訓練編 / 各国の反応
***** 大分市より東へ27km・関崎灯台付近 *****
「去ったか・・・・・味方を撃つとはな。興味深い」
我は愛用のカメラを片手に、巨艦の航跡を暫く目で追い
人とはこのような巨大な物を作る事が出来るのかと感銘を受けた。
我は 盟約に従い、日本の超巨大空母の調査にやって来た レッドドラゴンだ
取り合えず写真は必要であろうと考え、愛用のペリフレックス1と言うカメラを携え
魔力を感知されないようにと 過去に経験した事の無いほど
気を配りながら潜入して ようやく その巨艦を写真に収める事が出来た
それにしても愛用のペリフレックス1というカメラは
ファインダーを上から覗き込むという仕様上、扱いやすいとはお世辞にも言えないが
その代わりと言っては何だが 映りは良いのだ。
英国面? 何の事かね?
我には分かり兼ねるな
我は急ぐ故、これにて失礼する
これを連合国に配らなくてはいけないのでな。
それでは諸君、また会おう
「転移っ!!」
***** 中華民国・将 介石の居室 *****
儂、中国国民党・総裁の 将 介石は
持ち込まれた写真を見て
大日本帝国の底力を見たような気がしていた
船体が真っ白な点が気になるが その大きさたるや
自国で満足に武器を造れない事が
いかに みじめであるかと痛感させられる
そうなのだ。情けない事に我が国は
食料を除いた全ての軍事物資はアメリカ等からの支援に頼っていて
この支援も最近では 停滞気味だ。
・・・・・これでは満足に訓練も出来ないでは無いかっ!!
全てが八方塞がりに思えてくる。
何か手は無いだろうか?
師たる 孫文 先生なら何と言うだろうか?
我が国には こんな言葉がある
自分より弱い敵は踏み潰し、自分の2倍する敵は分断して 各個撃破し
自分の10倍する敵は 友好関係を結ぶべし・・・と。
先のミッドウェーで打撃を受けたとはいえ この写真を見る限り
果たして日本の国力は落ちているのだろうかと疑問が残る
日本には恨み辛みと 僅かばかりの恩があるが
こうなって来ては 敵とみなすよりは 友好関係を構築すべきか・・・
何か手土産が必要か?
・・・・・そう言えば 誰だったか
この大陸に『龍の心臓』があるとか言っていたな
ああいった物は 手土産になるだろうか?
誰が言っていたかな
誰だっただろうか。思い出せない・・・歳は取りたくないものだ
いやいや、そんな物は 西遊記のような作り話だ
もっと現実的に考えよう
アメリカなら この船を沈められるだろうか・・・・・
***** 後日/アメリカ合衆国・ホワイトハウス・大統領執務室 *****
嘘だあ・・・信じられん・・・
私は 差し出された写真を見て 『信じられない』と言う感情に支配されていた
私はアーネスト・ジョージ・キング
現・アメリカ合衆国艦隊司令長官だ
私は大統領に呼び出され 極秘に入手した写真を見せられた
その写真と言うのが 噂の巨大艦のモノだっ
問題の写真は ピンボケもブレも無く撮影され
細かいところまで分かるように大きくプリントされた
その真っ白の船体を 私は注意深く観ていた。
写真を見てまず分かるところは その船体の大きさだろう。
同時に映り込んだ航空機から察するに
少なく見積もっても2000フィート(609m)は下らないだろう
先日の発表を 私は『はったりだ』と聞き流していたが
目の前の写真は それを裏付けている
騙し打ちをする 日本人にしては 珍しく正直だ。
ならば排水量が50万トンと言う数字も あながち嘘でも無いのだろう
ん? まて。この大きさで 50万トンだと?
