表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不沈空母 赤城改  作者: 立体プリン
19/31

訓練編/りおん丸にて

ぼちぼち本編に入っていきます

     --- 以下ノ者ニ転属ヲ命ズ ---


      木更津海軍航空隊 三宅 進 少尉

         同     三越 学 少尉


                    軍令部




***** 1942年(昭和17年)8月14日(金曜日) *****

*****   日本から南へ4500km/ラバウル沖   *****

*****    特設航空機運搬艦・りおん丸 艦上    *****


 「なあ~どうしてだと思う?」


 「ここでどうこう考えても仕方ないでしょう。今は船の荷物になってましょう」


俺は 三宅みやけ すすむ

相棒は 三越みつこし まなぶという

俺達二人は 一式陸上攻撃機の正/副操縦士だ


俺達は他の木更津海軍航空隊の面々とラバウルに来ていたが

なぜか俺と相棒、三越の2人だけ本土に呼び戻される事になり

りおん丸に乗船して 一路、横須賀を目指している



なぜだろう?

船の船尾から出航してきたラバウルの方向を見つめながら

俺はウジウジと考えていた


俺達 何か呼び戻されるような事をしただろうか?

いやそんなハズはない

俺だけなら ともかく、相棒の三越は冷静な奴だ。

懲罰を食らうような事は 絶対にしないヤツだ

・・・・・ていうか そういう真面目な所しか取り柄のないヤツだ


 「おい三宅、今 失礼な事考えてたろ!」


 「・・・いいや 別に」


普段はトロイくせに妙なところが鋭い

しかしこの冷静沈着で鋭いところに救われているのも事実なんだ。

そうだ 話題を逸らそう


 「あー 俺達 爆撃機乗りなんだから飛んで帰れたら良いのにな」


 「・・・航続距離が足りないことくらい分かってるでしょうに」


 「うっ、うるさいな・・・ギリギリいけるっぽいぞ」


 「そんなねぇ 平和な時じゃないんだから会敵したら戦闘機動で

  あっという間に燃料不足です。そんな運任せな飛行なんて

  アホとしか言えませんわ」


 「うっ・・・」


俺達の乗る 一式陸攻は、偵察任務で航続距離 4300~6000km。

ギリギリなんだが 確かに会敵して戦闘状態になれば 戦闘機動をかけねばならず

巡航速度で飛行している時に比べ 圧倒的に燃料が減る

まして 零戦の2倍の幅、重量比で4倍程度の一式陸攻が

敵艦載機に勝てるかと言われれば 正直望み薄だ


 「くっ、空母に降りれればいいんじゃね・・・」


我ながら無茶を言ってるのは分かる

零戦の2倍の大きさの航空機が空母なんかに・・・

まして 正規空母はミッドウェイで失われた

何言ってんだ俺・・・と 内心自分で自分に突っ込みを入れた

そんな俺に相棒は冷たく言い放つ


 「まったく 動物的カンで何を言うかと思えば、バカバカしい

  そんなバカな事言ってないで 敵潜でも見つけたらどうよ」


敵潜?

そう簡単に見つかれば・・・ていうか そう簡単に遭遇してたまるk


キラッ・・・


何か光った?

海面付近で何かが光ったような気がした


 「おい三宅 どうした? 何か見つけたか?」


 「ん いや 何か光ったような気がして」


相棒が何やら考え込んでる

少し考えて 近くに居た見張り員と何やら話している


 「おい三宅、どっちで光った?」


気のせいかもしれんけど

自信なさげに指差した


 「あっちだ」


で、俺が指差した方向を 見張り員が 目をさらのようにして何かを探す

いや 実際は双眼鏡を目に押し当ててるから どういう目なのか知らんけど。


ボーッとしていると


 「おい三宅 お前も探せよ!!」


何を?・・・と 思ってたら 海面に何やら白い線が見えた


 「おい学 あの白い線なんだ?」


そう言うと 俺はまた指差す

学と見張り員が 指差した方角を注視して


 「てっ 敵襲 てきしゅうーーー」


そう叫んで見張り員が走っていた


 「でかしたぞ三宅、最初に見えたのは敵潜水艦の潜望鏡だろうな

  で、白い線のような航跡は魚雷だ。」


あれが噂に聞く雷跡か・・・って こんな事して場合じゃないっ

愛機、愛機はどこだ?

