 湯飲みを手に取り ゴクリと 一口飲む


 「これは なかなか・・・いや 旨い 旨いぞ」




***** その頃、大日本帝国・東京・平賀 譲の自室 *****


 「くっ、駄目だ 駄目だ これでは駄目だ~」


儂は平賀 譲。帝国大学の学長だが

 今でもエルフ国とは 個人的な付き合いが続いており

先日も『800mなんて船は まだ出来ませんよ』と返事はしたものの

なんとか出来ない物だろうかと 試行錯誤自体は まだ続けているのだ。


図面を描いては消し、描き直しては捨て を繰り返している


現在の鉄では 良いところ 300メートル級が限界か・・・・・


 「あなた、根を詰めすぎては 体に毒ですよ。」


 「あっ ああ」


コトン。


声に気が付いて横を見ると 妻が立っており、気を利かせて

 茶を持ってきてくれたようだ。


やはり 夢の素材が必要か・・・


茶を すすりながら考えを まとめる

このまま従来の考えに捕らわれたままでは 思考が堂々巡りをするだけで

えきにはならんか・・・ならば 腹案として

鉄の10倍相当の素材が出来るかもしれないと仮定して

設計を進めてみよう。

彼らなら 用意してくれるかもしれない。


こちらの世界でも木造帆船から鋼鉄船に変わったように

 いずれ技術的特異点は訪れる。


そう言えば また欧州が きな臭くなってきたようだ

戦争など起きて欲しくは無いが 備えておかねば・・・



ガタン・・・パタパタッ


おやっ?

シル君達から預かった 妖精達が棚から出てきて 何やら怯えた表情をしている。

何かあったのか?


 「君たち、シル君達に何かあったのかい?」


儂は怯える妖精達に訪ねた。

すると彼らは すがるような表情で儂を観ている・・・良くない事が起きたか・・

しかし儂からシル君達に連絡を取る手段が無いし

第一、今の儂は 帝大の総長に過ぎない。

今の儂には どうしてやる事も出来ない・・・


・・・ならば儂に出来る事を、儂にしか出来ない事を やろう。


そう、気を取り直して 湯飲みを置き 儂は鉛筆を握り直した。



*****  エルフ国・沖合 *****

***** 魔導試験艦の一室 *****

*****  ジージの視点  *****


うまい、うまいぞ。

紅茶と言って渡された 品物は ワシの知っている ソレとは違うが

確かに紅茶の味がする。

紅茶そのものは イギリスに行くことがあるので たまに飲んだりもするのじゃが


これは一種の保存食のようなものじゃろうか・・・なんとも不思議な物じゃ


しかし これだけの物を 瞬時に用意出来るとは・・・この少年は何者だ?

僅かに魔法を使った形跡は感じられるが それだけでは説明が付かない


・・・第一、魔法だけでは物質を精製できないのじゃ

少なくとも原料は要る。


ならば この少年は 大商人か?

そんな風には到底見えないが・・・・・ならば 確認してみようかの。


 「秋葉尾殿、良ければ食べ物を頼めるかの。もちろん礼は する」





*****  秋葉尾 拓の視点  *****


 「そうですねぇ・・・動物性の物は駄目でしょうねぇ・・・

  でしたら缶詰類とか果物類、豆類とか・・・こんな感じでどうでしょう?」


そう言って 僕は 大量のリストが表示されたスマホをジージさんに渡した。


 「そうじゃのう・・・文字は読めんが 絵から察するに

  これと これと これは 果物か豆じゃろうから これをなるべく沢山頼みたいが

  出来るじゃろうか?」


 「なるべく沢山ですか・・・ちょっと待ってください」


スマホをジージさんから 受け取ると マイページを確認した。

・・・おかしい

ポイント数が変だ


一、十、百、千、万、十万、百万、千万 億 十億・・・おかしいな

 こんなに入っているわけ ないのに


何回も確認するけど 確かに信じられない数字が入っている。

身に覚えが無いけど さっき女性が言ってた『スマホのチカラ』って

このポイントも含まれるのか?

これ僕のアカウントだぞ?

じゃあこのスマホは間違いで送られてきたって訳じゃ無いのか・・・


そうと分かれば・・・『注文確定』をポチッた。


その後、僕が召喚された場所に戻ると

 大量のア○ゾン段ボール箱が積み上がっていた。



 「逃げてくるのが精一杯で食料が無かったんじゃ

  秋葉尾殿っ、国を代表して感謝するぞい」


興奮気味のジージさんから 力強い握手をされた。




***** その頃、大日本帝国・東京・平賀 譲の自室 *****


カリカリッ・・・シャーーー


一心不乱の思いで 図面に線を描き加えていく


全長 800メートル

幅 108メートル

完成すれば 恐らく50万トンから100万トン級の船体が出来上がるはず。

一体、工期は どれくらいになるのか想像も付かない・・・

儂はこの船の完成を見ることは無いかもしれないが

これこそが 儂、造船官として最後の仕事と言えるかもしれんな




*****  1942年(昭和17年)・秋   *****

*****    日本国・九州・佐賀県沖    *****

***** 航空母艦・赤城改 艦内 軍属居住区 *****

*****      ジージ殿の居室      *****


キャッ キャッ・・・・ハハハッ



こうしてまた 孫のシルが笑っている姿が見られる

まだ戦争中とは言え、儂は今 幸せじゃ


当なろう小説は 実在する人物・団体等とは 一切関係がありません。


最近ブクマ登録された方、ありがとうございます。

ブクマ登録を維持されておられる方もありがとう御座います。


次話は『訓練編/恋の行方と おっ*い岩』の予定で御座いますが

予定は変更の可能性が御座いまして 時期も未定ですが予めご了承下さい。

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