ええと・・・・・
「・・グ君・・・・ング君」
トントン
不意に私の肩を誰かに叩かれ 我に返ると
目の前の執務机に鎮座した大統領が 不機嫌そうに言う
「キング君、君の意見を聞きたい かの船は脅威かね?」
どうやら大統領は 何度も私の名前を呼んでいたらしい
私とした事が 痛恨のミスだ
慌てて周囲を見渡すと 隣に座る どこだかは分からない連絡員が
見かねて私の肩を叩いてくれたらしい
「はっ、大統領
結論を言わせて頂ければ『脅威度は低い』と思われます」
「根拠を聞いても良いかね」
「はっ、言うまでも無く艦艇と言うのは戦力化するまで若干の時間を必要とします
これが従来サイズの艦艇なら運用のノウハウもあるでしょうが
この艦は 何もかもが破格と言って良いでしょう。
消耗する物資も 日本の国力を考えれば 容易には調達できないでしょう。
ですので 当面は無い物と扱っても良いかと小官は考えます」
・・・とは言ってみたものの 大統領の表情から失望の色が見て取れた
それはそうかもしれない。
なんせ目の前に居る大統領は海軍次官を歴任している
海軍への思い入れも人一倍。『そんな事は言われんでも分かるよ』と
大統領の顔には書いてあった
いかんっ。下手をすると解任の憂き目に遭う・・・
そうだ、さっきの大きさと排水量から計算すると・・・・・
私は急いで暗算をし答えを出した。そして自信たっぷりに告げる
「それに・・・大統領、私はこの船の弱点に気が付きました
ですので かの船が沈む日も そう遠い日の話ではありません」
「「「「「 !!! 」」」」」
執務室に居る全員が 私に視線を向けた
「それで弱点と言うのは何だね?」
大統領は椅子に深く座りなおし 興味津々と言う表情で尋ねてきた
私は咳ばらいをし、
「はい 大統領。かの船は『トップヘビー』であり 重心が高いのです
ですので・・・・・」
そこまで言って 大統領は納得されたようだが
執務室内の かなりの面々は まだ分からない様子だ
私は説明を続けた
「この船の吃水。海面から船底部までの深さは
全長と排水量から推定して およそ8m程度
これは現存の大型艦艇と大差無い数字ですが、
しかるに 海面から飛行甲板までの高さは
概算で40~50m程度あると 思われます」
大統領が言葉を放った
「つまり、沈没まで至らしめなくても
転覆させれば こちらの勝ち・・・という事か?」
私は コクリと頷いた
「はい。『魔法』なる得体の知れない物が
いかほどのモノかは分かりませんが
人が造った物である以上、『物理の法則』には
逆らえないでしょうから」
「そうか。日本も つまらない物を造ったな」
そこまで言って しばらく執務室に静寂が流れた
そして私と大統領。どちらが先に笑ったかは しかと覚えていないが
「ふっ・・・ふふ」
「はっ・・・ははっ」
「「ハッハッハッハッ・・・」」
我々は勝利を確信した
***** その頃、赤城改・第一食堂 *****
時は夕刻近く、赤城改は大分を離れ ドワーフ港の専用岸壁に戻っていた。
戻ってくる頃には グラーフ・ツェッペリンも曳航され 乗組員の処遇やら
船体の今後などが 上の方で 揉めている最中だろう
で、僕 秋葉尾 拓は シルちゃんと第一食堂で 早めの夕食だ。
隣ではシルちゃんが きつねうどんを食べている
そしてそんなところで食事をしていると 当然ながら色々な人が話しかけてくる
やれ『次の作戦はどこだ?』とか『次の人員補充は いつだ?』とか 中には
「なあ艦長さん ホンマに この艦は沈まんのか?」
などと たまたま居合わせたのか 待ち伏せしていたのかは不明だけど
彗星の乗組員・・・ええと 岡 隊長かな?
彼らが聞いてきた
うーーん どう答えとこうかな・・・
「そうだねぇ・・・一言で言うと
シルちゃんと4柱のドラゴンさんが居れば まず沈まないね。」
「「「 ??? 」」」
「簡単に言うとだねぇ・・・まず、通常兵器では容易に装甲を貫通出来ないよ。
例えば 1トン級爆弾や魚雷でも 同じ場所に複数発 当てでもしない限り
やられたりはしないよ。」
第634航空隊の面々は『ほうー』なんて顔してる
そこへ 整備科の・・・夏籐 締君だったかな?
食い下がる
「ええと、それとドラゴンさん達と どう関係があるんで?」
「うーん、一応 秘密なんだけどねぇ・・・」
そう言って僕は 伸び掛けている うどんを すすった
第634航空隊の面々は顔を見合わせ、そして 今度はまた 岡隊長が言う
「いや、この船って なんや 頭でっかちやろ?