キョロキョロと甲板上を見渡す。そっか 運搬艦じゃ飛べないな

俺は がっかりと肩を落とした


そんな俺を見て相棒は


 「ほら隣の駆逐艦を見てみろ。爆雷攻撃準備に入ってるぞ。

  この船も回避行動を取るはずだから 大丈夫だろ

  俺らは邪魔にならんようにしてればいいさ」


そっそうか?

仕方がないので 怖いと思いつつも 雷跡を注視する事にした


 「魚雷なんて そうそう当たらんよ。まっ 当たったら大変だけどな」


怖い事と サラッと言う相棒

イラッと来た俺は相棒に怒鳴る


 「俺らが乗ってるのは戦艦じゃなくて ただの運搬艦なんだぞ

  万が一にでも当たったら 即沈むぞっ 分かってんのか!!」


俺が怒鳴っても相棒は落ち着き払って


 「分ってるよ。でも飛行機乗りの俺達に出来る事は なにも無い。」


そう言って盛大に ため息をつく相棒


くっそーー。

こいつが正論を言ってるのは分かる。でも何か無いのか? 何か・・・



そんな事を考えてると 敵の魚雷が海面上・1メートルの高さに浮いた


???


良く見ると何か触手のような物が巻き付いてる イカかタコか?

イカかタコだとしたら どんだけ デカイんだ?


そして クルッと180度、魚雷が向きを変え また海中に沈められる


 「「!?」」


そして、敵の魚雷は 元来た方向に戻っていく。そんな馬鹿な

ともかく俺達は助かった。やれやれ


 「ばっ馬鹿 第2射があるかもしれんぞ 安心するな」


それもそうか・・・そうだよな。で、さっきのは何だ?

相棒に聞いてみよう


 「なあ さっきの何だ? イカかな? タコかな? 何だと思う?」


 「お前こんな時に・・・そうだな 触手の色と形状から考えてイカじゃないかな

  でもあの魚雷を持ち上げられる大きさとなると 体長は10~20mは無いと

  ・・・・・でも あり得んだろう・・・。」



ザッパーーーン


何の音だ 何か跳ねた?

そんな会話をしていると 海面から女の子が出てきた。

へえ~べっぴんさんだね。俺が感心してると


 「あり得んだろ。この船少なくとも10ノットは出てるだろう

  そんな船に追いついてるとか おかしいだろっ」


そんな事言ってもなあ・・・・実際居るし

この船から出ている水流を物ともせず 女の子は着いてきている

そして女の子は 腰から上を海面に出して 赤と白の旗を振り始めた


 「えっ 手旗信号?」


俺は驚いて そんな事を口に出すと

相棒は 手旗信号を手帳に書き始めた


 「テ・ダ・シ・ム・ヨ・ウ

  コ・ウ・ゲ・キ・ヲ・チ・ユ・ウ・シ・サ・レ・タ・シ

  ・・・手出し無用 攻撃を中止されたし・・・だと?」


俺達二人が驚くと 女の子は海面を跳ねた。


 「「尻尾!?」」


女の子の足に相当する部分に 確かに『しっぽ』があった。でも

綺麗だ。

透き通るような白い肌に 長い髪。そしてキラキラした輝きを持つ鱗がある尻尾

何もかも綺麗な女の子だった


そして女の子は それっきり戻ってこなかった

潜る直前 なんだかニッコリ笑ってたような気がしたなぁ




*****        その頃、水中では       *****

***** 米海軍・ダンバー級潜水艦 スレッシャー艦内 *****


 「外れたか」

俺は この潜水艦の艦長 ウィリアム・ラベット・アンダーソン少佐だ

1発目の魚雷が外れたようだな。もう一発撃ってダメなら諦めるとしよう


 「もう一度潜望鏡深度だ。潜望鏡上げーーー」


 「潜舵上げーーー」


じきに潜望鏡が使えるはずだ。俺は帽子のツバを頭の後ろに来るように回し

潜望鏡を覗きに掛かる


商船と駆逐艦と思われる2隻が見える。やはり被弾した様子が無い


 「魚雷 第2射用意」

俺は再度 発射命令を出す。今度こそ仕留めてやる


ちなみにだが この船の名・スレッシャーは

オナガザメの一種・マオナガの名前を持っている

俺達はサメだ。はっはっは


その時、


ガクン・・・メキメキ


何かが ぶつかったような音と衝撃があった

それにしては 衝撃が小さいような気もする


潜望鏡を再度 覗く。なぜか真っ暗だった。潜望鏡を損傷した?

そして


パリッ・・・ブシューーーーーー


潜望鏡のレンズ部分が割れ 海水が進入してきた

操船室内が騒然となる


 「落ち着けーーっ 何が起きたかは分からんが 浮上してしまえば問題ない

  司令塔を海面に露出させるんだ」


 「メインバラストタンク排水ーー」


艦の構造物が海面上に出てしまうので発見される危険はあるが

この際は止むを得ん。潜望鏡も使えんし 攻撃は諦めて帰還するとしよう

そう決めた瞬間


ザザザザザーー


どこか遠くで大量の水が落ちてくる音が聞こえる

どういう事だ? 潜望鏡以外でどこかに損傷を受けたか?

そうこうするうちに 誰かが総船室に駆け込んできた


 「ハッチがーーー 乗降ハッチから浸水 止められませーーん」


まずい。ダメージコントロールで どうにか出来るレベルを超えている

しかし艦長たるもの 簡単に諦めてはいけない


 「落ち着けーーー全タンク・バラスト水を排水しろーーー

  機関最大 全速前進、アップトリム最大。

  手すきの者は艦尾に移動しろーーー。出来る事は全部やれっ

  敵に発見されても構わん。まずは浮上しろーーー」


命令を出しながら俺は考える。なぜ乗降ハッチから?

そうこうするうちに 艦に強い衝撃が襲った。

俺達は気を失った




***** それから何時間かが経過した 翌朝 *****


何だこの匂いは?

俺は とてつもなく臭い匂いで目が覚めた

イカ? イカか? そんな匂いをもっと臭くしたような匂いだ


ともあれ総船室のみなは 気を失っているだけで 生きているようだ

差し当り 沈まずに済んだようだ。船外に出て状況を確認してみよう


乗降ハッチには 何やら粘性の液体が付着している

とても臭い。制服を洗濯して 果たして匂いは取れるだろうか?


・・・俺はこんな時に何を心配してるんだ

俺は自嘲気味に笑った



潜望鏡も見てみる


 「やはり折れているな」


潜望鏡は 何かが衝突したようだ。ぽっきりと折れている

しかし いったいなぜ?


それから大部分の乗組員の生存を確認して

無線機の復旧を急いだ




俺達は何と戦った? どんな難敵だ?

いや当面の難敵は 報告書だな。なんて書こうか・・・・・






***** 後日・日本/軍司令部 *****


儂かね? わしは山本と言う

儂は一枚の報告書を読んでいる

何でも 人魚に口頭で報告させ エルフ族が文書に起こしたモノだとか

・・・・・なになに





配下のクラーケンに 敵魚雷を回頭させ撃ち返し

この魚雷が敵潜水艦の潜望鏡と思われる部分に命中

起爆はしなかったが 潜望鏡を破壊し 損傷部分から漏水させる事には成功


またクラーケン3体がかりで敵潜水艦を強襲

乗降ハッチをこじ開け 海水を浸水させる事に成功

その後 衝撃を与え 搭乗員を失神させ戦闘能力を奪う事に成功した






 「長官、実に簡素な報告書ではありますが 信じても良いのでしょうか」


先任参謀の黒島君が言う


 「なに、輸送艦の被害は減っているんだ。誇張はあるかもしれんが

  まるっきり嘘でもないだろう。」


このおとぎ話の住人のような種族に海軍の訓練を一部受けさせ

シーレーンの防衛に使うという計画を秋葉尾君から聞かされた時には

半信半疑だったが 蓋を開けてみれば 大戦果だ。

ボロボロだった海上輸送は ほとんど被害を受けない状態まで回復してきた

まさに戦時下とは思えない状況だ。


あとは あの船の進水を待つばかりか・・・・・・






それは航空母艦・赤城改の進水する1カ月は前の話であった

当なろう小説は実在する個人・団体等とは一切関係が御座いません。

ご意見・ご感想・ブクマ登録・評価等お待ちしております

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