大丈夫かいなーー 思たんや」
僕は驚く
「いいところに気が付いたねぇ・・・」
言いながら うどんに載っている 油揚げを食べた
そう、この艦の見た目は『トップヘビー』だ
そして それは仕方の無い事なんだ。
なるべく軽くしなくちゃいけないし
水深の浅い所にも行かなくちゃいけないんだから・・・
第一、本当にトップヘビーだったら 平賀 造船官・・・いや『元』か
元・平賀 譲 造船中将
かの御仁も本艦の設計に関わっている。
転覆しそうなほどトップヘビーだったら
平賀氏が『譲る』訳ないんだから・・・。
あの時の 喧々諤々(けんけんがくがく)の議論を懐かしく思いながら
小隊の面々に どう説明しようかと悩んでいたところ
第三者の声が聞こえた
「君達、それくらいにしときたまえ」
第634航空隊の面々は おろか、
第一食堂に居るほぼ全員が その人物に気が付き
椅子から立ち上がり 敬礼をする。
僕も 恐る恐る その人物が居るであろう方向を見ると
僕も慌てて立ち上がり 敬礼をする
「これはっ、山口 多聞中将」
それに対して 中将は
「あっ、いや皆 そのまま食事を続けてくれ。
お邪魔しているのは儂の方なんだから。ほら 座って座って」
そう言って 食事の載ったトレイを片手に 身振り手振りで着席を促し
自身も 僕と対面する位置に腰を掛ける。
中将閣下は腰を掛けるなり 笑顔で僕に言った
「赤城のメシが恋しくてねぇ~ ご相伴に預かりに来たよ」
僕は慌てて声を掛ける
「これは中将閣下。言って下されば 食事を届けさせましたのに」
その言葉に 中将閣下は笑う
「そんな事をしたら こっちの料理人が機嫌を損ねてしまうよ。
第一 メシなんて物は出来立てが うまいんじゃないか。」
はっはっはっ・・・と 中将閣下は上機嫌だ
山口 多聞 中将
『人殺し多聞丸』と呼ばれた その人は
史実に置いて ミッドウェーに散るはずであったが、
炎上する中型空母・飛龍から 僕らの手で助け出された。
そして今は・・・、
当たり障りの無い話題・・・・・なんか無いかな?
などと気を回していると、中将は一時 食事の手を止め 言った
「そう言えば 君には・・・君達には
きちんとした礼を言ってなかったね。
・・・本当に ありがとう。」
そう言って 中将閣下は テーブルに手を付き 頭を下げた。
そして僕は言う
「中将閣下、皆の居る前で・・・よして下さいよ」
それでも中将閣下は
「次は何時 来れるかは分からんのだ。だから頭くらいは下げさせてくれ」
その様子に 僕は オロオロするより他 無かった。
そんな空気をブチ壊してくれたのが シルちゃんだ。
「ありがとう されたの~」
いつの間にか運ばれてきた デザートの
ぜんざいを食べながら 明るく言い放った。
これには 中将閣下も 苦笑いだ。
「そっ そうかね。シル殿にも世話になったな。
いや、今も お礼の仕様が無いくらい 世話になっているな」
そう、現在進行形で『それ』は進んでいる。
このドワーフ港にある第3号ドック
この赤城改を建造した3号ドックでは 新たな空母が建造中だ
全長が300メートルを超え、アングルド・デッキを備えた近代的な空母。
例えていうなら 史実に置いて 某国で実用化された原子力空母から
原子炉とカタパルトを取り払ったような艦になるはずだ。
そして無事、戦争から生き残る事が出来たら 動力を原子力にする予定だ
でも事の起こりは
僕の所有するプラモデルを中将閣下に見られた事によるんだ。
ある日、僕の居る部屋で あるプラモデルを出しっぱなしにしていたんだ。
それを偶然尋ねてきた中将閣下に見られてしまい・・・・・
「これは・・・秋葉尾君。これは何て言うんだい?
これは是非とも新造艦に取り入れたいね」
「えっ!!」
その見られたのが某国の原子力空母のプラモデルなんだ
で、その特徴的な斜め甲板。『アングルド・デッキ』を
いたく気に入ったと・・・こんな流れで新造艦へ急遽採用されたんだ
おかげでハードスケジュールで進んでいた建造が
殺人的スケジュールにレベルアップしましたとさ。
そのせいか 空母乗組員サイドからは感謝されるも
造船関係者からは 嫌悪の対象になる始末・・・
おかげで建造現場の近くを通ると 刺すような視線が無数に集まる。
僕も『人殺し秋葉丸』とか言われるのかな・・・
そんな僕のブルーな気持ちも知らずか シルちゃんが僕をツンツンと突く
「シルちゃん 何か用?」
そしてシルちゃんは 自分の口の前で 両手を丸く合わせている
どうやら内緒話らしい。
僕は体を低くして 耳をシルちゃんの口に近づける
コショコショコショ・・・
「うん・・うん・・えっ、あの時 外から魔法の反応があった?」
コクンと頷く シルちゃん
あの時とは 大分県の沖合に居た時だ
魔法が使える部外者が居た
これは重大な事実だ
僕は悩む
「シルちゃん。そう言う事は もっと早く言って欲しいな」
「そなの?」
スプーンを口に当て 可愛らしいポーズを取る
「そーなの」
そう言って僕は シルちゃんの 両の頬を指でつまんで 軽く引っ張る
「やーーのーー」
シルちゃんが 本気じゃない悲鳴を上げ
中将閣下は それを微笑ましく観ていた。
大分の魔法反応は 何だったんだろうな・・・・・
***** イギリス・ロンドンより南南西 31km程 *****
***** ケント州・チャーチウェル邸 *****
「くっ、日本人め。一体いつから建造していた?」
・・・儂か?
ランドルフ・レナード・スペンサー=チャーチル
現・イギリス首相だ
今朝は 愛用の葉巻を咥えながら 持ち込まれた写真を見ていたのだ
そう 日本の超巨大空母だ
先日、日本から公式に発表が あったようだが
あの時は にわかには信じられなかったのだよ・・・
しかし目の前にある写真は 事実としか言いようがない
認めねばなるまいな 日本の底力を。
だが・・・これほどのモノ いつから作っていた?
数年? いや少なくとも10~20年くらい掛かるだろう・・・
ならば軍艦の総トン数を制限した条約は
端から守られていなかったという事か?
・・・ふう・・・
いやいや これほど巨大な物、極秘に建造など無理だろう
ならば・・・ああそうか エルフ国で建造していたという事かっ!
それならば条約に触れない。
くっ、・・・このタヌキめっ!! 食えない連中だ。
儂は先の大戦前に海軍大臣を経験した。
思えば あの時は戦艦を4隻造るとか いや6隻だとか
今から考えれば なんでもっと先を見据えておかなかったかと。
もしも あの当時に戻れるなら
当時の儂を殴ってやりたい気分じゃわい
そう言えば 軍需大臣時代に『戦車』なるものを提案して
その有用性が認められたな・・・。
あの時の ひらめきを 空母に対して もっと早く欲しかったな
まあ過ぎてしまった事は 仕方が無い
それよりも今後だ。
エルフ国。本当にあるのか
それならば エルフ国を介して 再度 日本と同盟を結ぶ事も
考えなければなるまい・・・・・
それには やはり内部の事情も知らねば・・・・・
儂は葉巻を ふかす
・・ふう・・
・・では『エージェント』からの続報を待つとしよう
「旦那様、そろそろ時間に御座います」
「もうそんな時間か」
執事が うやうやしく 儂の居室に現れ 時間の到来を告げた
儂は 葉巻の火を消し 仕事に出る準備を始めた。
***** ソ連・モスクワ・クレムリンの一室 *****
ガチャガチャガチャーーーン
「馬鹿なっ。他国に出し抜かれおって・・・
日本に潜入しているスパイ、ゾルゲは何をしていたっ!?」
ハアハア・・・・・
儂は ヨシフ・ジュガシヴィリ・スターリン
この国の最高指導者だ
怒りのあまり 儂は周囲にある モノと言う物に当たり散らしていた。
儂が今 手にしているのは 日本の巨大空母。赤城改の写真だ
建艦技術で 一歩先んじられた・・・・・まあ それもある
それよりもスパイ戦で出し抜かれた事に 儂は怒っておるのだ
労せずに漁夫の利を得ないでどうする。
それにはまず情報だ。そして工作、時には暗殺もしよう
ハアハア・・・
この写真は いつからある? いつ持ち込まれた?
誰に聞いても分からんと言う・・・・・粛清するか?
いや待て待て あわてるな
そんなウソを言って何の得がある?
そう言えば エルフ国と言う国があるのだったな
かの国は おとぎ話に出てくる あの種族なのか・・・・・
だとしたら『魔法』なるものに現実味が出てくる
ならば我が国の工作員が出し抜かれたとしても無理も無いか・・・
魔法と言えば・・・そうすると この写真はイギリスの仕業か?
「ええいっ、忌々しいっ」
ガチャ~ン、コーーン
・・ハアハア・・
魔法なる物が現実に あるならば・・・
もしも宗教と少なからず関係があるとしたら・・・
宗教への弾圧も一考しなければなるまいな・・・・・
そんな事に思いを巡らせながら 儂は部下に部屋の片づけを命じた。
***** イギリス・某所・魔法組合・組合長室 *****
「綺麗に撮れておるだろう?」
「ほう 腕を上げられましたかな。いやはや お見事」
儂じゃ、スクプ・・・いやこれは昔の名前じゃ
今は魔法組合の組合長じゃ
今 儂はレッドドラゴン殿が撮って来た写真を観ていたところじゃ
そして当のレッドドラゴン殿は 儂の目の前で 人の姿をし
・・・見た目は 初老の紳士といったところじゃの
ソファに腰掛け 紅茶を飲み 菓子を食している
見事な写真じゃ・・・・・じゃが
「レッドドラゴン殿、まさかこれで終わりじゃないですよね?」
儂は念のため尋ねる
レッドドラゴン殿は ティーカップを降ろし
「当然 潜入調査は やるつもりでいるよ
今はチャンスをうかがっているところだ」
当り前じゃないかという表情を儂の方に向けて言った
「それに・・・」
「それに?」
「気になる事があってな。
信じられない事に 彼らは味方機を撃墜しておったよ」
「味方機を・・・ですか?」
「そうだ、だが 思考を読もうにも かの船は
魔力を遮断する素材で出来ている可能性があるし
何より乗組員が多過ぎて
特定の人物の思考を読むには至らなかった。
こちらから強い魔力を放てば可能かもしれんが だが
相手もまた魔法を操れる種族。
下手な魔法・魔力の行使は危険と判断した
よって、直に乗り込み 調査を行いたい」
「あなたに そこまで言わしめるとは。」
しかし レッドドラゴン殿は 明るく言い放つ
「なに。我に掛かれば難しい事では無いよ
あとはチャンスの到来を待つ事だ。
さすがの我も 魔法界へ行くのは骨が折れるのでな」
それだけ言うと また紅茶を飲み 菓子を ほおばっていた
***** 東京より南西へ 約5800km *****
***** インドネシア・ジャワ島 *****
***** 大日本帝国陸軍・第16軍司令部 *****
「中将閣下、海軍に頼む訳にはいかないでしょうか」
「そうだな・・・」
儂、今村 等は悩んでいた。
バンタム湾に着底している『神州丸』を引き上げるにあたり
海軍へ協力を依頼出来ないかと 声が上がっているのだ
事の起こりは 今年 3月1日のジャワ島上陸作戦に置いて
海軍が放った 93式酸素魚雷が 命中してしまった事に由来する
神州丸を含む5隻・・・病院船や掃海艇、輸送船などが
バンタム湾に着底し 100名の命が失われた。
そして儂自身も 神州丸から海へ投げ出された 一人だ。
いや もうそれ自体は良いのだ。
儂も海軍の謝罪を受け入れ 事故の真相は闇へ葬り去った
同じ国の軍隊が いがみ合っても始まらないだろう・・・
その事故自体は 過去の話なのだ
だが着底してしまった艦艇は 何とか引き上げて
使える状態にしたいのだ
しかし 作業が思うように進んでいない・・・
特に神州丸だ。現在 魔法界で改修中の あきつ丸と同じように
大発などの舟艇を搭載できる船は この神州丸と あきつ丸の2隻だけなのだ
儂としても 早期に戦線復帰させてやりたいのだ
儂としては 済んでしまった話を蒸し返すのは 本意では無いのだがな
背に腹は代えられんか・・・
儂は 丘崎参謀長へ言う
「分った 山本長官を頼ってみよう」
「はっ、上申を聞き入れてくださり 感謝します」
***** 再び・魔法組合・組合長室 *****
何やらレッドドラゴン殿が聞き耳を立てている様子
一体どこの会話を聞いているのやら・・・・・
と、突然立ち上がり 告げた。
「どうやらチャンスが巡ってきたようだ 行ってくる。転移っ」
そう言って レッドドラゴン殿は ドロン と
どこかへ消えてしまった
当なろう小説は 実在する個人・団体等とは一切関係ありません。
ご意見・感想・評価・ブクマ登録をお待ちしております。
評価して頂いた方、過分な評価 恐縮ですw
尚、今回の登場人物ですが なろう小説の規定に伴い
名前を弄っておりますので 人物のフルネームは 鵜呑みにしないよう願います
次回は「訓練編 / 潜入(仮題)」を予定しております




